CART

トヨタCART 2002年仕様

チャンプカー・ワールド・シリーズChamp Car World Series)は自動車レースの1カテゴリーである。単にチャンプカーChamp Car)と呼ばれることもある。フォーミュラカーオープンホイール)を使用した四輪レースであり、アメリカ合衆国を中心として開催される独自のフォーミュラカーレース。2003年に、経営破綻したCARTカートChampionship Auto Racing Teams )を引き継ぐ形で始まったが、2008年の1レースの運営をもってシリーズを終了した。

レースによっては1イベントで20万人もの観客を集めることもあり人気が高かった。日本でも2003年までG+ SPORTS & NEWS(現・日テレG+)で放送されていた。その後は日本でのTV放送はされていないが、公式サイトで年間契約の課金登録をする事により、英語放送のストリーミング中継や、2001年シーズン以降のアーカイブ映像を視聴する事が可能だった。

CARTの沿革

1979年より、CARTChampionship Auto Racing Teams)が、インディカーと呼ばれるオープンホイールマシンを用いた同名のチャンピオンシップシリーズを運営していた。1990年代前半には世界的にも一時期F1と肩を並べる勢いをもった。その中でF1からCARTCARTからF1へとドライバー移籍交流があった。

ただ、そのためにCARTに参戦するアメリカドライバーの減少と、何よりアメリカンレーシングそのものであるオーバルレースの減少に、世界三大レースのひとつで当時CARTの1ラウンドを構成していたインディ500を主催するインディアナポリス・モーター・スピードウェイIMS)が不満を持ち、1994年にはIMSが1996年より新しいカテゴリーを発足させる旨の発表をするに至る。その後1995年までにCARTIMSとの間で何度か交渉が持たれたが話がまとまらず、1996年から2つのシリーズに分裂することになった。

CART側はインディ500をシリーズカレンダーから除き、それまでのレギュレーションレースを維持する一方で、IMS側は新たにインディ・レーシング・リーグ (IRL) を設立し、インディ500を中心としたオーバルレース専門レース運営開催することになった。また「インディ」はIMSが持つ商標であるため、今までインディ・カーとよばれていたCART用のマシンチャンプ・カーChamp Car)と呼ぶように変更された。(チャンプ・カーとは1909年から続いているアメリカ国内チャンピオンシップを走るマシン、即ちチャンプ・カー)ちなみにインディ・カーIRL側のマシンの呼称となった。

分裂後もメーカーの参戦、ドライバーレベルの高さ、レースの面白さもあって2001年まで盛り上がりを見せ、分裂前ブラジル・オーストラリアに加え、日本やヨーロッパにも進出したCARTだったが、名門ペンスキーの離脱やエンジン規定を巡るいざこざでシリーズ自体の存続が危ぶまれるようになり、2002年をもってトヨタホンダが撤退。両社は2003年にIRLへ移籍した。またそれまでの参戦チームドライバー多数IRLへと移籍したため、その影響をうけてCARTは破産となる。

CARTは2004年にOWRSOpen Wheel Racing Series)に全ての資産を売却し、運営団体、名称としてのCARTは消滅。その後チャンプカー・ワールドシリーズCCWS)として再生を図っていたが、2007年のシリーズ開幕を前に、タイトルスポンサーであるフォードが「スポンサーシップ経営目標に合致していない」ことを理由に、同年1月26日にタイトルスポンサー契約の打ち切りを決めた。これらの影響に加え、アメリカ国内でのモータースポーツ人気がNASCARに集中し観客動員等の低下傾向が見られるようになったため、2008年シーズンからIRLシリーズを統合することが決定(事実上IRLによる吸収合併であった)。プロモーターとの契約の関係で、同年4月20日にロングビーチ市街地コースで行われるレースを最後にシリーズが終了した。

CARTの概要

レースの特徴は、常設サーキットロード)、公道コースストリート)、オーバル(末期は開催せず)の3種類のコースで行われ、満遍なくどのコースでも速さを求められるカテゴリーとなっている。しかしIRLの台頭や、NASCARを初めとする他カテゴリー統括団体によるオーバルトラック買収の影響により、オーバルレースは減少、のち消滅を余儀なくされ、またロードレースでも独立資本サーキットが減少している事情などもあり、末期には他団体や特定メーカーの干渉を受けにくいストリートレースが、シリーズの中心を占めるようになっている状況だった。

エンジンは2.65リッターのシングルターボで、燃料としてガソリンではなくメタノールを使用するのが特徴(なおインディカーは2007年よりエタノール燃料に転換している)。また、F1などで禁止されているウイングカー構造シャシを使用する。マシンエンジンタイヤに関してはレギュレーション上基本的にはどのメーカーでも参戦できるのだが、2002年の騒動により2003年よりエンジンフォードコスワース)、タイヤブリヂストン独占供給となっていた。マシンは以前はレイナードローラが供給していたが、2002年のレイナード倒産により、一時ローラ独占状態となった。2007年からはパノスが新シャーシ独占供給しているが、車幅の切り詰めなど思い切った改正が行われている事から、旧来のCARTファンの間では新シャーシの導入には賛否が分かれていた。

2005年シーズンからは、レース中合計60秒間だけエンジンパワーを増大させることができる「Push-to-Pass」ボタンや、本気のアタック時に使用するサイドウォール部分が赤く塗られたソフトタイヤ(通称「レッドタイヤ」)などの新機軸が導入されている。

