うしおととら

うしおととら は藤田和日郎による日本の漫画。「週刊少年サンデー」(小学館)に1990年6号から1996年45号にかけて連載されていた。 通称「うしとら」。 全33巻(文庫版は全19巻、ワイド版は全18巻)。

うしおととらの概要

主人公・蒼月潮(あおつき うしお)は自宅の蔵の中で一本の槍に縫いとめられていた妖怪を解放してしまう。うしおがとらと名づけたその妖怪は、かつて近隣一帯を恐怖のどん底に叩き落していた大妖怪であった。また、とらを500年間縫い留めていた槍こそ、2000年以上も前の中国で妖怪を滅ぼすためだけに作られた獣の槍(けもののやり)であった。獣の槍の伝承者となったうしおは、とらと共に様々な妖怪との戦いを繰り広げる。

始めこそ、降りかかる火の粉を払うごとく、襲ってくる妖怪を退治していた潮達であったが、物語は次第に世界を滅ぼす大妖怪白面の者(はくめんのもの)との決戦を中心に廻りだす。

蒼月潮と獣の槍、とらとの出会い、白面の者との戦いは全くの偶然によるものと思われていたが、物語が進むにつれて、それぞれの深い関わり、長きに渡る宿命が明らかになっていく。

うしおととらの、人間と妖怪を超えた深い絆を主軸におきながら、非常に多くの登場人物達のエピソードが描かれ、それらが終盤に向けて一つに収束していく。清々しく読める名作である。

最後の大妖である九尾の狐を白面の者と呼ぶところに、日月神示(ひつくしんじ)の影響を見ることもできる。

うしおととらの受賞

第37回(平成3年度)小学館漫画賞受賞。

1997年星雲賞コミック部門賞受賞

日本のメディア芸術100選マンガ部門選出(週刊少年サンデー連載作品で唯一の受賞)。


注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


うしおととらの登場人物

うしおととらの主要人物

蒼月潮(あおつき うしお) 中学2年生。6月28日生まれ。東京都みかど市在住。ある日、妖にとって天敵となる霊槍「獣の槍」と、その槍に封じられている妖「とら」を家の倉の地下で見つけ、妖を倒すために不可抗力で槍を引き抜いてしまっったことで、宿命付けられた妖との戦いに巻き込まれていく。 家業は寺で、父と二人暮らし。曲がったことが大嫌いで、良くも悪くも真っ直ぐな性格の好男子。また嘘が非常に嫌い。正義感が強く、他人の幸福のためなら自身が傷つくことも厭わない献身的な側面を持つ。また、そういった傾向は人のみならず、妖にも隔たりなく向けられていた。 物語中で潮に出会った人、妖の多くが彼の影響を受けており、その事に因って結ばれた絆は最終決戦においても重要な意味を示した。なお、何人もの人々を妖から守り抜き多くの人々との絆を築き上げた彼には多くの人が惹き付けられていた。また、同様に出会った同年代の少女達からは、父の紫暮が気恥ずかしさを覚えるほどモテていた。 旭川への旅の終盤に、獣の槍に魂を全て吸い取られ獣に変貌・暴走したが、光覇明宗やとら、麻子、真由子らの活躍により人間に戻ることが出来た。 体育が得意科目運動能力は極めて高く、同級生からは運動部の助っ人を何度も頼まれる程だが、絵を描くのが趣味のため美術部に所属している。が、その絵画センスは写実性に欠けている。国語も得意科目だが、書き取りだけは苦手。定期テスト平均点は26点。 母は三代目お役目・日崎須磨子。 とらとは、憑かれた人間と憑いた妖でありながら、数々の妖と共に戦い抜くことになる。幾度と無く互いに衝突する事になり、離別の危機を迎えそうな局面もあったが、それらを全て乗り越えた事で互いに深い信頼と友情に似た感情で結ばれていく。 彼ととらを中心にして人と妖の絆は結ばれていき、白面の者を倒す。打倒後再び獣化しかけるが、ジェメイ兄妹の助けにより人間に戻る。 とら 500年間、獣の槍に封じられていた炎と雷の化生。最初は潮を喰らうために取り憑いたのだが、自ら厄介事に首を突っ込んでいく潮と共に、結果的に他の妖と戦っていくことになる。始めはいがみ合っていたものの、段々と潮と友情にも似た感情を深めていく。「とら」は潮が付けた名で、日本で以前呼ばれていた「長飛丸」(ながとびまる)をはじめ、わいら、雷獣、字伏(あざふせ)等多くの名前を持つ。 長飛丸の名の由来は、どんなに遠い所にでも一瞬で飛んでいった所から。ただし、現代ではその呼び名を嫌っている。 久々の世の中は全てが物珍しく、何にでも興味を持って触っては騒動を引き起こす。特にTVとハンバーガーは気に入っていた様子であった。「フツーの人には姿が見えない」ことが強調されたり、潮を食おうとして獣の槍に阻止されるのが恒例のパターンである。 獣の槍に封じられる前は通常の妖同様、気の向くままに人間を喰らっていたが、本編では潮がそれを一切禁じ、また現代人が身に着けている装身具香水臭を不快に感じた為に人を喰らうことができずにいた。そんな中出会った真由子の勧めで“てりやきバーガー”が好物になる(ちなみにハンバーガーの他に焼き鳥、じゃがバターアイスキャンデー、餃子(アニメのみ)、あげく日本酒など、なにかと人間の食物を食しており意外に空腹に悩まされている訳では無さそうだ)。いくつかの事件を通して、真由子に対しては不特定多数の人間に対するものとは別の、愛情に似た感情を抱くようになる。真由子と二人きりで結婚式の真似事も行ったこともある(潮をメインディッシュと考えた上で)。真由子のことを「でざーと」と呼び、彼女を護り戦うシーンは幾度となく見られた。 年齢は2000歳を超える。長生きしているだけあって、妖怪や術に関する意外な深い知識を披露することも少なくない。その実力や800年前の日本における対白面戦争で見せた勇猛な戦いぶりから妖怪の中でも一目置かれる存在で、その名を聞いただけで震え上がる妖怪も多い。本人も大妖怪を自覚しており、他の妖怪には意外と寛容に接している。見た人間そっくりに化ける、髪の毛を自在に変化させる、身体がバラバラになってもそのまま動かせるなどの多彩な能力を持つ。 なお物語初期には長い耳が露出していたが、次第に髪に紛れて見えなくなる。 中村麻子(なかむら あさこ) 潮の幼馴染中華料理店の一人娘。性格は気が強く快活。父から手ほどきを受けて空手の心得もあり、大人相手に戦ってもひけをとらない。しかし子供や弱者には決して暴力をふるわない心優しい少女である。真由子とは無二の親友で、彼女の為には命を賭ける場面もあった。 似たもの同士と言われる潮とは昔から喧嘩ばかりだが、お互いに深く信頼しあっている。潮との仲は両親からも半ば公認となっている様子だが、素直に表現できずムキになってしまうこともしばしば。運動神経洞察力にも優れているようで、潮ととらの早朝ケンカを迅速に止めたりもした。 特殊な能力などはないが、持前のバイタリティ妖怪相手にも臆することなく行動する。物語終盤で白面に記憶を奪われながらも、潮の強い心の支えとなった。 井上真由子(いのうえ まゆこ) 麻子と同じく潮の幼馴染で、麻子とは大親友。二人とは対照的におっとりのんびりしている天然とも言える性格だが、いざというときには恐怖に立ち向かう強い意志を見せる。潮に好意を持っていたが、潮、麻子とを含めた三人の関係が崩れることを望まず、その想いを表に出すことはなかった。 街に出てとらと出会って以来、怪異に巻き込まれていく。ハンバーガーが大好き。度々危機を救ってもらったこともあり、とらに対しては恋愛感情に似たものを抱いており、好きなもののひとつに数えている。 ごく普通の女の子だったが、後に四代目の「お役目」として覚醒する(ジェメイの子孫)。なお彼女が妖に対する恐怖心に押しつぶされないメンタリティを持つのは、能力とは無関係で彼女自身の精神力の強さである。 奇怪なデザインの骨董を好む父の影響か、不気味な人形(陰陽人形など)を集めるのが趣味。ポエムなどの文章作りが好きだが、童話のつもりで書いていた物がいつのまにかホラーになってしまうなど、センスにズレがある。 「母」のいなくなったキリオを引き取り、「弟」として育てる。キリオは骨董のセンスがあり、父にも気に入られている。 既に独立した兄(未登場)がおり、彼は少なくとも正月には実家に帰っているようだ。 蒼月紫暮(あおつき しぐれ) 潮の父。潮が獣の槍を抜く前までは旅好きのただの住職のように振舞っていたが、真実の姿は光覇明宗最強クラス法力僧。 現在は家族思いのやさしい人柄だが、若い頃は修行熱心であったにもかかわらず、己の寺に伝わる獣の槍を手にできない苛立ちから荒れていた。その時分に二代目お役目の日崎御角に引き合わせられて、三代目お役目の日崎須磨子と交わり、潮をなす。得意技は、武法具・千宝輪最大の法術である巍四裏(ぎしり)。 ちなみに寺の名は「光覇明宗大日派・恩施山覇風寺芙玄院」である(恩施という地名は外伝「永夜黎明」でも見られる)。寺は光覇明宗の所有であるため、住職の子息であっても光覇明宗の僧侶にならないと、居住することはできない。なお、光覇明宗の僧侶は妻帯可能である。旭川の寺には兄弟が住職をしている。 ?(ひょう) 符(お札)の力を用い、金をもらって妖を退治する(その存在を禁ずる)符咒士。?とは字(あざな)で、彼の使う武器(長い紐のついた楔のような物)に由来する。 その右眼は失われており、青紫水晶を磨いて出来た翠竜晶を埋め込んで目の代用としている。この目は「浄眼」と呼ばれ、あらゆるまやかしを見破ることが出来、妖怪の姿をも見る事が可能。更に一種の暗示をかける事も出来る。 元は中国広東省に住む一般人であったが、ある夜、自分の帰りを待つ妻と娘が妖により無残に殺害されたことで、復讐を決意する。迷いこんだ桃源郷での道術修行の後、元の名を捨て右眼と妻子を奪った妖を執拗に追う。目的を達するためには手段を選ばず、感情を表に出すことも少ないが、子供を殺したり傷つける者に対しては激しい怒りと憎悪を露わにする。 仇に良く似たとらが日本にいることを偶然知り、来日。うしおとも出会う。一度はとらを追い詰めるものの危ういところで誤解は解かれた。後に時逆・時順のおかげでその仇の正体を知り、十五雷正法の全てを駆使した捨て身の技によってこれを倒す。 ジエメイ ギリョウの妹。溶鉄の中に飛び込むことで獣の槍を誕生させ、その後は霊魂となって白面の者を追う。 平安時代の日本に生まれ変わった際には白拍子となり、法力僧すら比べ物にならない強大な結界能力と前世の記憶を有していた。800年前の白面の者との戦いで陰陽師妖怪達とともに白面を倒した後、沖縄沖で白面の者を封じる初代の「お役目」(結界守護者)となった。その後、“役目”を日崎御角に譲り、死して再び霊体ジエメイとなる。 その血は日崎家、井上真由子らに伝わる。 ギリョウ 獣の槍を打った古代中国鍛冶師ジエメイの兄。元は優しく温厚な性格だったが、両親を白面の者に殺され、さらに唯一残された妹も死なせてしまったことから、白面への深い憎しみを込めて獣の槍を打ち、その肉体は獣の槍を作成する際に槍の柄と化した。 槍となってもその憎しみと心は消えず、槍の使い手の心に直接“声”を送り続ける存在となり、獣の槍を手にした者に白面への強い憎しみを抱かせる。使い手が獣の槍と、より一体化してくると血の涙を流しながら槍を鍛える姿が心の中に現れる。 シャガクシャ 潮が遡った時の中で見た男。2500年前の古代インドの人物。生後すぐに白面の者が実体化するための依り代とされ、その際に彼を残し周囲の人間は全て命を落とす。その事から忌み嫌われて恐れられ、憎しみに満ちた獰猛な性格として育っていった。憎しみを糧とした圧倒的な強さから、小国の将軍となり人々から慕われるようにもなる。その後も憎悪の心は消えなかったが、ある日出会った姉弟に生まれて初めて安らぎを覚える事となるも、戦争で姉は死亡、その際の怒りと憎しみを喰らい実体化した白面の者に弟も殺されてしまう。長年の白面との同調で不死となった彼は復讐心と、白面の者を生み出してしまった自責の念により、数百年の時をかけて白面を追う事となる。そして中国の霊山深くに封印されていた獣の槍の最初の使い手となり、獣と化して人間の頃の記憶を失う。

