CATV

ケーブルテレビ(Cable television)とは、ケーブルを用いて行う有線放送の内、有線ラジオ放送以外のものである。広義には、これを中心としてインターネット接続や電話(固定電話)なども含む複合的なサービスを指す。

同軸ケーブルや光ケーブルなどを用い、テレビジョン放送やインターネット接続、電話などのサービスを提供している。ケーブルテレビ信号配信元や会社そのものが、無線による放送・配信の「放送局」と同様の意味で、「ケーブルテレビ局」と呼ばれる。

CATVのCATV

CATV Common Antenna TeleVision, Community Antenna TeleVision(共同受信)の略であり、TV放送波を受信し多数のTVセットへ配信する為のアンテナ増幅装置配線類の一式を指す。日本では元々、共同住宅でのTVアンテナ設備からはじまって、空港や鉄道周辺電波障害対策を含む難視聴地域での採用など広範に使用されている。有料でのケーブルテレビ・サービス事業のための配線も似た構成を採るため、ケーブルテレビの広がりとともに両者の用語が混用されて、2008年現在では同じものを指している場合もある。

共同住宅の所有者側からは、アンテナを省いたCATV設備のみを建物に用意すればケーブルテレビ会社のケーブルによって、屋上にアンテナを備えたのと同じ無料放送を各戸に配信出来、また、ケーブルテレビ会社からは、各戸にCATV設備を用意しなくても共同住宅に1本のケーブル配線を引き込むだけで、建物内の何割かは有料契約が得られると期待出来る、入居者にとっても個別の配線工事が省けるので利点があるなどの理由によって、多くの共同住宅ケーブルテレビが利用されている。

なお、日本の1970年代、テレビ共同受信システムの略称をCATと称したテレビコマーシャルが存在した。

CATVの主なサービス

CATVのケーブルテレビ

地上波TV放送・BS-TV放送・CS-TV放送を再送信する外に、自主製作したTV番組を個別チャンネルに載せて放送を行っているケーブルテレビ会社もあり、異なるケーブルテレビ会社同士で番組のやり取りも行なわれている。CS放送の場合は、再送信でなく自主放送として送信する場合もある。

ラジオ放送を再送信しているケーブルテレビ局も多い。超短波放送(FM)のみの場合が多いが、中波放送(AM)の周波数超短波に変換して送信しているケーブルテレビもある。ケーブルチューナー(FMチューナー)に接続するだけで聴く事が出来る。

これら以外に、ペイ・パー・ビュー(PPV)やビデオ・オン・デマンド(VOD)を提供するケーブルテレビもある。

日本のケーブルテレビ会社は近年、日本放送協会(NHK)との連携を強化している。NHKでは、NHKの番組制作において地元ケーブルテレビ会社の協力を仰いだり、地元ケーブルテレビ会社のアナウンサーらをNHKの番組に出演させたりしているほか、衛星放送において全国のケーブルテレビ会社が制作した番組のコンテストを放送するなどしている。

CATVのインターネット

Data Over Cable Service Interface Specifications (DOCSIS) に準拠するモデムケーブルモデム)を利用したインターネット接続を提供する。速度は、CATVによって異なるが、例えば、ジュピターテレコムの傘下のCATVは最大下り160Mbpsサービスを提供している。

CATVの電話

固定電話(IP電話)サービスである。 ジュピターテレコムの傘下のCATVは、一部回線交換式で提供している。

CATVのその他

ジュピターテレコムの傘下のCATVは、ウィルコムと提携し、PHSサービスを提供している。

一部のCATVは、USENと提携し、音楽を放送する「ミュージックデリバリー」を提供している。

CATVのサービス展開の推移の歴史

※以下は主に日本での状況を解説。

CATVの概況

地上波テレビ放送の難視聴地域の解消を目的に誕生。(地上アナログテレビ放送のみ。多くはマンション管理業限定地域共同体による運営がメイン。)※より詳細には#共同受信設備の節を参照の事。

