デル (Dell)は、アメリカ合衆国テキサス州ラウンドロックに本社を置く、世界第2位のパソコンメーカー。会長・CEOはマイケル・デル。
日本法人は、神奈川県川崎市幸区ソリッドスクエアに置く「デル株式会社」(1989年6月設立)。代表取締役社長はジム・メリット。
Dellの概要
テキサス大学の学生であったマイケル・デルが、1984年にパソコン保守を行う会社として創業した。IBM PC互換機は部品レベルで規格化され誰もがパソコンを製造できたことを利用し、パソコンの製造販売に乗り出す。ゲートウェイ2000(現ゲートウェイ)と並んで中間業者を排し、在庫を持たない注文生産(BTO)の直販スタイル(ダイレクト・モデル)が特徴。最新のスペックのパソコンをはじめ製品を安価に提供し、かつ、希望通りのスペックのパソコンを購入できる(店頭ではその場で持ち帰ることのできるモデルも用意されている)。現在、世界でトップクラスの販売台数を誇る。
パソコン以外にも、サーバやストレージも扱う。なお、日本ではデル・リアルサイトと呼ばれる直営店やビックカメラ系列店を主とする一部の家電量販店でも、パソコンの受注販売を行っている。
Dellのインテルとの関係
頑なにインテル製CPUを採用していたことでも有名で、それのみならずインテルの競合会社であるAMDのCPUを酷評するなど、インテルの別ブランドではないかと揶揄されることもあった。しかし、AMD製のCPUを採用するのではないかという報道・噂は何度も浮上した。
これには、トップシェアゆえ、インテル製品を独占的に使用する事で納入価格の優遇を受けているという見方や、AMD採用の可能性を暗に示唆することでインテルに値引きの圧力を掛けているというような、他メーカーに対するインテルが指摘されている独占禁止法違反行為と正反対の関係があるとも言われていた。しかし、インテル製CPUの競合他社に対する性能とインテルの製品供給能力の高さその背景にあったが、デルの業績がインテルの業績に連動してしまう危険性もはらんでいた。その後、AMDとの競合の中でインテルが十分な品質を持たない製品を度々出すようになってしまったこと、製造供給にも問題が時々起こったこと、AMD社がインテルを凌ぐ高い性能の製品を発売したことから、デルはインテルを独占使用することから決別し、2006年5月にサーバ製品に限ってAMD製CPUを採用することが正式に発表されたが、2006年9月以降「Dimension」や「Inspiron」、及び、「Optiplex」にもAMD製CPUを搭載した機種を発表。2007年5月、「Latitude」にもAMD製CPU搭載機種が追加された。「Precision」ワークステーション(Mも含む)では、AMD製CPUを搭載可能な機種を発表していない。AMD製のCPUが使われるのは、コストパフォーマンス重視のパソコンが多い。スペックが高いパソコンには、インテルのみ使用されている。
Dellの沿革
Dellの世界
1984年 1000ドルの資金を元に創業
1986年 業界最高速のパソコンをコムデックスに出展
1987年 初の海外進出でイギリスへ
1993年 日本での販売を開始
1994年 ノートパソコン市場に参入
1996年 サーバ市場に参入。インターネット販売を開始
2003年 社名を「Dell Computer Corporation」から「Dell Inc.」へ変更。
2005年 64ビットサーバ(IA64Itaniumを用いた)市場から撤退を表明
Dellの日本
1988年1月 日本での連絡事務所を開設
1989年1月 デルファーイースト株式会社を設立。
1992年9月 デルファーイースト株式会社からデルコンピュータ株式会社に商号(社名)変更。
1993年1月 日本での販売を開始
1997年1月 日本法人本社を、神奈川県川崎市幸区のソリッドスクエアに移転。
2003年12月 アメリカ本社の社名変更にあわせて、日本法人も「デルコンピュータ株式会社」から「デル株式会社」へ商号(社名)変更。
Dellのハードウェア