うしおととらのお役目様(おやくめさま)

ジエメイの生まれ変わりである“ゆき”の血筋であり、強大な結界能力を有している女性。訳あって白面の傍で結界を張り続けているが、事情を知らない妖怪たちからは「白面の者に味方する裏切り者」として恨まれている。

お役目に着任してる間は一切年を取ることはなく、任を後継者に譲った後ゆっくりと年をとっていく事になる。

初代の「ゆき」が力の限界を迎えたあと、日崎御角→蒼月須磨子と代替わりしている。四代目真由子が就く予定であり、白面の者との最終決戦では須磨子とともに結界を張った。

ゆき 平安時代の白拍子で、ジエメイの生まれ変わり。 妖怪たちと共闘して白面の者を沖縄の海まで追い詰めるが、日本を支える要(かなめ)に逃げこんだ白面を見てしまう。そのため、やむなく白面の傍でその動きを封じるための結界を張り続ける「お役目様」になった。 400年後に日崎御角に役目を譲り渡す。 日崎御角(ひざき みかど) 二代目の「お役目様」として白面の者を長い間封じてきた後、蒼月須磨子と交代してからは光覇明宗の指導者になった。 役目を退いたあともその力は健在で、明治時代には飛頭蛮たちと戦って封印している。 孤児だった和羅、凶羅の親代わりでもあり、さすがの凶羅も彼女には頭が上がらない。 光覇明宗総本山を襲撃した「くらぎ」を命と引き換えに倒した。 蒼月須磨子(あおつき すまこ) 江戸時代に生まれ、現在に至るまで結界を張り続ける三代目の「お役目様」。 あるとき、「潮」と名づけた自分の息子が「獣の槍」を振るって戦う夢を見る。その話を聞き運命を感じたジエメイによって2年間だけ「お役目」の任から解かれ、外界に送り出された。その際に蒼月紫暮と出会い、妻となった彼女は潮を産むことになる。 母の重い運命を息子に背負わせたくない親心から、紫暮は潮に「母は死んだ」と嘘を教えてきた。しかし、槍を手にして妖怪と戦うことになった潮は、彼らの口から母が生きていることを知り、真実を知るための旅に出ることになった。 その後、神野率いる西の妖怪群が単独で白面に戦いを挑んだ事件で、彼らを助けに来た潮を目前にする。だが、白面を前にした獣の槍の暴走などもあって再会は果たせなかった。また、そのとき妖や潮たちを救うために力を大きく使ってしまい、結果、白面の復活が早まることとなる。 復活した白面の者との決戦では、四代目の力を持つ真由子と協力し、自身の力を含む様々な結界の力をまとめ、白面の者を閉じ込めるための大きな結界を作った。

うしおととらの光覇明宗

表向きは仏門の一派であるが、人間に災厄をもたらす妖退治を使命とする戦闘組織としての一面も持つ。それに伴い、主戦力たる法力僧の養成や強力な武法具の開発に力を入れている。最大の使命は「白面の者」の抹殺であり、「獣の槍」についても潮が手にする以前からその存在を把握し、監視を続ける一方、それを手にして戦うための「伝承者」を養成していた(獣の槍が500年ぶりに世に出た時点で残った伝承者候補は4人)。当初は平凡な子供である潮が槍を手にしたことに危機感を抱き、潮から槍を奪ってとらも滅ぼそうとしていたが、次第に潮ととらの実力を認め、二人を全面的にバックアップしていくようになる。規模は大きく、寺院数九千、信徒数六百万を誇る。総本山奈良県和歌山県の境に存在する。

和羅(にぎら) 光覇明宗を束ねる大僧正。本名はカズオ。兄の凶羅とともに孤児としてお役目様(日崎御角)に育てられた。兄弟仲は良かったらしい。 顔にある大きな火傷の跡は、凶羅との法力比べの事故によるものである。 四師僧(よんしそう) 大僧正・和羅に次ぐ地位にあると思われる四名の僧。それぞれが獣の槍伝承者候補を擁している。槍を手にした潮ととらを排除するために若い法力僧や凶羅を差し向けた。 関守日輪(せきもり ひのわ) 獣の槍伝承者候補の一人で櫛を使って戦う。優れた力を持ちながら父親の「お前が男だったら」という言葉の為に自分が女であることにコンプレックスを持っており、それを克服するために獣の槍の伝承者になることに執着していた。 当初は使命感もなく成り行きで槍を振るう潮に強い怒りを抱いていて、それまでの戦いにおける彼の無責任ぶりを糾弾したあげく槍を取り上げてしまう。しかしその直後に槍を狙う大量の婢妖に襲われ、頼みの槍も力を発揮せず危機に陥ったところを潮に助けられる。それからは潮を多少なりとも認めるようになった(それでも彼には厳しく当たる)。 その後はキリオが槍を破壊しようとしている件で潮と共闘したり、白面との最終決戦の折には結界を張るために無防備になっている僧達を碑妖や黒炎から守ったりと、光覇明宗の主力の一人として活躍。 潮との交流を通じて、最終的には自分らしく生きることの大切さに気付き、槍への執着から解放されたようだ。 秋葉流(あきば ながれ) 獣の槍伝承者候補の一人で、武器は錫杖と独鈷(どっこ)。特技は独鈷を使った結界術で、気付かれないうちに妖怪の動きを封じたり退路を断ったりする。また、瞬時に相手の弱点を見抜き、最良の戦略を立てる頭脳も大きな武器になっている。 潮とは婢妖との戦いで協力して以来、よき兄貴分として何度も力を貸している。また、とらを過去の凶悪振りから当初は疑っていて、滅ぼそうとして返り討ちにあうも逆に強い関心を示すようになる。 幼少の頃から本気を出さずして何でもできてしまう天才だったが、そのことによって絶えず周囲との軋轢にさらされていたため、いつも飄々として本気を見せない態度を取っていた。しかし潮と出会ったことから、自分の本気を発揮できない虚無感を隠したまま生きることに疑問を持ち、最終決戦の折に突如として白面側につく。その真意はそれまで隠していた本当の自分の姿を潮に見せることと、全力を出せる相手と認めたとらに戦いを挑むことだった。 潮が母親を助けに結界のもとへ向かう途中に立ち塞がり、とらと念願の激戦を展開。全ての力と本心を出し切り、満足を抱いたまま力尽きた。 彼の生き方は白面との最終局面において重要なウェイトを占めることになる。 杜綱悟(もりつな さとる) 同じく獣の槍伝承者候補。人格・能力共に最も伝承者に近いと言われた男で周囲の人望も厚い。法力に加えて陰陽道にも長け、蛭蟲(ひるこ)などの式神を使うことができる。 体内に侵入した婢妖に精神を支配されて潮たちを襲ったが、妹の純と潮の協力によって助かった。 幼少のころより潜在的に強い法力を持っていたが、逆上すると自身の力をコントロールできなくなる欠点があった。かつて純を襲った妖怪を一撃で粉砕して滅ぼしたが、その凄惨な姿から彼女をひどく怯えさせてしまい、そのことが深い心の傷となっていた。 最終決戦時では式神を使い、純とともに結界を張る僧達の護衛にあたる。 杜綱純(もりつな じゅん) 悟の妹。兄を慕っている。兄を差し置いて獣の槍を手にした潮を憎んでいたが、兄の心を取り戻すために身の危険を冒して戦った潮を見て好意を持つようになった。潮に厳しい日輪とは反発しあっている。 引狭(いなさ) もとは光覇明宗上位師僧だったが、白面に対抗するための力を生み出すことに固執するあまり、西洋の「魔道」に手を出して破門された。謎の女「斗和子」の協力を得て研究を次々と成功させ、エレザールの鎌、ホムンクルスマテリアキリオ)などを次々と生み出した。最後には斗和子に騙されていたことを悟り、後悔の果てに自ら命を絶った。 引狭霧雄(いなさ きりお、キリオ) 引狭に連れられてきた獣の槍伝承者候補。年少ながら優れた法力を持つ。さらに強力な武法具エレザールの鎌」を持ち、ホムンクルス「九印」を従えている。実は引狭と白面の分身・斗和子によって誘拐した赤子を元に作られた法力人間「マテリア」である。 引狭の死後は斗和子に育てられ、彼女を「ママ」と呼んで慕っていた。そして言いつけ通りにくらぎを倒し、自分についた若い法力僧らを使って獣の槍を奪い、破壊する。しかし本性を現した斗和子によって、自分が白面の計略のために作られたという真実を知らされ絶望に突き落とされた。最後は自らの手で斗和子にとどめを刺すが、心に深い傷を負ったまま失踪する。その後、九印とともにあてもなく日本各地をさまよっていたところで真由子偶然出会う。彼女を守るために妖怪と戦ったことを通じて心の傷を克服し、そのまま真由子の家に引き取られることになった。 斗和子に育てられていたころは自分の強さに対する自信から他者を見下し、情に流される潮を弱い人間と切り捨てる冷たい性格だったが、潮や真由子との出会いによって徐々に少年本来が持つ明るさ、活発さを取り戻していった。 最終決戦時には白面の者誕生の真相を調査したり、結界の中心となっていた真由子を守り抜いたりと重要な役割を果たした。真由子に好意を持っているようだ。 凶羅(きょうら) 光覇明宗では最強とも言われる法力の持ち主だが、暴力的な性格のために破門となった破戒僧。本名はキョウジ大僧正・和羅の兄という立場にあるため破門後妖怪退治を依頼されることがあるが、弱者を救うことなど眼中になく、力を振るって妖怪を滅ぼすことにだけ興味を示す。 潮たちとは、光覇明宗上層部から槍の奪還と「とら」の抹殺を命じられた刺客として対峙し、強大な法力によってとらを絶体絶命にまで追い詰めるが、獣の槍を手にした潮に敗れる。その後は二人を破ることに執念を燃やし、強力な武法具穿心角(せんしんかく)」を手に再び戦いを挑む。しかし山魚との戦いによって勝負は中断、そのまま決着はつかなかった。 くらぎが本山を襲った時にその場にいたがお役目様(日崎御角)を守りきれずその後行方不明になる。最終決戦時に人知れず参加し(本人曰く)「結界のもっとも弱い部分」を一人で防衛。数多くの黒炎の屍の上で潮ととらとの戦いを振り返りつつ絶命した。 照道(しょうどう) 紫暮の留守中芙玄院や潮の世話を任されている僧。 白面との最終決戦でも法力僧の一人として参戦していた。