ラジオ放送や有線音声放送の提供を付加サービスとして提供。(主にホテル業界、一部マンション管理業などの業者向け)※より詳細には#共同受信設備の節を参照の事。

専門チャンネルの番組製作が始まり、ケーブルテレビ業者への提供(ビデオテープによる物流配信)が開始された。

1989年、通信衛星を利用したCSアナログ放送(各種専門チャンネル放送)が誕生・開始され、ケーブルテレビでもそれらのサービスを利用した配信を開始。(但し、通信衛星からの受信を利用したものはホテル業界などの業者向けに限定されていた。)

1989年、放送衛星を利用したBSアナログテレビ放送の誕生に伴いケーブルテレビでもそれらの配信を開始。

1992年、1989年の放送法の一部改正を受けたCSアナログ放送が一般個人向けの放送が開始された。それに伴い、ケーブルテレビでもマンションなどの共同体を通したり、直接に個人宅にも配信が可能になる。(ただし、当初はインフラが整っておらず、個人宅へのサービス提供は可能であったが、設備投資などの関係で加入費導入費がまだ高く、共同体への展開がメインとなった。)

1997年、CS放送が始まり、それまでCSアナログ放送を利用していたサービス順次デジタル化。それに伴いそれらの配信(但し、各戸への配信にはアナログ信号に変換。)が開始。

2000年12月、BSデジタルテレビ放送の誕生と共にそれらの配信(但し、各戸への配信にはアナログ信号に変換)を開始。

2002年、デジタル化されたケーブルテレビ(※より詳細には#デジタルケーブルテレビの節を参照の事。)業者向けに、CS衛星を介した専門チャンネルの配信にデジタル変調された信号の提供が開始。

2005年、ケーブルテレビ業者向けの専門チャンネルの配信に、途中に衛星を介さないデジタル回線ネットワークによる配信サービスを開始。

地上デジタルテレビ放送の誕生と共にそれらの配信を開始。各種テレビ放送(地上波、BS、CS)のデジタル化に伴い、ケーブルテレビ放送としてもデジタル放送提供サービスデジタル信号として再配信するサービス。)を開始。また、デジタルサービス化に伴い、インターネット接続プロバイダ機能のサービス提供や、IP電話なども併せた統合型サービスが可能になった。

CATVの共同受信設備

日本初のケーブルテレビは、1955年(昭和30年)に群馬県伊香保町NHK難視聴対策として設置したものとされているが、実際にはそれ以前から温泉地などの難視地域ではケーブルテレビの原形ともいうべき共同アンテナの設置が始まっていた。その後、都市部における高層ビルや集合住宅或いは山間部などで難視聴解消用共同受信設備として発展した。なお、東京都で初めて誕生したケーブルテレビは新宿区歌舞伎町の商店組合難視聴対策で作った日本ケーブルビジョンである。このように、NHKNTT官主導であることを考えると、ケーブルテレビは通信・放送事業の中で、民間主導ででき、後を追って官が法整備した稀に見るインフラ産業でもある。アナログテレビ放送やFMラジオ放送の有線による同時再送信の場合、最高伝送可能周波数が222MHzであった。1980年代には、他地域テレビ放送である区域外再送信やCS/BSなどの専門チャンネルの同時送信による多チャンネル化や自主制作放送を行うために、最高伝送可能周波数を350MHz450MHzに拡大したものも登場した。

CATVの双方向ケーブルテレビ

1990年代から、加入者からセンターデータを送信できる双方向システムホームターミナルを使用した「都市型ケーブルテレビ」が都市近郊行政単位で次々と開局した。このシステム視聴率を調査したり、視聴者からリアルタイムアンケートを集計したりする機能を持ったものやペイ・パー・ビュー (PPV : Pay Per View) と呼ばれる月極めではなく視聴した番組のみの代金を支払う方式、ビデオ・オン・デマンド (VOD : Video On Demand) と呼ばれる加入者の要求によって映像を配信するといった機能など様々な機器がある。