ノートブックとデスクトップパソコン、サーバやストレージなどの製品を中心に、製造販売している。デスクトップパソコンのカラーは、2001年より白から黒へ変化した。当初、DELL製のマザーボードは電源供給コネクターなどのピン配置が独自のものが採用されたため、電源の故障などが起きた場合は、サポートを利用して交換する必要があった(変換アダプターもサードベンダーから発売されていた)。現在も、マザーボードや電源、CPUファンの形状が独自設計のものが多く、市販品との換装は困難とされている。
Dellの個人向けデスクトップパソコン
Inspiron 530 - 2007年6月27日発売。インテル製CPUを搭載したミニタワー型
Inspiron 530s - 2007年6月27日発売。インテル製CPUを搭載したスリムタワー型
Inspiron 531 - 2007年6月27日発売。AMD製CPUを搭載したミニタワー型
Inspiron 531s - 2007年6月27日発売。AMD製CPUを搭載したスリムタワー型
Dellのサーバ
まれに、企業向けに高スペックのデスクトップサーバを2万円以下まで下げることがあり、個人事業主から大量に発注が来る。発注が来ると、中国で組み立てて全世界へ発送される。その為、本体価格自体は他メーカーと比べて安価であるが、送料が高いという意見もある。
Dellのサポート面
デル宮崎カスタマーセンター(カリーノ宮崎)日本国内では、宮崎県宮崎市の「デル宮崎カスタマーセンター(MCC)」と神奈川県川崎市の本社ビル内の2拠点、及び、中華人民共和国の現地法人の大連市のコールセンターの計3拠点で、サポートを行っている。購入後には電話や電子メールでのサポートを行っており、他社と比べエンジニアと直接話し問題解決につながることを売りとしている。人件費のコストダウンを図り、大連市のコールセンターへ取り次ぐことも多く、担当者によっては意思の疎通がうまく図れないことがあると言われている。
日本市場に参入した初期において、DELLは主に中上級者に評判の高いメーカーであった。さらに、コンシューマー向けテレビCMの開始や、初心者層までをターゲットとした製品群の投入にともない、市場シェアは3位まで上昇した。しかし、個人向け製品の急激な出荷台数増加にともない、初心者の顧客が増えたことでサポートへの問い合わせ件数が増加し、問い合わせ1件あたりの対応時間も長時間化した。また、コスト低減と人材確保を意図して、2002年末に中華人民共和国にコールセンターを開設し、サポート業務の一部を移管したが、「日本語が通じない」、「専門知識が足りない」といった批判を受けるなど、サポート品質維持・拡充が追い付かなかったため、顧客満足度の低下をもたらす事となった。
この結果、2001年の日本ゲートウェイの撤退以降サポートランク1位であった「日経サポートランク」において、2005年は富士通、NEC、アップルコンピュータにその座を奪われることとなった。このようなサポート体制に再起をかけるため、2005年11月に宮崎県宮崎市に「デル宮崎カスタマーセンター」を新設しサポートを強化した。しかしながら、大連のサポートセンターについて「日本語が通じにくい」という声はまだ多く、日経パソコンの調査では2006年も主要10メーカー中最下位の評価を受けている。
なお、購入時のサービスとサポートは、その契約内容(選択が可能である)によってサポート内容だけでなくサポート体制の品質格差がある。
Dellのトラブル
リコール等1994年前後に多発した、中華民国のコンデンサー製造元の品質管理ノウハウ不足に起因するトラブルを、DELLでも競合他社同様に抱えた、2005年も同様にOptiplex GX270やOptiplex GX280でコンデンサーの品質問題が起きた。ただし、これは製造元こそ中華民国ではあるものの、日本のメーカー(京都に本社を置くニチコン)である。これらは2003年4月からおよそ11ヵ月に渡って製造されたもので、その交換費用のために3億700万ドルが計上された。該当コンデンサーは高温環境で電解液の蒸発が多く(ドライアップ現象)、部品寿命が設計保証値よりも若干短くなってしまうというものである。PCの具体的なトラブルは起動不能、動作不安定などである。