うしおととらのHAMMR(ハマー)

正式名称HEAD ANTI METAMORPHOSE MEASURE RESEARCH

妖怪を科学的に研究、分析すると同時に、対妖怪用の兵器を開発する為にアメリカ政府の命で組織された機関。当初は政府も研究に乗り気だったが、上層部が白面の者の呪いで次々と殺されたため、撤退を余儀なくされたが、一部の職員は残り、強引なやり方で研究を続けていた。

開発した対妖怪用兵器キルリアン振動器」は当初は不完全だったが、白面の細胞から産まれた妖怪との実戦データを素に改良され、最終決戦では人間側での重要な戦力となった。

ヘレナ・マーコフ 大脳生理学、臨床心理学、精神分析学の専門家ポールと言う一人息子がいたが、病気で死なせてしまって以来科学に没頭するようになってしまう。潮ととら、そして麻子の姿に希望を見出し、麻子を庇って死亡した。 ニコラス・ケストラー 医療電子工学、特殊遺伝子解析キルリアン振動理論の完成者。最初は強引すぎる研究方法で潮と敵対したが後に和解。潮に「石喰いの鎧」を授けた。若い頃はボクシングの経験もあったらしく、決戦の後に潮との勝負を申し込むが、黒炎に襲撃されたハマー本部の崩落に巻き込まれ、マルコと共に生死不明となった。 マルコ・パブロティ 思想家にして、心理研究家、超心理学の権威。最終決戦では麻子を通じて潮に渡した小型キルリアン振動器チェシャキャット」の発動をする活躍を見せる。ヘレナニコラスとは幼馴染みで、ニコラスとともにヘレナに想いを寄せていたようである。

うしおととらのその他登場人物

中村米次(なかむら よねじ) 麻子の父。中華料理店青鳥軒(せいちょうけん)」を経営している、大きな体格と薄い頭髪が特徴の好人物。潮のことを実の息子のように可愛がっており、子供時代に母親がいないことでひねくれていた潮を立ち直らせてくれた恩人である。 白面との最終決戦の折には、沈み行く日本列島から逃げることのできない人々のために、店を開き続けた豪気な性格の持ち主。空手の心得があり、昔は麻子や潮に稽古をつけていた。現在でも潮と組手をしたり、麻子にトレーニング器具を買ってきたりしているようである。将来は潮を麻子の婿にしたいと思っているらしいが、無造作にそのような発言をしてしまい、照れた麻子から攻撃されることも。 ちなみに青鳥軒は著者・藤田和日郎が懇意にしていた実在の喫茶店「青い鳥」がモデルとなっており、本作品のアシスタント出身である安西信行漫画 烈火の炎 にもチラッと登場する。 中村麻沙子(なかむら まさこ) 麻子の母。夫婦で「青鳥軒」を営む。夫と同じく潮のことを可愛がっている。 母親がおらず、父親も多忙な潮の食生活を心配してときどき麻子に料理を届けさせているが、これは娘に気をきかせてという意図もあるようだ。 羽生礼子(はにゅう れいこ) 潮の中学の同級生だが、不登校により歳は1つ上。 死して後も鬼と化し、娘に対する妄執に囚われ続ける画家の父親のことに気を病み、自殺未遂四回の“死にたがり”となっていたが、潮ととら、そして、獣の槍により父の妄執から解放される。その後、麻子、真由子と仲良くなる。幼馴染の間崎のことは「賢ちゃん」と呼ぶ。 手先が器用で手芸や刺繍などが得意。ただしノリ出すと止まらない性分の様で、麻子の制服の裏地を一晩かけてスゴイ代物にした事がある。部屋にはぬいぐるみもあるが、その造形センスは独特なもの。 間崎賢一(まさき けんいち) 潮の中学の上級生。番格らしく周囲の生徒からは恐れられている。家はバイク屋をしている。 羽生礼子幼馴染で、彼女に鬼と化した父が取り憑いていることにも気付いていた。礼子に近づこうとする潮に対し暴力を振るって追い払おうとしたが、彼なりに潮を心配しての行動だった。礼子が父の呪縛から解放されてからは付き合い始めた様子だが、礼子が(麻子と真由子もだが)ケガをしたと知るや薬を大量にあげたり、体育大会騎馬戦に参加してる礼子の為にズルをしたりと、かなり過保護な様子を見せていた。 父親はバイク屋を経営しており、潮がバイクに取り付いた“一角”という化け物と戦った折には、父から決して触らせてくれなかったバイクに乗ることを許され、活躍している。 ハイフォン ?の妻。彼の留守中に、ある妖怪によって娘のレイシャとともに食い殺されてしまった。 レイシャ ?とハイフォンの幼い娘。 ?が子供を殺した妖怪に激しい憎悪を抱くのは、このレイシャが妖怪に食い殺された自らの体験からと考えられる。 中島タツヤ(なかじま たつや) 海に行った潮たちにいたずらした少年。幼くして母親と死別したことから、ひねくれてしまっていた。 麻子とともにボートで妖怪「あやかし」に呑まれる。その中であやかしの本体に飲み込まれそうになった麻子を潮と共に勇気を持って助けた事で、少しだけ大きくなる事ができた。 桧山勇(ひやま ゆう) 潮が北海道に行くために乗った飛行機にいた女の子。パイロットであった父を失い、その原因が厚沢にあると思い込んでいた。その後搭乗していた飛行機が衾に襲われ父の本当の仇を知り、潮と協力して衾を退治する。 そのことがきっかけで潮に好意を持つ。陸上部に所属しており、作中の描写からは短距離走者と思われる。 厚沢恭治(あつざわ きょうじ) 潮・勇と同乗した自衛官戦闘機パイロット(二尉)で、元は勇の父親の部下であった。 かつて勇の父親が操縦する旅客機が妖に襲われるのを見殺しにしてしまったことを気に病み、勇の世話を焼いていた。 潮と出会った後は「特殊災害対策室」に配属され、妖関連の事件処理に従事。HAMMR事件以降は一尉に昇進しており、白面班指揮官として政府・自衛隊における妖対策の中心人物となっていた。一時は記憶を奪われ白面復活のお膳立てをしてしまうものの、白面との最終決戦においては重要な役割を果たす。 鷹取小夜(たかとり さや) 遠野に住む少女。あの世との交信ができるという「白い髪の女」の一族で、妖怪を見ることもできる。このため、鷹取家に囚われているオマモリサマザシキワラシ)と話をして慰める役割を命じられている。 病弱で家族からも冷遇されて育ったため、すぐに「ごめんなさい」と謝る暗い性格だったが、オマモリサマを解放するために戦った潮ととらを見て強く生きることを決意する。その後は、髪も根元から色づいてきたようだ。 最終決戦の折には、解放されたにも関わらず傍にいるオマモリサマと「白い髪の女」の一族に伝わる力で潮達に協力する。 香上、片山(かがみ、かたやま) 主にナンパを目的として東北地方を旅している大学生の二人組。メカニック好きな方が香上で、ヘビメタスタイルが片山である。潮が落とした金を使い込んでしまったことから無理やり北海道行きの旅に同行させられることになった。 普段は根性無しに見えるがいざというときは勇気があり、潮を助けてなまはげやオヤウカムイと戦った。二人ともナンパに明け暮れていたころの成果はさっぱりだったが、オヤウカムイ戦で勇気をふるって戦う姿が決め手となり、悲願であった彼女を獲得することになる。 白面との最終決戦の直前、麻子と出会い間接的に潮達の手助けをすることになる。 片山の着ていたTシャツの「踊りー狂う」や「アイス食うパー」は一部のヘヴィメタルファンには語り草になっている。 大谷詩織(おおたに しおり) なまはげが好きな女の子。子供なのでとらが見え、「なまはげ」と呼んで懐いていた。 妖怪「なまはげ」(猿の変化)に狙われ、さらわれるが潮たちに助けられる。 大谷史代(おおたに ふみよ) 詩織の母親。潮たちが宿泊した宿の女将。若くして未亡人である。 自分達親子を狙う妖怪「なまはげ」とは、自身の子供時代、浅からぬ因縁がある。 伏戸歩(ふしど あゆみ) バンドをしている女子大生。沈没した青函連絡船勇雪丸」の船長であった祖父の霊の言葉に従い連絡船に乗りに来たところで、潮・香上・片山らと知り合う。 北海道での出来事の後、片山と付き合っている。婢妖により潮の記憶を失っても、麻子の願いを叶えるために奔走する。 仁礼裕美(にれ ひろみ) 洞爺湖畔ホテルで働く女の子。洞爺湖を愛していることからサンピタラカムイによって守り神に選ばれ、オヤウカムイと戦うよう求められる。 洞爺湖での出来事の後、香上と遠距離恋愛をするようになったようだ。 徳野信二(とくの しんじ) 北海道出身。家を出て東京でヤクザになったが、病気で余命いくばくも無くなったことから組を抜けて帰ってきた。 霧の妖怪シュムナが襲ったバスに乗っている年老いた母親を守るため、命を張って潮に協力してシュムナを倒し、息を引き取る。母親の方は薄々息子であることを感じ取っていたようである。 白面との戦いの際には霊となって現れ潮を助けた。 安西信行(あんざい のぶゆき) 安西人形博物館を経営する祖父が怪物と化した人形によって負傷したため、代わりに人形を倒そうとした。 モデルは藤田のアシスタントをしていた現漫画家の安西信行である。 ギリョウの父 名前は不明。かつては宮中に召抱えられていた腕利きの刀鍛冶で、親族が皇帝に反乱を起こしたことによって、一族はそのほとんどが殺されたが、皇帝の覚えのよい彼の家族は、都からの追放処分のみで助かった。その後、白面を倒す神剣を集めていた皇帝に再び認められようと、最高の神剣を作ろうとしていた。 息子のギリョウと妻コウシの協力を得て、自身の最高傑作の剣を作り上げて宮中に参上するが、皇帝の后に化けていた白面がその場で正体を現してしまう。自身の剣を信じて白面に挑むも、無情にも剣は砕け、返り討ちとなってしまった。 コウシ ギリョウジエメイの母親。神剣を造ろうとする夫の成功を誰よりも願い、剣を完成させるために自らの美しい髪を惜しげもなく差し出す献身的な女性である。 神剣を奉じに宮中に赴く夫に同行するが、現れた白面によって目の前で夫を殺される。呆然としているところを、続けて白面が吐き出した業火を浴び、一瞬で上半身を焼き尽くされ、即死した。この時、白面の前で動くことができたのは潮のみである。 佐久間泰(さくま やすし) 札幌に住む勤労少年。新聞配達中に出会った雪女・垂(しずり)に恋をした。 その後町を凍りつかせようとする垂と対峙。垂が雪女でも自分の気持ちは変わらないということを示し、人間に転生した垂と結ばれる。 野村信一(のむら しんいち) 潮が北海道帰りの列車の中で出会った高校生。いじめられっ子で他人に対して自分の気持ちを表現することができなかったが、山魚と戦う潮や紫暮に勇気を奮って協力したことにより成長できた。 数年後は教師になり、かつての自分のように心を閉ざす生徒を力づける姿が描かれている。 岡田(おかだ) 野村信一に同伴していた教師。心を閉ざす信一を心配しながら、うまく接することができず悩んでいた。 折草浩(おりくさ ひろし) 麻子のいとこで暴走族の総長。一角に取りつかれ、麻子を連れて暴走する。正気に戻ったあとは、潮と麻子の間に入る余地等ない事を悟り、静かに身を引いた。 柏木実(かしわぎ みのる) 飛行機事故で父親を失い、山の中でさとりに育てられていた男の子。事故によって目を負傷し、収容された病院で潮と知り合う。 結局さとりと再会する事はなかったが、最後までさとりが“お父さん”である事を信じて疑わなかった。 設楽水乃緒(しだら みのお) 香川県、設楽の里に住む少女。「お外堂さん」と呼ばれる妖怪を使役する能力を祖母より受け継ぎ、使役する人物がなくなり「はぐれ外堂」となった一体を追って潮たちの学校へ転校してきた。 外堂使いとして特別視されて育った孤独感から他人を拒絶し、潮や麻子とも衝突してきたが、潮と協力して、はぐれ外堂を退治し、戦いや喧嘩を通して心を開くようになる。そして、潮に淡い恋心を抱いたまま(はぐれ外堂に一度取り憑かれた際、それを追い出す為に間接的にキスをしている)設楽の里へ帰っていった。 実は潮たちより、二つ年上で去り際には同じように一つ年の違う羽生礼子意気投合していた。 白面の者との最終決戦時には、お外道さんを使役して麻子達を妖から守っている。 三井(みつい) 潮の学校の英語教師。美人だがプライドが過度に高く、性格的には問題がある。ストレスも堪っていたのか、はぐれ外堂に取り憑かれて獣のように暴れた。 宮田瞳(みやた ひとみ) 潮と同じ学年の女生徒。裕福な家に育った分、他人を羨む気持ちが人一倍強く、そのためはぐれ外堂に取り憑かれる。 矢島恵美(やじま えみ) 潮の学校の保健の先生。優しく柔和な外見とは裏腹に、心の底には他人に対する激しい嫉妬心を隠している。 このことからはぐれ外堂に見込まれ、宿主として箱型のイヤリングに住まわせて(取り憑かれて)いた。 野崎(のざき) 潮の学校の教師で、彼の肖像画にのみ登場。 「溶けかけたドラえもん」と称されるその絵からは本人の容姿を推し量ることは難しい。 横尾、厚池(よこお、あついけ) 潮の同級生で、一緒にゲームセンターに行ったりする親しい仲の友人。 守矢克美(もりや かつみ) 「テレビ丸の内」に勤める報道記者。妖怪による怪事件に興味を持ち独自に調査し続け、潮ととらに辿り着いた。最終決戦では危険な状況の中でテレビ中継し続け、世界の運命を左右する重大な役目を担う事に…。 ラーマ シャガクシャの従者の少年。シャガクシャの強さに憧れており、姉共々彼を恐れず普通に接する。しかし白面が実体を持って誕生した際、その正体を認識することなく身体を焼かれて命を落としてしまう。 ラーマの姉 弟からシャガクシャに引き会わせられる。美しく聡明な女性で「憎しみは何も実らせない」ことをシャガクシャに説く。だが皮肉にも彼女の死によって頂点に達したシャガクシャの憎しみが、最悪の妖である白面を産み落とすこととなる。 危ない時には「シャガクシャ様のお口の中に隠れている」という言葉は、ある意味後の彼に関わる人間との接し方を暗喩するものとなっている。