またステップアップカテゴリーとして、過去にF3000に近いインディ・ライツ(2008年よりIRL主催の旧インディ・プロ・シリーズがこの名称に改称)、F3に近いフォーミュラ・トヨタ・アトランティックの2カテゴリーによってCARTフォーミュラピラミッドが形成されていたが、インディ・ライツは2001年を持って廃止され、現在はフォーミュラ・アトランティックのみ運営されている。なお、フォーミュラ・アトランティックは2006年よりタイヤが横浜ゴム、エンジンマツダ・コスワースの供給となり、「ヨコハマ・プレゼンツ・チャンプカー・アトランティック・パワード・バイ・マツダ」として再出発が図られている。バッジネームのみという形ではあるが、マツダにとっては久々にレース活動に復帰を果たした事になる。

なお同カテゴリーは、チャンプカーシリーズ終了後も「アトランティック・チャンピオンシップ」の名称で引き続きOWRSによる運営が行われる予定であり、マツダ等のスポンサーも引き続きシリーズ運営に関わっていくことを表明している(ただしタイヤ供給クーパーに交代する)。

2001年にはCARTを舞台としたシルベスター・スタローンの映画「ドリヴン」が制作されたが、本物のCARTドライバーマシンが多数登場する一方で、ストーリーにおいて実際のCARTでは起こりえない事態が描かれている部分が多いことから(CARTで使用するメタノール燃料は容易に水で消火・分解が可能なため、映画の後半で起きるような雨の中での燃料漏れによる爆発は考えにくい、雨が降っているのにオーバルコースレースを行っているなど)、CARTファンの間では賛否両論である。これは、当初「ドリヴン」がF1をテーマとして企画された映画だったため、CARTを舞台とすることに変更された後も当初の脚本の設定が残っていたことが原因ではないかと、一部の関係者は指摘している。

日本では2007年以降、北海道小樽市市街地コースを利用して小樽GPの誘致活動を行っていたが、チャンプカー自体シリーズが終了となったため今後の動向は不明。

CARTの歴代チャンピオン

ドライバーズ・チャンピオンシップ・チャンピオン
チャンピオン 国籍
1979年 リック・メアーズ アメリカ合衆国
1980年 ジョニー・ラザフォード アメリカ合衆国
1981年 リック・メアーズ アメリカ合衆国
1982年 リック・メアーズ アメリカ合衆国
1983年 アル・アンサーSr. アメリカ合衆国
1984年 マリオ・アンドレッティ アメリカ合衆国
1985年 アル・アンサーSr. アメリカ合衆国
1986年 ボビー・レイホール アメリカ合衆国
1987年 ボビー・レイホール アメリカ合衆国
1988年 ダニー・サリバン アメリカ合衆国
1989年 エマーソン・フィッティパルディ ブラジル
1990年 アル・アンサーJr. アメリカ合衆国
1991年 マイケル・アンドレッティ アメリカ合衆国
1992年 ボビー・レイホール アメリカ合衆国
1993年 ナイジェル・マンセル イギリス
1994年 アル・アンサーJr. アメリカ合衆国
1995年 ジャック・ヴィルヌーヴ カナダ
1996年 ジミー・バッサー アメリカ合衆国
1997年 アレックス・ザナルディ イタリア
1998年 アレックス・ザナルディ イタリア
1999年 ファン・パブロ・モントーヤ コロンビア
2000年 ジル・ド・フェラン ブラジル
2001年 ジル・ド・フェラン ブラジル
2002年 クリスチアーノ・ダ・マッタ ブラジル
2003年 ポール・トレーシー カナダ
2004年 セバスチャン・ボーデ フランス
2005年 セバスチャン・ボーデ フランス
2006年 セバスチャン・ボーデ フランス
2007年 セバスチャン・ボーデ フランス

CARTのイベント

CARTの2006年シーズンのチャンプカー イベント

イベント開催州、決勝日(日付は現地時間)

ロングビーチカリフォルニア州)4/9

ヒューストンテキサス州)5/13

モンテレーメキシコ)5/21

ミルウォーキーウィスコンシン州)6/4

ポートランドオレゴン州)6/18

クリーブランドオハイオ州)6/25

トロントカナダ・オンタリオ州)7/9

エドモントンカナダ・アルバータ州)7/23

サンノゼカリフォルニア州)7/30

デンバーコロラド州)8/13

モントリオールカナダ・ケベック州)8/27

エルクハートレイクウィスコンシン州)9/24

ゴールドコーストオーストラリア・クイーンズランド州)10/22

メキシコシティメキシコ)11/5

CARTの2007年シーズンのチャンプカー イベント

イベント開催州、決勝日(日付は現地時間)

ラスベガスネバダ州)4/8

ロングビーチカリフォルニア州)4/15

ヒューストンテキサス州)4/22

ポートランドオレゴン州)6/10

クリーブランドオハイオ州)6/24

モントランブランカナダ・ケベック州)7/1

トロントカナダ・オンタリオ州)7/8

エドモントンカナダ・アルバータ州)7/22

サンノゼカリフォルニア州)7/29

エルクハートレイクウィスコンシン州)8/12

ゾルダーベルギー・リンブルフ州)8/26

アッセンオランダ・ドレンテ州)9/2

ゴールドコーストオーストラリア・クイーンズランド州)10/21

メキシコシティメキシコ)11/11

フェニックスアリゾナ州)12/2

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『CART』より
取得日:2008-07-13

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