双方向通信機能を生かす形で、プロバイダ事業・回線交換方式電話・IP電話事業を行っている事業者もある。

CATVの同時再送信

CATVは、難視聴の解消が目的であるため、区域内地上波テレビジョン放送の同時再送信を義務付けている。これとは別に、区域外再送信と呼ばれる同時再送信もあり、放送事業者とCATVの揉め事の一つとなっている(詳細は区域外再送信の項目を参照のこと)。

また、BSデジタル放送を再送信する際も全てのチャンネル再送信することが望ましいとされている。

CATVのデジタルケーブルテレビ

日本では、2000年前後から衛星・地上デジタルテレビジョン放送において普及展開しはじめたデジタルテレビ技術を、ケーブルテレビの放送にも適用したもの。デジタルケーブルテレビ

衛星・地上デジタルテレビジョン放送の開始や、2011年7月に予定されている地上アナログテレビ放送の終了などを見据えた、ケーブルテレビデジタル化が求められ、すでに開始している業者も現れている。特に、地上デジタル放送の放送エリアから離れた地域に対しデジタル放送をサービスできるメリットがあり、三重県の様にCATVを使用することにより県内全域に渡り地上デジタル放送を利用することが可能となった地域が現れている。一方では、地上波デジタル化に伴い区域外再送信が一部、困難な状況になってきた(詳細は「区域外再送信」の項目を参照のこと)。また、将来に向けてデジタル放送でのデータ放送・サーバ蓄積型放送等の新サービスへの対応も求められている。

デジタル再送信サービスでの伝送方式には、衛星デジタル・地上デジタル放送の再送信の方式も含め幾つかの方式(後述の伝送の方式を参照)があり、実際のデジタルケーブルテレビ局においては各方式を組み合わせて実施されている。特にユーザ宅において1つのデジタルセットトップボックスで受信できるようにした物を統合デジタルCATVシステムと呼ぶ。

なお、この統合デジタルCATVシステムの場合は、BSやCSの有償提供に加えて地上波パススルーサービスを提供する必要もある。殆どのデジタルSTBは、放送ネットワーク毎(地上波BS・CSなど)に固有のチャンネル番号の設定が可能(例えば地上波とBSでチャンネル番号の重複が可能)な機能を備えているが、ダイレクト選局チャンネル番号直接押して選局する)がし易くする便宜のために、サービス対象地域地上デジタル放送のチャンネル番号割り当てを考慮して、なるべく重複したチャンネル番号にならないようなチャンネルプランサービス提供を行っている。

コピー制御について ケーブルテレビ放送におけるコピー制御は、既設放送の配信、再送信ではアナログ放送でもデジタル放送でも同様に、元の放送信号に従っている(そのまま加工しないで再送信する)ケーブルテレビ業者が多い。BSデジタル放送や地上デジタル放送や110度CS放送を直接受信した場合と同様に、ほとんどの放送番組についてはコピーワンス制御が掛けられている。空中波放送用とは異なる一部のデジタル配信事業者が独自に配信している有料チャンネルについても同様の処置が行われている。自主制作チャンネルについては市販地上デジタル機器向けのパススルー方式による再送信が2006年より一部のCATV局で始まった。これは、ノンスクランブル・コピーフリーで行うこととなっている。なお、もう少し早く始めたCATV局もあるデジタルセットトップボックス向けの再送信ではコピー制御の状態は各CATV局で様々である。

CATVの日本に於いてCATVに適用される法律

日本に於けるCATVは、有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)に規定する有線テレビジョン放送又は電気通信役務利用放送法(平成13年法律第85号)に規定する電気通信役務利用放送として行われる有線役務利用放送のいずれかである。但し、IPTVは、CATVに含まないのが一般的である。

また、有線テレビジョン放送法に規定する有線テレビジョン放送施設を利用するインターネット接続は、電気通信事業に当たるので、これを行うCATVは電気通信事業法(昭和59年法律第86号)に基づいて登録を受ける必要がある。