うしおととらの外伝の登場人物

吹雪姫(ふぶきひめ) 中納言信行の娘。美しい顔立ちだが、生まれてから一切の感情を顔に出すことがなく、その無表情振りから石姫(いわひめ)と呼ばれる。歌も琵琶も上手いものの、感情のない者に真の詩歌などわからないと陰で揶揄されていた。彼女自身もそんな自分を後ろめたく思っていたようだ。 無明の捨て身の行動により感情を取り戻す。 井上無明(いのうえのむみょう) 雑色あがりの随身。腕の立つ侍。人知れず感情を表に出そうと努力する吹雪の姿を見て以来、彼女の力になろうと誓いを立てていた。とらを焚きつけて朽目の式神を倒させ、朽目を倒した後、吹雪を喰おうとするとらを捨て身で追い払った。最後は吹雪の涙と笑顔を見ながら、姫の腕の中で絶命する。実は、井上真由子の先祖にあたる。 斯波朽目(しば くちめ) 邪な陰陽師。式神を操り、吹雪を自分のものにしようとした。無明に倒される。 賀茂(かも) 都随一の陰陽師。無明に自らの童(本当は賀茂の式神)を通じ、とらを追い払える直筆の符を渡した。物語中に姿は登場せず。 道士 世を捨て桃花源(とうかげん)で暮らす仙人。右目を失った?に翠竜晶を与え、暇つぶしと称して仙術を教えた。本編でもシャガクシャに獣の槍の封じ場所を教えており、時間の流れが違うことを差し引いても相当の年月を生きていることがわかる。 ミンシア 桃花源の住人。桃の精。?に好意を抱いていたが、彼の妻子の敵に対する激しい憎悪と妄執を知り、自分が付け入る隙がないことを悟る。?が桃花源を去る際、彼の本名を託された。なお彼女の名前はからくりサーカスにも流用されている。 李王 桃花源の住人。やや自己中心的な性格でミンシアに対し強引に迫るものの、常に拒否されていた。やがて思い余ってミンシアをさらい桃花源を出ようとするものの、窮奇に襲われてしまう。 この窮地を?に助けられさすがに思う所があったのか、桃花源を去ろうとする彼に対し、自分が身を引くからミンシアと一緒になってやってくれと頼み込んでいた。 源義仲 敵に囲まれ進退窮まった状況の最中、巴から昔話を聞く。死んだらまた弓を引こうと言い残し、最後の戦いに向かっていった。なお状況から宇治川の戦い直前とみられる。 巴御前 義仲と共にいる事が望みだったが、若い頃は非力な自分に絶望し、一時は諦めようとも考えていた。しかし、とらの言葉に動かされ、義仲と最後まで戦い続けた。 なお本編でも、麻子を巴になぞらえたとらの回想で一コマだけ出ているが、まるで似ても似つかない姿である。 信太 少々乱暴だが妹思いの少年。妹にクリスマスプレゼントを買うため、穴ボコさんに頼んでお金を増やそうとした。 ゆき 信太の妹。彼女にとっては兄こそが「サンタ」であった。 草太郎 恩施という村の小作の家の生まれ。気弱で臆病な性格だが、自分に優しくしてくれるみさをの為に侍になろうとする。しかし凄惨な戦場の実態を知り仲間ともはぐれ、独りで怯えていたところ、川を流れてきた獣の槍と出会い、以降槍の使い手として妖怪を倒すようになる。とらと出会う頃には魂を削られ獣になる寸前だったが、それでもとらの悪行を止めるため3日間戦い続けた。 その最中、故郷まで来ていた草太郎は、みさをが山の化け物に捧げられると知って助けようとする。この際偶然とらと共闘する。結局みさをを助ける事はできたが、獣になりかけの自分は一緒にはなれないと去る。 最終的には、一時的に過去の記憶を取り戻したとらが故意に獣の槍に縫い止められた為、字伏になることはなかった。最後にとらに「いつか背後を守る者が現れるかもしれない」と予言めいた言葉を残す。伝承通りならば彼が蒼月家の始祖ということになる。 みさを 名主の娘。村一番の器量良し。心優しく、侍になりたがる草太郎に、草笛の上手い草太郎の方が好きだと心情を覗かせた。また彼が村を出た後も、一日たりとも忘れたことはなかったようだ。 草太郎が字伏にはならなかったため彼と結ばれたと仮定すれば、みさおもまた蒼月家の始祖といえる。

うしおととらの妖(バケモノ)