また、ノートPCに関してはアップルやHP、IBMやNEC、ソニーなどの競合企業同様、幾度となくリコールが実施されている。例えば、2000年10月13日(アメリカ現地時間)には、使用中でなくとも回路のショートを引き起こす可能性があり、発熱、発煙、発火等の危険があるため、2万7000台をリコールすると発表された。次に、2004年10月8日(アメリカ現地時間)には同様にノートPC用のACアダプター等で過熱し、発火するということでリコールを発表した。これは、1998年9月から2002年2月にかけて製造された物で、合わせておおよそ440万台に相当する。更に、2005年12月16日(米国現地時間)には、2004年10月5日から2005年10月13日にかけて製造された、ノートPC用のACアダプター等の発熱・発火問題によるリコールの発表を行った。
オンライン注文時のトラブル適用条件外とすべきクーポンで見積書が作成できてしまうなど、オンライン注文にまつわるトラブルは後を経たない。
2007年5月19日、DELLでストレージ製品3万円引きのクーポンがデスクトップPC・ノートPC・液晶モニター・サーバに適用出来るようになるというトラブルが発生。クーポン適用させると一部の製品が「0円」で購入出来ると注文が殺到したものの、結局は「ストレージサーバ」のみの特別クーポンとし、クーポン非適用と見なして全ての3万円引きのクーポンでの注文がキャンセルされるというトラブルが発生した。
アメリカでは、2007年5月16日にDELLおよびDELLファイナンスサービスにおいて、顧客が契約したテクニカルサービスの問い合わせ電話に対し長時間待たせたり、修理サービスに対しちゃんと対応していなかったり、顧客に対しハードウェアカバーの交換を強要したり、またDELLファイナンスサービスにおいては、無利息や支払い無用という言葉で顧客を呼び実際にはこういったファイナンスサービスを顧客に提供せずに、金利20パーセントの別のファイナンスサービスを提供しているとして、ニューヨーク州アンドリュー・クオモ検事総長が両社をアルバニー郡裁判所に提訴したと発表した。
また、近年までオンライン注文のウエブページでインターネットエクスプローラ以外のブラウザでアクセスするとインターネットエクスプローラでアクセスするよう警告が出て注文できないという問題が存在した。
ドメイン訴訟問題日本の同人誌サークルが所持していたドメインに対して、アメリカ本社が1999年に譲渡訴訟を起こす。たまたま「DELL」という文字が重複していただけなので、日本法人が仲裁に入り、事なきを得た。
USBの不具合:詳細と対策は外部リンクのinspiron Desktop @ wikiを参照マザーボードがフォックスコンのG33M02である「Inspiron 530」「Inspiron 530s」「Vostro 200 ミニタワー」「Vostro 200 スリムタワー」の4機種でUSBの不具合が一部に発生している。 ハードディスクやフラッシュメモリのようなストレージ機器を接続したまま起動するとフリーズするというもの。 症状は多種多様で対策も取られていなかったが、2007年9月27日に公開された新BIOS(バージョン 1.0.5 ブータブルUSBストレージデバイスの互換性を強化)へのアップデートによりこの問題はかなり改善された。 ただし、これによっても改善されなかったという報告がある。 出荷時のバージョンは2007年11月下旬出荷分から1.0.5/2007年12月末出荷分からは1.0.7/一時1.0.5?/2008年1月出荷分からは1.0.10/となっている。なおHPでは1.0.12も公開されている。 現在の最新バージョンは1.0.15で、音についての問題の解決が図られている。 なお、USBの不具合(通称USB地雷)は度重なるBIOSアップデートによりかなり少なくなっている模様。
Dellの不法行為
デル日本法人では、店頭販売員を採用する際、自社で面接を行った上で人材派遣会社に採用させて、派遣社員として就労させていたことが発覚し、職業安定法が禁じた「職業紹介」にあたるとして、神奈川県警が法人としてのデルと当時の採用担当元社員を同法違反容疑で書類送検、略式起訴し、同社に対し罰金30万円、元社員に対し罰金10万円の略式命令が2005年8月25日に出た。
◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『Dell』より取得日:2008-10-27
Dellの関連サイト
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