CATVのしくみ

放送の再送信の場合は、再送信する放送を放送センターにおいて受信する。放送センターでは、ヘッドエンドと呼ばれる装置で、当該放送(自主放送を含む)を業務区域ケーブルを通して送信する。業務区域内ケーブル配線には、幹線に光ケーブル、末端に同軸ケーブルを利用したFTTN(HFC)が一般的である(cf.#網構成)。光ケーブル同軸ケーブルとの分岐点にはノード(光ノード)と言う分配装置が、同軸ケーブル経路途中にはアンプと呼ばれる増幅装置が用いられる。ユーザ個宅には、電話線と同様に専用の保安器を通して引き込みがなされる(ビルや集合住宅においては、共聴設備に接続する)。宅内では、一般的にはセットトップボックスと言う装置により放送信号を変換して、テレビで視聴する。

CATVの伝送方式

CATVのパススルー方式

受信した放送の搬送波に含まれている放送信号を加工せずにそのまま再送信する方式。同一周波数パススルー方式周波数変換パススルー方式がある。(地上アナログ放送再送信サービスにおいても基本的には同様の方式が用いられている。)

特徴

放送波の物理チャンネル毎にそのまま伝送を行うため、伝送帯域が多く必要である。(連続した空きチャンネルが必要)

デジタルサービスでは対応しているセットトップボックスが一部しかない。(対策として同じチャンネル再送信トランスモジュレーション方式でも並行して行っているCATV局も多い。)

規格等

JCL-SPEC-006 地上デジタル放送パススルー運用仕様

CATVの同一周波数パススルー方式

放送電波を受信しそのまま同じ周波数再送信する。

特徴

加入者は市販のBS・地上デジタル機器単体チューナーテレビ受像機など)で、直接受信の場合と同じ設定方法でそのまま視聴可能である。

CATVの周波数変換パススルー方式

中継局ケーブルテレビ会社の施設)側の周波数変換器で一旦ケーブルテレビ伝送周波数に変換して再送信する。地上波放送(デジタル/アナログ)の場合は、市販の周波数変換パススルー方式に対応した機器で視聴が可能。BS放送(アナログ/デジタル)の場合は、元の周波数に戻す周波数変換器を加入者施設側に設置すると、市販のBS機器で視聴可能になる。

特徴

加入者は市販のBS・地上デジタル機器単体チューナーテレビ受像機など)で、直接受信の場合と同じ設定方法で視聴可能である。ただし、UHF帯域内周波数変換パススルー方式ではない場合は周波数変換パススルー方式に対応した機器でないと視聴できない。

CATVのトランスモジュレーション方式

受信した放送信号をケーブルテレビ伝送用変調方式 (64QAM) に再変換して伝送し、加入者がそれをケーブルテレビ会社が提供した専用受信機セットトップボックス)で受信して視聴する場合に主に用いられる方式である。CSデジタル・BSデジタル・地上デジタル放送の再送信に用いられる。この方式を使用した場合、本来は無料放送である民間キー局系列のBS放送や、世帯単位で視聴できるはずのNHKのBS放送も、各テレビごとに有料のセットトップボックスなしでは視聴できないなど、直接受信する場合とは異なる料金徴収が生じて利用者には不満が残る状態になっている。ただし、無料放送には原則スクランブルは掛かっておらず、この変調方式が受信できる機器を市販すれば、この問題は解決される。

特徴

伝送帯域が節約できる。(空きチャンネルが連続していなくてもよい)

デジタル放送サービスにおいては受信可能なセット・トップ・ボックスアナログ放送サービスとは異なり不正ではないのに市販されておらず、地上デジタル放送の再送信を実施するケーブルテレビ会社は、この方法により顧客の囲い込みや収入が期待できる。しかし、ほとんどのテレビ局が開始から2年以内にパススルー方式での再送信も行うように勧告してるので期待には限度がある。

アナログ放送サービスにおいてはスクランブル目的でデジタル放送サービスとは違う変調方式だがこの方式がとられている。しかし、スクランブルとしては強度が弱いため、非契約者でも受信可能な「万能チューナー」と称した不正商品が出回っている。それによりスクランブル方式を切り替えたケーブルテレビ局もある。