うしおととらの「白面の者」とその眷属

白面の者(はくめんのもの) 原初の混沌から陰と陽の気が分離して世界が形成されたとき、わだかまった陰の気より生まれた邪悪の化身。陽の気から生まれたあらゆるものを憎悪し、それらを破壊し、苦しめ、殺すことを無上の喜びとする。最初は実体を持たない気の塊であったが、古代印度偶々見つけた一人の人間の赤ん坊に寄生し、長年にわたってその人間の怨念や憎悪のエネルギーを吸収する事で、九つの尾を持つ巨大な異形の白狐の姿となった。 口からは全てを焼き尽くす業火を吐き出し、巨大な尾は軽く振っただけで無数の妖を塵芥のように粉砕する。尾の一本一本が違った能力や特性を持ち、本体から離れて行動する事も可能。単純な力だけでも人間はおろか他のあらゆる妖と異なる次元の強さを誇るが、白面の真の恐ろしさは「心」に対する攻撃にある。相手の心を容易く見透かし、その弱さにつけこんで破滅に追いやる手口は極めて悪質かつ確実である。また、妖怪や人間が自身に対して抱く恐怖を取り込み力に変えることで、限りなく強くなっていく。 印度で実体化すると同時に大破壊をもたらし、さらに中国を荒らしまわったあげく日本に上陸する。だがそこで人間の陰陽師及妖怪連合に迎撃され逃亡、国を支える要の岩に逃げ込み、その後800年の長きに渡り沖縄トラフでお役目様である女性達の結界に封じられることとなった。しかし様々な策謀を巡らせた末、ついに復活を遂げる。 永い年月の中、人間や妖怪の恐怖などを喰らい力を増しており、一度は潮を制して獣の槍を砕き、とらを倒し、人間や妖怪達をことごとく粉砕し、日本列島を蹂躙したが、潮ととらの記憶を取り戻した人間や妖怪達など、力を合わせて戦う人間や妖怪達によって形勢は挽回され、潮ととらとの最終決戦に至ることとなる。白面の心の奥底と尾の内の一本には、その誕生に遡るある複雑な思いがこもっている。 モデルは言わずと知れた、各地に伝承を残している「金毛白面白面金毛、または金毛玉面とも)九尾の狐」である。殺生石などの、実際の伝承もエピソードに取り込まれている。 婢妖(ひよう) 獣の槍を破壊する為に白面の者の尾の一本から生み出される妖怪。耳の生えた目玉の姿をしている。 一体一体は小さいが、無数に出現して集団による破壊活動を行うため、その力は脅威となる。 人間や物に取り憑いて思うままに操る能力があり、潮の乗ったバスや伝承者・杜綱悟に取り憑いて何度も潮たちを襲った。また退魔の力を持つ霊器等にも大量に取り憑く事で、外部からの霊圧を加えて破壊する。 白面の復活直前には、人や妖の頭の中に入り込むことで特定の人物についての記憶を消し去ってしまう新型の婢妖も現れ、これによって周囲から孤立した潮ととらは非常に苦しめられた。 疫鬼(えきき) 杜綱悟の心臓にとりついた妖怪で、婢妖の集合体。周囲の血管を操り、心臓への損傷を恐れて手出しできない潮たちを苦しめた。 血袴(ちばかま) 杜綱悟の脳にとりついた妖怪で、婢妖の首領とも言うべき存在。婢妖と同じく一つ目で、頭巾を被った僧兵の姿をしている。実力は高く、潮やとらを圧倒している。 潮の事を「(個人的に)会ってみたい」と言う様子から、白面の眷属の中では珍しく武人としての気質が強いらしく、小細工を弄せずに正々堂々と戦った。右手に婢妖弓をもち、多数の婢妖を一度に撃ち出す事が出来る。また婢妖弓を折り畳んで刀としても使用した。 最後はとらとイズナの機転で眼の中に誘い込まれ、そこから純が放ったレーザー光線のような念を浴びて細切れになり、最期を迎えた。 くらぎ 白面の者の九つの尾の一本が変化したもの。体外から加えられた妖力を反射する能力を持つ強大な妖怪。何の前触れも無く光覇明宗総本山を襲撃し、壊滅状態にまで追いこむ。法力僧たちのあらゆる攻撃、さらには救援に来た潮の獣の槍による攻撃まで反射(ただし、この時潮は慢心しており獣の槍さえあれば負けるはずがないと高を括っていた事も敗因に繋がった)、無効化し彼らにさんざん無力感を味わわせた。 最後にはお役目様(日崎御角)が命と引き換えに放った結界を受けて機能を停止し、キリオにとどめを刺される。しかし本来の目的はキリオの力を光覇明宗に認めさせるための囮であり、獣の槍を破壊するという計画の駒の一つに過ぎなかった。 後に復活した白面とともに再び出現するが、既に歴戦を経て成長した潮の敵ではなく、槍の一撃で粉砕された。 斗和子(とわこ) 同じく、白面の者の九つの尾の一本が変化した分身。普段は女性の姿をしているが、白面と似た長い尾を持っていて、戦うときは相手に突き刺したりする武器となる。また、くらぎのように法力などの攻撃を体外に反射する能力も持つ。しかし、その本領を発揮するのは戦いよりも相手を破滅に導く智謀であり、主と同じぐらい残忍かつ卑劣な策略で潮たちを苦しめた。 最初は法力僧・引狭に巧みに近づき、強力な武法具エレザールの鎌」と法力人間マテリアキリオ)を作らせる。引狭の死後キリオを手懐け、光覇明宗を襲ったくらぎを倒させる。これにより法力僧らの一部に獣の槍に対する不信感を抱かせ、内部分裂を引き起こした。 さらにはキリオについた法力僧たちを使って獣の槍を奪い、潮らの目前で破壊させる。そのとき初めて真意を明かし、絶望の淵に突き落とされたキリオ法力僧らを嘲笑った。 しかし、獣の槍が潮の呼びかけに応えて復活すると一転して劣勢となり、錯乱したキリオを利用して逃走を図るも失敗。最後の手段で、炎と化した尾で潮たちを焼き尽くそうとするが、心を取り戻したキリオエレザールの鎌を突き刺され、倒れる。 最期までキリオの心を踏みにじりながら、炎に包まれて消滅していった。 後に白面の者が復活したとき再び巨大な姿で現れるが、完全な状態で復活することはかなわず、とらの特大の雷を浴びて一撃のもとに滅ぼされた。 紅煉の回想シーンで彼を勧誘しているなど、白面の眷属では外交官的役割を果たしている。 偽のジエメイ ジエメイの姿を模した白面の分身。潮に敗れた斗和子の外交官的役割を継いだ。彼女の名を騙って厚沢を欺き、須磨子がいる石の柱を破壊させようとした。 また、秋葉流の前に現れ、彼の心に流れる虚無を指摘して潮・とらと敵対するように仕向けようとした(結果として流はとらと戦うことを選んだが、その決定要因になったかどうかは不明である)。 なお、本物のジエメイとの相違点は黒い髪の色と服装、そして斗和子白面自身と共通する邪悪な目つきである。 黒炎(こくえん) 白面の尾の一尾から無数に出現する字伏である紅煉に似た黒い字伏の姿をした妖怪。また、紅煉の身体からも同様に黒炎が無数生まれ、「穿」と呼ばれるレーザーのような強力な攻撃を行う「新型」も存在する。

うしおととらの字伏(あざふせ)

姿形や性質が「とら」に非常によく似た獣風の妖怪で、複数体いる。外見はそれぞれ微妙に異なる。ある時一斉に世界中から潮達のもとに集まってきた。とらもその一体であり、当然ながら他の字伏もとらと同じく雷や炎を操ることができる。

本編の終盤に明らかになる事実であるが、魂を削って獣の槍を使い続けた人間が、限界を超えて魂を削り取られた結果、獣と化した姿が字伏である。字伏となった時に人間の記憶は失われる(とらのみ、断片的に人間の時の記憶を取り戻す事があった)が、獣の槍から刷り込まれた白面の者への憎しみだけは強く残り、やがて白面と同じく憎しみの化身と化していく。

一度は潮も字伏になりかけたが、潮と縁深い五人の少女(勇、小夜、礼子、真由子、麻子)がその髪を梳ることによって魂を取り戻し、助かった。

紅煉(ぐれん) 字伏の一体だが、白面の者に邪悪な心を買われて手下となった。白面の者より譲り受けた三本の霊刀を顔に仕込み、とら以上の炎と雷を放つ強大な敵。更に分身である「黒炎」を体から無制限に生み出す事も可能である。その役割は白面にとっての邪魔者の排除で、決戦を前に目覚めた字伏たちをことごとく抹殺。黒炎とともに潮ととらの前にも現れ、その実力を見せつけて苦しめた。 元は古代中国にいた促影という名の農夫だったが人心がなく殺人鬼となり、妖怪を殺すことに快楽を覚えて獣の槍を使い続けた結果、自身の闇の心を反映した黒い姿の字伏となる。白面の者の言葉で他の字伏達より早く眠りから目覚めた際、力を蓄えるために近くの村に住んでいたある平凡な一家の母娘を喰らっている。 最終決戦時に白面の者とは別の場所で戦っており、死闘の末滅ぼされた。 黒炎(こくえん) 紅煉の身体から無数に生まれる分身で、紅煉に似た黒い字伏の姿をした妖怪。字伏と同じく炎や雷を操るほか、妖気をレーザーのように放出する「穿(うがち)」や、相手の身体に突き刺さって根を張る「千年牙(せんねんが)」などの強力な技を持つ新型も後に登場する。

うしおととらの東(関東)の妖怪群

山ン本(やまんもと) 「東の長」と呼ばれ、遠野で東日本の妖をまとめる大妖怪。普段は鼻の長い老人の姿をしているが、本当の姿は大天狗である。 妖怪の中では穏健派で、時折人間の姿で人の村にも顔を出している。 マヨヒガ(迷い家)にて潮の心を見極め、協力するようになる。 モデルは怪談「稲生物怪録」に登場する魔王「山ン本五郎左衛門(さんもとごろざえもん)」と思われる。 一鬼(ひとつき) 額に角を持つ修験者の姿をした妖怪。巨体と怪力を誇り、東の妖の中でも一、二を争う強者。 蛇の化身で、複数の蛇の体がより合わさって人型をとっている。蛇妖の性質のせいか、かなりガンコ執念深い性格で、とらとは800年前の戦いで共闘した戦友であるものの、仲が悪い。 最初は「お役目様」を母親に持つ潮を憎んで遠野の他の妖怪たちとともに襲い、疲弊した潮と彼を助けようとした雷信、かがりを殺そうとする。しかし東の長の計らいによって中断され、潮の処遇をめぐってとらと賭け試合をすることになった。そしてとらとの賭け試合に敗れた以後は、なんだかんだ言いながらも潮の事は認めるようになった。 威吹(いぶき) 東の長の側を守るカラス天狗。山伏の姿をしている。長にはきわめて忠実だが融通がきかないところがあり、当初は潮の力を借りることに疑問を持っていたものの、命を賭けて自分たちを救おうとした潮の姿に考えを改め、友情を育む。 イズナ 各地に多くの眷属を持つ小妖怪。狭いところに入り込んで、素早く動く。無邪気で人懐こく、ノリのいい性格。人間の体内に入ることが得意だが、害を及ぼすことはない。妖怪の中に入ることもでき、間鎚の中に入って操ったこともあった。 婢妖に取りつかれた杜綱悟を助けるため、東の長に遣わされて潮に協力して以来、潮を気に入り、友達になった。 時にシリアスな顔で「人間と妖怪は相容れない」と言いながらも、潮の父・紫暮ともウマが合い、共にソバを仲良く食べている。おソバの上に乗った卵は混ぜる派らしい。 東の鎌鼬(ひがしのかまいたち) 第9章「風狂い」から登場する、遠野に住む鎌鼬の三兄妹。 雷信とかがりは、以後、準レギュラー格となり、物語の終局に至るまで潮たちと大きく関わることになる。 性格は温厚で、無益な殺生は好まない。 元は飛騨に住んでいたが人間達にそこを追われ、遠野に移り住んだ過去があり、再び住処の山を奪おうとする人間を恨んでいたが、潮に出会ったことから人間への憎しみを捨てて共存することを選ぶ。そのため、人間の姿をとっていることが多い。 雷信(らいしん) 東の鎌鼬の長兄。鎌鼬としての役目は相手を転ばせる役。 人間によって住処を奪われたことから殺戮を繰り返す十郎を止めるため、うしおたちに助けを求めた。 当初は十郎ほどではないものの人間を憎んでいて、潮も利用したあと殺してしまうつもりだったが、彼らのために涙を流す潮の姿を見てからは深い信頼を寄せるようになった。 その後はかがりとともに遠野で妖怪たちに襲われた潮を命がけで守ったり、西の長の暴走を止めるために戦ったりと活躍する。 十郎(じゅうろう) 東の鎌鼬の次男。鎌鼬としての役目は相手を斬る役。 本来は優しい性格であったが、自分達の住む土地を荒らされた事で絶望。人間達を激しく憎み、無差別殺戮に走った。 兄弟の中でも最も強く、一度は獣の槍を持った潮さえも倒したほど。かがりの薬で怪我を治した潮と再戦し、戦いの中で人間に対しての考えを改めるが既に多くの人間を殺害しており、それを償うかのように自ら獣の槍に飛び込み死亡する。 かがり 東の鎌鼬の末の妹。鎌鼬としての役目は人の切傷に薬を塗って血止めを行う役。 雷信同様、潮に出会ってからは人間を恨むことを止め、潮たちを慕うようになった。また、とらの強さや度量の大きさに惹かれていった。 人間の姿のときは非常にセクシーな服装かつ、麗しい美貌の女性になるが、ちょっと天然ボケ気味な性格故か、当人にはあまり自覚はない。 華乃狐(かのこ) 東の長が作らせていた結界自在妖。間鎚よりも遠くから結界を張ることができ、白面に敗れて危機に陥った神野たちの救出に使われた。

うしおととらの西(関西)の妖怪群

神野(しんの) 剛刃「流走(るばしり)」を振るう西の妖の長。高千穂本拠地空屋敷」を構え西日本の妖怪たちを統制する。 話から推測するに山ン本とは少なくとも800年前からの馴染みではあるものの、彼よりは若干若い様子。容姿は人間の若い青年のようであり、山ン本のように普段は妖怪の形態を隠している可能性もあるが、最後まで見せることはなかった。 獣の槍を信じず、結界自在妖「間鎚」を切り札に西の妖を率いて白面に単身で戦いを挑もうとした。制止しようとやってきた東の長を「空屋敷」に閉じ込め、救援に駆けつけた潮たちも囮の賭け試合で騙して足止めしたあげく白面に攻撃を仕掛けるも惨敗し、東の妖と潮たちに助けられる。この一件によって白面を倒すには東西の妖の団結が必要であることを痛感し、東の妖との協力関係を築くことに尽力するようになった。 モデルは怪談「稲生物怪録」に名前のみ登場する魔王「神野悪五郎(しんのあくごろう)」と思われる。 求嵐(ぐらし) 神野に仕えるカラス天狗。色黒で長刀を持った武者の姿をしている。関西弁で話し、小ズルい性格。威吹とはライバル関係にあるようだ。 四分守(しぶもり) 西の妖怪の中でも強者として知られる蛇妖で、翼の生えた大蛇と老人が組み合わさったような姿をしている。四つの蛇の頭は、合わさると一つの蛇の頭になる。必殺技は牙を大型化した「大顎(おおあぎと)」。 西の長の暴走を止めにやって来た潮たちの前に空域守備頭として立ちふさがり、一鬼と対決。長を守りきれなかった自責の念から最初は手出しをしなかった彼を調子に乗って一方的に痛めつけたが、最後には丸ごと飲み込まれてしまった。一鬼曰く「うまくもねぇ」との事。 西の鎌鼬(にしのかまいたち) 東の兄妹とは違い、性格は極めて残酷。東の鎌鼬と同様に普段は人間の姿をとっているが、その理由は人間に近付いて殺戮を楽しむためと言い切る邪悪な妖怪である。また兄弟愛といったものも持たず、目の前で姉や弟が殺されても平気にしている。相手を殺傷することに特化しているためか鎌の使い方にも長けており、それぞれが特有の技を持つ。実力は高く、空屋敷で山ン本が捕らえられた際には一鬼さえも子供扱いして圧倒した。 神野の「空屋敷」で、白面への総攻撃を中止するかどうかの賭け試合として雷信、かがり、とらと決闘するが、実は彼らを引きつけておくための囮だった。 仍(なお) 西の鎌鼬の長女。 人間の姿で美しく着飾るのを好む。梟の腕を切り落とした雷信を少なからず気に入るが、その落とした首を欲しがるなど性格はあくまでも残忍。得意技ハサミ状にした鎌で相手を切り裂く「軋り鋏(きしりばさみ)」。自分の強さと美しさに対する自負心が強く、特に同じ女鎌鼬であるかがりに対しては、初戦で自分の頬を傷つけられたこともあって強烈な敵対心を燃やしている。 「空屋敷」での鎌鼬同士の決闘で、かがりと一対一で対決。自分との実力差を見せ付けるために彼女の鎌を折ったが、それを見抜いていたかがりに折れた鎌を逆利用されて切り裂かれ、死亡した。 梟(きょう) 西の鎌鼬の長男。 鎌を腕や脚を中心にしてプロペラのように回転させる「捲刃(けんじん)」を得意技とする。タバコが好きでいつも咥えている。かがりを気に入って自分のものにしようとしたが、拒絶された。 「空屋敷」での決闘で仍を倒した直後のかがりを捕らえるも、倒れたと思われていた雷信が息を吹き返したのを見て対決。極限まで集中した雷信の速さの前に鎌を出すこともできず敗れる。 杳(よう) 西の鎌鼬の次男。 三日月のような鎌を体表から飛ばして敵を切り裂く技(名称不明)を得意とする。容姿は十郎に似ているが内面は似ても似つかず、人間を切り刻んで殺すことをこよなく愛する猟奇殺人者のような性格で、残虐性にかけては兄や姉をも上回る。 「空屋敷」での決闘前に十郎を侮辱したため、真っ先に標的にされかがりに切り裂かれた。西の鎌鼬の中で最初の死亡者。 間鎚(まづち) 神野が白面との戦いの切り札として用意した結界自在妖。1体で270体の妖を封じる結界を張ることができる。