規格等

JCL-SPEC-001 BSデジタル放送トランスモジュレーション運用仕様

JCL-SPEC-002 東経110度CSデジタル放送トランスモジュレーション運用仕様

JCL-SPEC-005 JC-HITSトランスモジュレーション運用仕様

JCL-SPEC-007 地上デジタル放送トランスモジュレーション運用仕様

CATVの複数TS伝送方式

主にBSデジタル放送の再送信を行う場合(後述も参照)に用いられる。BSデジタル放送は放送衛星が、物理チャンネル毎に1つ搭載しているトランスポンダで伝送される複数の放送番組データ(BSデジタル放送では1つの物理チャンネルに複数の放送が割り当てられている。)をそれぞれ1つの別な6MHZ帯域幅の伝送路で送る。

特徴

伝送帯域が節約できる。

CATVのTS分割方式

主に広帯域CSデジタル放送(東経110度CS)の再送信を行う場合に用いられる。広帯域CSは1つの放送番組データ伝送ビットレートが約39Mbpsであることから、1伝送路が最大29.162Mbpsの伝送ビットレートしかもたないCATVではそのまま流せないので、1つの番組データを2つの伝送路に分けて送る方式。

特徴

他の方式同様に伝送帯域が節約できるが、1チャンネルにつき伝送路は2つ使用される。

CATVのリマックス方式

放送信号を番組データ単位で受信し、一旦デジタル信号に復調し、データ構成再編成(分割と再多重化)し、デジタルケーブルテレビ用の変調方式 (64QAM) に変換して伝送し、加入者がデジタルケーブルテレビセットトップボックスで視聴する方式である。主にCSデジタル放送の再送信に用いられる。

特徴

独自のデータ編成内容(衛星・地上デジタルテレビ放送の再送信以外の、ケーブルテレビ独自の形に変換したチャンネル・番組)の提供が可能である。

伝送帯域が節約できる。

チャンネル毎に設備が必要になり、規格JCL-SPEC-003でなおかつ、他社と設備を共有しないとコスト高になる。

規格等

JCL-SPEC-003 デジタル放送リマックス運用仕様(自主放送)

JCL-SPEC-004 デジタル放送リマックス運用仕様 (i-HITS)

CATVのケーブルテレビの周波数帯域

10?55MHz(HF?VHF (Low) 帯): 上り方向の通信用

70?108MHzVHF (Low) 帯) : FMラジオ放送/地上アナログテレビ放送1?3ch

108?170MHzVHF (Mid) 帯) : CATV伝送用C13?C22ch

170?222MHzVHF (Hi) 帯) : 地上アナログテレビ放送4?12ch

222?470MHzVHF (Super Hi) ?UHF (Low) 帯) : CATV伝送用C23?C63ch

470?770MHzUHF (Low?Mid) 帯) : 13?62ch(地上デジタルテレビ放送/地上アナログテレビ放送)

ケーブルテレビデジタル化も、地上波放送や衛星放送の場合と同じく、アナログ放送での1物理チャンネル(上記を参照)がテレビ受像機での1つのチャンネルに対応しているのとは異なり、1物理チャンネルに複数の放送番組データを割り当てることが可能になっている。1つの物理チャンネルに割り当てられている周波数には一定の幅がある(地上波の場合で6MHz)ので、同じチャンネルの放送では、その帯域内で複数の周波数が使用できる。これはアナログ放送もデジタル放送も同じだが、デジタル放送の場合、アナログ放送に比べて隣接した他の周波数の干渉に因る影響を受けにくいので、アナログ放送信号より効率的に多くの周波数が使える。 従って、実際にケーブルテレビでの伝送は、パススルー方式での地上波再送信を除けば、上記に掲げた1つの伝送用物理チャンネルに複数の放送を多重化して送っている。なお、地上デジタル放送では、アナログ放送と同様に1物理チャンネルには1つの放送局が割り当てられているが、BSデジタルでは多重化(詳細はデジタルテレビを参照の事)されている。