うしおととらのその他の妖怪

魚妖・虫怪(ぎょよう・ちゅうかい) 宙を漂う小妖怪。普段は無害な存在と思われるが、地下から漏れ出したとらの妖気の影響で凶暴化。集合して蛇のような姿の巨大妖怪になり、潮の家を訪ねてきた麻子、真由子を襲った。潮が槍を手にして最初に退治した妖怪である。 石喰い(いしくい) 人間を石に変えて喰う妖怪。人間が恐怖に苦しみながら石と化すのを眺め、最後はサクサクと喰うのが楽しみ。 潮の学校に運び込まれた侍の石像の中に潜んでいて、学校内に結界を作り麻子、真由子らを襲った。正体は200年生きた双頭の大ムカデだった。急所は左目で、人間の唾に弱い。 後に光覇明宗ハマー博士達により石の鎧の部分が復元され、白面との最終決戦に向かう潮の防具として使用された。 鬼(おに) 強い恨みなどの妄執を抱いて死んでいった人間の魂が、死後に鬼となる。物語に登場する鬼は羽生道雄画伯の魂で、最愛の妻と弟子に裏切られた恨みから鬼と化した。 唯一愛する娘の礼子にとりつき、彼女に近づく人間に次々と災厄をもたらしたが、潮の獣の槍によって邪念を取り払われ、優しい父の心を取り戻して消え去った。また、白面の者との最終決戦において重要なウェイトを占めることになる。 飛頭蛮(ひとうばん) 祖父と兄弟、妻、娘の一族で中国から来た妖怪。首だけの姿で空を飛び、人間を喰う。日本では「餓眠様(がみんさま)」と呼ばれていた。 日崎御角によって明治時代に封印されたが、封印に用いた石が工事によって取り除かれたために復活。日崎御角に復讐しようと街を探し、彼女に容姿が似ている女性を次々と虐殺した。そしてデパートにて御角に瓜二つの真由子を襲った。しかし、槍の声を聞いて駆けつけた潮と、たまたま街に出て真由子に目をつけたとらによって退治される。 とらには割と簡単に倒されていたが、お役目様であった日崎御角の力でも退治には至らず、一度は獣の槍を持った潮にも勝っていることから、相当強い妖怪であったと推測される。 尚、とらはこの戦いの後に人生(?)初となるハンバーガーを食している。 虎人(こじん) 中国・九龍に棲む半人半虎の妖怪。普段は人間の姿で裏社会に潜伏しているが、よく見ると足に踵がない(犬や兎の後肢のように爪先立ちの足という意味)ので見分けがつく。人を殺しすぎるとして裏社会の実力者が?に抹殺を依頼した。 人間に化ける以外にこれといった能力はないが、敵わないと見るや?に取り引きをもちかけ命乞いをするなど、裏社会に溶け込んでいるだけあって狡猾な面を持つ。一時は見逃されそうになったが、子供を喰っていたことが発覚したため、激怒した?に結局退治された。 あやかし 海蛇やナマコに似た姿の巨大妖怪。海で死んだ人の魂の集合体で、さらなる魂を取り込むために船などを襲う。 体表は硬い上に油に包まれており、獣の槍やとらの雷なども通用しない。また体内は異空間になっていて、飲み込んだ船などを奥にある顔が貪り食う。 麻子と少年タツヤの乗ったボートを飲み込んでしまったが、危機を察知してやってきた潮ととらによって内部から切り裂かれ、取り込まれた魂も解放された。後に白面の分身(尾の一つ)として、復活する。 海座頭(うみざとう) 琵琶法師の姿をした妖怪で、海の妖怪の元締め役。水のある場所ならどこでも現れることができるらしい。 海を荒らすあやかしに手を焼き、尊敬するとらに助けを求めた。 海の底で白面の前に立ちはだかるお役目様須磨子)を妖怪たちの中でも特に憎んでおり、彼の発言で潮は母親の生存を知った。 なお、後に事情を知ったためか最終決戦時には和解し、結界の中心となっていた須磨子真由子を黒炎たちから守って戦った。 針の変化 長い首と一つ目を持つ頭だけの姿をした三体の妖怪。夜になると現れ、人々を襲っていた。 光覇明宗から派遣されて来た紫暮の説得にも応じず、彼に襲い掛かるが、あっさりと退治された。 衾(ふすま) はるか上空を飛ぶ巨大な妖怪。人間が好物で、時おり飛行機を襲っていた。お歯黒の歯と炎が弱点。 潮の乗る北海道行きの飛行機を狙ってとりつくが、獣の槍によって飛行機から切り離されたところへF-15戦闘機から空対空ミサイルを受けて焼き尽くされた(ただし、実際にはAIM-9サイドワインダーにもAAM-3にもこれほど炎上させる炸薬はない)。 とらを退散させたこともあるほどの強者だが、白面の者に対しては「会わずに死ねた」と幸運に思うほど恐れていたらしい。 川カッパ 巨体を持つ河童の一種。大きな手を持ち、その指先がさらに手になっているのが特徴で、通常より多い手を使った飛礫(礫=小石)で攻撃する。200年生きてきて住処の川の主を気取っていた。 20年ほど前より自分が棲む川を埋め立てようとする人間を殺してきたが、光覇明宗の依頼を受けてやってきた凶羅に退治された。 鎌鼬(かまいたち) 尾に鎌が付いた獣の姿をした妖怪で、体表の任意の場所から鋭利な刃物を出すことができる。常に三体の兄弟が一組で行動し、一番手が相手を転ばせ、二番手が斬り、三番手が傷薬を塗って傷を治すという。 人間に化けることができ、ほとんど登場する時は人間の姿をとっているが、怒りなどで興奮すると目の色が変わる。 とら曰く「鎌鼬の鎌は鋭すぎる。だから刺されても大して痛くもねえ」というほど鎌は鋭いようだ。 詳しくは東の鎌鼬、西の鎌鼬を参照。 オマモリサマ 小夜の一族に世話をされてきたザシキワラシザシキワラシのいる家は幸運がもたらされるという力を持つが故に鷹取小夜の住む鷹取家に押し込められていた。 潮ととらに解放され、それからは小夜の側について彼女を守っている。 最終決戦においては自身も炎を出して戦い、小夜を死なせない為に死後の世界への扉を内側から閉めるため自ら入っていった。 河童(かっぱ) 遠野の沼に棲む河童。人間にいたずらをして一度懲らしめられて以来、もう悪さはしないという約束を守っている。 母親のことで妖怪たちに襲われて傷ついた潮に薬を塗って治療した。臆病だが優しい性格の妖怪である。 雲外鏡(うんがいきょう) 一つ目の顔と手足のついた鏡の姿の妖怪。遠野の妖怪からは「雲外鏡のおんじ」と呼ばれる。 世界中のあらゆる鏡と繋がっていて、人や妖怪を短時間だけ鏡の中へ送ることもできる。ちなみにその時間は「湯が水に変わる時間(15分程度)」とのこと。 鏡魔(きょうま) 真由子の父が持ち帰った中国の古い鏡に取りついていた妖怪で、ある男が女への怨念を呪法にして鏡に込めたもの。 真由子を鏡の中に引きずり込んだが、雲外鏡の助けで鏡の中に入ってきた潮ととらに倒され、鏡も真っ二つになった。 なまはげ 鬼の面をかぶり包丁を持った「なまはげ」の姿をした妖怪で、正体は猿の変化。人間に化けるために少女を狙って食い殺し、皮を剥いでいた。 小猿のとき人間の少女に飼われていたことがあり、そのときに貰った鈴を首につけている。人間に化けようとした理由も、元はその少女の「友達が欲しい」という願いを受けてのことだったようだが、既にそのことを忘れており、ついには成長した少女の幼い娘をさらい、その皮を奪おうとした。 最後には自分の皮まで剥ぎ、執念深く娘を付け狙ったが獣の槍に貫かれ、"何故人間になりたかったのか"を最期の最後に疑問に思いながら渇いて消滅した。 幽霊船勇雪丸(ゆうせつまる) その昔、事故によって沈没した船「勇雪丸」の乗組員たちの魂の集合体。 生き残った船員の後悔によって成仏できず、海上を漂流していたところを妖怪ミコンジキに囚われていた。青函連絡船洞爺丸モデルとされる。 ミコンジキ 海で成仏できずに彷徨う魂を餌食とする妖怪。幽霊船勇雪丸を捕らえ、内部に棲みついていた。 不気味な姿をしているものの大した力はないらしく、伏戸船長の導きで現れた潮ととらによって、あっさりと滅ぼされた。 シュムナ 霧状の体を持ち、中に入った者を溶かして吸収する妖怪。火を嫌うが滅ぼすことは難しく、北海道の戦いでは獣の槍も通用しなかった。 冥界の門に吸い込まれてこの世から葬り去られたが、後に白面の者の尾の一つとして復活する。 時逆、時順(ときさか、ときじゅん) ジエメイに仕える二体一組の妖。その名の通り、時逆は時間を遡り、時順は未来へ進む。 獣の槍誕生から終焉までを見届ける。 朝霧(あさぎり) 人間を憎む雪女。雪を集めて作った娘の垂(しずり)に命じ、札幌全域を氷雪で覆い尽くそうとしていた。北国においてその力は強大で、口からは凍てつく冷気を吹き付け、銀竹(ぎんちく)、垂氷(たるひ)と呼ぶ鋭利な氷柱を操るなど、獣の槍を持った潮をも苦戦させる。 かつては正体を隠して人間の男に嫁いでいたが、夫の愛を確かめようと真実を打ち明けた途端に捨てられる。以来、人間を逆恨みするようになった。だが最後には垂とヤスの強い絆を悟り、その姿に若き日の自分を重ねながら、雪女の里に帰っていった。 最終決戦時には雪妖を引き連れ参戦。 垂(しずり) 札幌の時計台に棲む雪娘。母親の命令と人間であるヤスとの許されぬ恋の間に悩み苦しむ。 最後はヤスの腕の中で溶けて消滅するが、それこそが雪女を人間にする為の方法であり、人間として転生し、晴れてヤスと結ばれた(その際髪も白髪だったのが黒く染まっている)。 雪切(ゆきり) 氷塊のような姿をした妖怪。その体は並の武法具を弾き返してしまうほど硬い。 雪原の小屋にいた凶羅を襲うが、逆に穿心角(せんしんかく)の餌食にされて滅ぼされる。 山魚(やまうお) 知能が低く、本能によって地中を巡回する巨大な妖怪。四角く平たい体に無数のトゲのような脚が生えていて、この脚で獲物を突き刺して食い殺す。また、体中を覆う体毛はとらの炎や雷をも防ぐほど硬い。人間が好物で、トンネル工事の人々を襲うこともある。日光を浴びると大爆発を起こす特異な性質を持っている。 青函トンネル北海道帰りの潮、とら、紫暮らが乗るブルートレインにとりつき、乗客たちを貪り喰ったあと潮たちと戦う。さらに潮を狙って列車に乗っていた凶羅と三つ巴の死闘を繰り広げたが、最後はやむなく潮たちと手を組んだ凶羅の技「降魔捨法威颶離」によって列車から引き剥がされ、とらの怒りの一撃を受けて真っ二つに引き裂かれる。そのままトンネルの外に放り出され、日光を浴びて爆破消滅した。 読者の案が採用された妖怪である。 一角(いっかく) オートバイなどの乗り物に取りつき、スピードを喰う妖怪。乗っている人間を操り、暴走させることもある。魚のような姿をしている。 比較的新しい時代に生まれた妖怪だったせいかとらの事を知らず、「ノロマジジイ」などの暴言を吐いて怒らせスピード勝負を挑まれる。最後にはとらが上げていったスピードに身体が耐え切れず崩壊し、スピード勝負に敗北。逆にノロマ呼ばわりされて身も心もボロボロにされたあげく、獣の槍の一撃でとどめを刺されるという悲惨な末路となった。 人膝(じんしつ) 大陸の河に棲んでいたが、白面の者を倒してやると勇んで来た妖怪。当然ながら相手になるはずもなく、尾一本でバラバラにされて散る。 たゆら、などか 昔から人間に興味を持ち、狙った人間にある質問をして答えられないと食い殺す、ということを繰り返してきた、二体一組の妖怪。 質問をするために誘い出した人間たちの中に真由子がいたため、危機を感じたとらと戦うことになる。 それぞれの詳細は以下を参照。 たゆら 若い男の姿をした妖怪。正体は処刑場に流れる血を吸って成長した蛇の化身で、自分の影の中に無数の「子供たち」(小さな蛇妖)を住まわせている。 戦うときは無数の小さな刃物に姿を変え、などかの周囲を旋回する。これがとらの雷や炎さえも防ぐ障壁となり、一度はとらをも破った。しかし、真由子の作戦によってなどかと分断され、とらと一対一で戦うことになる。 とらを侮って目の前で真由子を愚弄する言葉を吐いたことから逆鱗に触れ、瀕死まで痛めつけられる。命からがら逃げてなどかに救援を求めるも見捨てられ、とどめの雷を浴びて滅ぼされた。 などか 老人の姿をした妖怪。正体はガマの化身で、長く伸びる舌を武器とする。質問に答えられなかった人間に対してはこの舌を耳から差し込み、生きたまま脳をすすって殺す。 とらがたゆらと戦っている間に真由子を追い詰め、ビルに閉じ込めた多くの人間を人質として質問し、答えられなかった彼女の脳を吸おうとした。だが、すんでのところでとらに止められる。 真由子を舌に絡めたまま戦い、手出しできないとらを苦しめたが、真由子の捨て身の行動で体勢を崩してビルから落下。そのままとらに倒される。そのときの真由子の姿から長年捜し求めてきた問いの答えに到達する、と同時に自分たちの愚かさに初めて気付くのだった。 さとり 生物の心を読む妖怪。姿は人間に近く、人間に化けることもできる。 山奥に住んでいたが、飛行機事故により目を負傷した男の子、柏木実ミノル)と出会い、彼の父親代わりになろうとする。ミノルの目を治したいと願うあまり、人間の目玉を狙って殺戮を繰り返したあげく、目の手術中ミノルを取り返そうとしたため、潮と戦うことになり、悲しい最期を遂げた。 武器は手に持った鎌だけだが、相手の行動を読むことができるので非常に手強い。 さらに、彼も白面の者との最終決戦において潮を手助けすることになる。 カニマジムン 西表島の河に住む凶悪な妖怪。マジムンとは琉球語で「魔物」、「変化」、一部で「神の使い」を意味し、カニマジムンはその名の通り蟹の変化である。 満月の日に人間の赤ん坊を攫って小舟に乗せて喰い殺してしまう。それを邪魔したキジムンと彼らが呼び寄せた潮ととらに逆ギレして襲いかかるが、流石に潮ととらの敵ではなく、バラバラに切り裂かれて滅ぼされた。 キジムン 西表島マングローブの木に住む妖怪。三人登場し、総じて臆病で温和な性格。 カニマジムンの生け贄にされた赤ん坊を見捨てられずに保護し、潮ととらに助けを求めた(なお、潮の事を妖怪だと勘違いしていた)。 見事にカニマジムンを滅ぼした二人の姿に感動し、最終決戦時にも参戦している。 鳥妖(ちょうよう) かつて人間に調伏(退治)されかかっていたところを、とらに助けられたという妖怪。 潮に強要されてかがりと買い物に出たとらを見つけ、礼を告げていった。容姿は人間の女性に近いが、足は鳥の脚に、腕は翼になっている。なかなかの美女で、とらと一緒にいたかがりは心中穏やかでなかった様子である。 なお、調伏の現場をたまたま通りかったとらを見て人間が逃げ出した、というのが真相らしく、とら自身が意図して助けたわけではなかった。 お外堂さん(おげどうさん) 香川県、設楽の里に祀られている妖怪。箱の中に住み、姿は不定形で犬のような顔がいくつも付いている。 修練を積んだ「外堂使い」と呼ばれる人間に使役され、彼らが唱える「呪禁歌(じゅごんのうた)」によってその力を強めたり弱めたりもする。 はぐれ外堂(はぐれげどう) 外堂使いの設楽水乃緒が探す標的で、人間を逆に操って悪事をはたらくようになった「お外堂さん」。 戦中の混乱のなか、ある外堂使いの女性によって東京に持ち込まれ、彼女の死後何十年ものあいだ持ち主を転々とする。宿主には他人への妬みを強く持つ人間を好み、彼らの悪意を吸収することで次第に知恵を付けていった。長年にわたって人の悪意にさらされたせいか、その姿は元の「お外堂さん」とはかけ離れた黒く禍々しいものに変貌している。 不定形の体を利用して自身を分割し、複数の人間に同時に取り憑くこともできる。潮の学校では英語教師の三井らに取り憑いて混乱をもたらしたが、真の目的は獣の槍を持つ潮にとりつき、全ての妖怪の頂点に立つことだった。その狙いを知った潮はあえて自らの身体に侵入させ、自分ごと獣の槍で貫いて攻撃。たまらず飛び出した「はぐれ外堂」は水乃緒の「お外堂さん」に食い尽くされて滅ぼされる。一時は潮の精神を支配することに成功するかに見えたが、調子に乗って何気なく発した一言が彼の逆鱗に触れ、敗因となった。 バルトアンデルス ヨーロッパの古城に住む妖怪。人間などに姿を変えることができる。「白面の者」打倒のために作られた組織「ハマー」に囚われ、日本に連れて来られた。 後に麻子に救出され、「お姉ちゃん」と麻子を慕うようになる。一時は研究所で暴れる白面の分身に取り込まれるも潮に助けられ、ヨーロッパに帰っていった。 変身できるだけの大人しい妖怪だと思われたが、最終決戦時には麻子を助けるために仲間を引き連れて日本に現れ、周囲の黒炎を一掃するという意外な強者ぶりを発揮した。 狒狒(ひひ) 群れをなして人間を襲う猿の妖怪。「しっぺい太郎」という犬を恐れる。 白髭(しろひげ) 狒狒たちの頭領で、白い毛に覆われている。特殊な能力はないが高い知能と素早い身のこなしを持つ強敵で、一度はキリオ、九印さえも退けた。 真由子の親戚の少女を狙い、身代わりとなった真由子を助けようとやってきたキリオ、九印と再戦。再び彼らを苦しめ、とどめを刺す寸前まで追い込むも、「お役目様」としての力の片鱗を発揮し始めた真由子の結界で動きを止められ、その隙を突かれてキリオの鎌に切り裂かれて敗れた。 魏(ギ) 人間の心を読み、姿を変えて惑わすことを得意とする妖怪。 中国・九龍を住みかとしていたが、九龍が取り壊されるにともない、肥え太った人間を狙って日本へ渡る。しかしこれを知ったある華僑に依頼され、?に追跡されることになる。精神的に未熟な潮では倒せなかったが、情を捨て去った?にはまやかしも通用せず退治された。 暴(ボ) 魏の弟分で、大きな口を持つ獣のような妖怪。 知能は低いが力は強く、獣の槍を持った潮の攻撃も弾き返した。最後は熟練した?の戦術に翻弄され、体中に呪符を貼られて退治された。 華鎚(かづち) 東西の妖の協力により、間鎚と華乃狐を合わせて作られた結界自在妖。最終決戦では白面を閉じ込める結界を作り出す主力として活躍する。 火の兄(ひのえ) 東西の妖怪達が合体して誕生した巨大な剛妖。最終決戦の際に出現し、白面に戦いを挑もうとしたが白面に一度惨敗している神野の記憶がかすかによみがえり、攻撃を中止しようとするも山ン本が受け入れず決裂。東西二体に分離、争っていたところを白面に攻撃されて敗れる。 後に再度合体し白面に挑むも光覇明宗の結界にぶつけられ、敗北する。