CATVの網構成

CATVの同軸ケーブル伝送

同軸ケーブル伝送は、極小規模ケーブルテレビ・集合住宅共同受信施設で用いられている。

特徴

20数段程度中継増幅の限度のため大規模化が困難である。また、中継増幅器の保守が煩雑である。

ケーブルテレビの場合、最高伝送可能周波数が450MHz程度までしか取れない。

CATVの光同軸ハイブリッド伝送

光同軸ハイブリッド伝送 (HFC : Hybrid Fiber Coaxial) は、幹線部分を光ケーブル、柔軟性の要求される加入者付近を同軸ケーブルで伝送するものである。

特徴

大規模化が可能である。また、中継増幅器の数の減少が可能である。

最高伝送可能周波数が770MHzまである。また、BS-IF帯まで利用可能なものもある。その場合、BSデジタルの同一周波数パススルー方式による再送信が将来的には可能となる。

帯域を少数の加入者のみで分割するため、通信の高速化が可能である。

流合雑音が低減できるため、上り方向の通信速度高速化が可能である。

(→FTTxも参照のこと)

CATVのFiber To The Home

FTTH (Fiber To The Home) は、各加入者まで光ケーブルで伝送するものである。2010年代には、管理・保守などの総合コストHFCより有利になるものと見積もられているが、ケーブルに柔軟性がないなどの欠点を抱えている。

特徴

大規模化が可能である。

中継増幅器が無いため、電源装置分散配置が不要となり保守が簡略化できる。

通信の高速化や、テレビの更なる多チャンネル化が可能である。

BSデジタルの同一周波数パススルー方式による再送信が将来的には可能となる。

また、通信系事業者の光ケーブルを利用して(波長分割多重により)伝送する事業者の新規参入が増えている。光放送(光CATV)の項目も参照。

CATVのMSO

MSO (Multiple System Operator) とは、CATVを統括し、運営する会社を指す。日本に於いては、次の4社(解釈によっては6社)が存在する。MSOCATV各社に出資し、支配する形態が殆どである。2007年以降、複数のケーブルテレビ局の経営統合を目的に設立された持株会社が登場しており、こうした持株会社MSOとみなす場合もある。

ジュピターテレコム(J:COM

※旧・タイタス・コミュニケーションズ(2000年9月1日にジュピターテレコム完全子会社となる。現在のジェイコム関東

※旧・ケーブルウエスト(2006年9月にジュピターテレコム子会社となる。現在のジェイコムウエスト

メディアッティ・コミュニケーションズ(2008年12月にジュピターテレコム子会社となる。)

ジャパンケーブルネットJCN

ビック東海

CCJコミュニティ・ケーブル・ジャパン持株会社

コミュニティネットワークセンター持株会社

CATVのケーブルテレビ局支援事業・デジタル配信事業

デジタル化への対応などによる設備投資などの負担の軽減化などを目的として設立されたデジタル配信事業を主としたケーブルテレビ局支援を事業とする会社が存在する。MSOとは逆に、CATV各社共同出資している形態が多い。主なものは次の通り。

日本デジタル配信 (JDS)

ジャパンケーブルキャスト (JC-HITS)

東京デジタルネットワーク (TDN)

東海デジタルネットワークセンター (TDNC)

大分県デジタルネットワークセンター

佐賀デジタルネットワーク

富山県ケーブルテレビ協議会

ジャパンケーブルネット (JCN)

ジュピターテレコムもかつてはこの事業を行っていた。

CATVの点検営業問題

一部の日本のケーブルテレビ局の導入済集合住宅等において点検(または工事)と称して住宅に上がりこみ、加入を促す点検営業点検商法が行われている。それを知らせる紙には、工事をしないとデジタル放送を見る事が出来ないというような紛らわしい記述がある場合もある。実際に点検に来てもらうと、点検は5分程度で、勧誘・営業トークはその倍以上の時間がかけられ、問題となっている。例えば、宗像市公式ホームページ -くらしと生活環境-消費生活- には「デジタル放送に変わるのでテレビが使えなくなる」と勧誘するケーブルテレビとして事例が掲載された事があるが、ほどなくして削除された。削除された理由は公表されておらず不明である。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『CATV』より
取得日:2009-02-14

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