うしおととらの外伝の妖怪

窮奇 ?山に住む妖怪。桃花源の人間を喰おうと狙っている。浄眼が開いた?によって倒される。 偽のとら とら(当時は長飛丸)の名と姿を騙って仲間を集め暴れていた妖怪。本物には敵うはずもなく捻り潰された。 化け猫 伊万里に出没。市内の陶磁器業者の社長が自宅改築の際、古い祠と中にあった壷を壊してしまったことで恨みを買い、5年間も社長の娘の命を狙い続けた。2匹が存在し、片方は須磨子がくい止め、もう片方は紫暮の巍四裏で倒された。 穴ボコさん(あなぼこさん) 妹へのクリスマスプレゼントを買うお金に困っていた少年・信太が「ある公園の穴にお金を落とすと百倍になる」という噂を半信半疑で試したところ、現れた妖怪。 噂どおり落としたお金を百倍にして大きな口から吐き出したが、引き換えに彼を喰おうと襲い掛かる。だが、たまたま近くを通りがかった潮に退治された。 ここのつ 草太郎の故郷の山を縄張りとし、ふもとの村に娘の生贄を要求していた妖怪。蛇の体に2本の腕と、名前の通り9つの頭を持つ。生贄として差し出された草太郎幼馴染のみさをを喰おうとしたが、とらの攻撃でみさをを手放し、草太郎の斬撃で倒される。

うしおととらの妖怪以外の存在

妖怪とは分類が異なる神や人造生命など。

サンピタラカムイ 北海道土地神洞爺湖に蔓延るオヤウカムイの退治を潮達に依頼する。 自身もかつてオヤウカムイを蹴り飛ばした程強いのだが、その際に有珠山を噴火させてしまい、人間達の安全を考えて手出しが出来なかった。 土地神の中でも上位にいるらしく、最終決戦時には土地神達を引き連れて参戦した。 オヤウカムイ 洞爺湖に住み着いた悪神。自身を封印したサンピタラカムイに復讐する為、再び暴れだした。 両端に単眼の頭を持ち、18枚の刃状の翼を持つ蛇の姿をしている。神だけあって翼でとらを真っ二つにし、獣の槍をも欠けさせるなど圧倒的な強さを見せつけたが、神酒を飲んだ香上、片山の矢の一撃で両目を潰され、同じく神酒にて復活したとらと封印の布の一部を破った獣の槍にて真っ二つに切り裂かれ、完全に滅ぼされた。 とら曰く、「ヘビジジイ」。 畜生からくり 江戸時代の人形職人・便七(べんしち)に作られたからくり人形で、若い女性の心臓を動力とする。 自らの意思を持って動き、新しい心臓を手に入れるために次々と女性を襲う。麻子と真由子の活躍で破壊された。 吸血鬼(きゅうけつき) ヨーロッパからやってきた吸血鬼。かつては詩人で、いつも自作の詩の一節を口ずさんでいる。血を求めて日本各地を転々としており、北海道では街医者となって教会の地下にアジトを作っていた。 吸血によって人間をしもべとするほか、身体の一部を狼やコウモリなどに変えたり、額から念力を放射して相手を吹き飛ばす事が出来る。霧となってあらゆる攻撃を防いだりもする。吸血鬼の宿命として太陽光十字架が弱点。また変身した動物は霧になれない。心臓に杭を打ち込まれると灰と化す。 ある母子家庭の親子を狙ったが、依頼を受けて吸血鬼を追ってきた?と、偶然同じ親子を狙っていたとらと対決し敗れる。その際は心のどこかで死を望んでいたのか、?に対して「ありがとうよ」と呟き、笑みを浮かべながら安らかに消滅した。 蛭蟲(ひるこ) 杜綱悟が使役する式神のひとつ。巨大な蛭のような姿をしている。 空骸(うつむくろ) これも杜綱悟の式神で、「強くなりたい」と願う潮への試練として呼び出された。 出現時は大きな蜘蛛で、それが吐き出す糸の上に乗ると、中から剣を構えた骸骨が現れて相手と対峙する。この骸骨に打ち勝った者は、戦いにおいて最も重要な心の集中を会得することができる。ただし、この試練はまさに自らの命を懸けて行うものであり、死法と呼ばれる。 ゴーレム 西洋の魔道にある、自ら動く巨大な土人形。引狭の館の番兵で、斗和子は「木偶(でく)」と呼ぶ。 おもな武器は怪力と口から吐き出す振動波で、秋葉流と日輪でも手に負えなかったほどの強敵。弱点は額に書かれた「emeth(生命)」という文字で、頭のeを削って「meth(塵)」にすると文字通り塵と化すという。 獣の槍を取り戻した潮によって、eどころか頭部全体を粉砕されて崩れ去った。 マテリア 引狭が強力な武法具エレザールの鎌)と合わせて作り出そうとしていた目標で、武法具の使い手となるべき人間。 引狭の構想では、生まれつき強力な法力を持つ人造人間として一から生成する予定だったがうまくいかず、斗和子がさらってきた赤ん坊に改造を施すことでようやく完成した。すなわちキリオの誕生である。

うしおととらのホムンクルス

西洋の魔術により人間の精子から造られた人造生命。法力僧・引狭がキリオを守護させるために造った。九印以外は引狭の館にいる。

なお、九印を見る限り、妖怪と同じく一般人に姿は見えないらしい。

九印(くいん) 引狭が作り上げた最初の成功作にして、完全無欠のホムンクルス。機械のように正確な分析力を持つ頭脳に加えて、伸縮自在の爪、気を固めて肩から発射する「カノン」、あらゆる攻撃を逸らす「黄金の霧(ゴールドミスト)」など、多彩な武器を持つ。 キリオを守るという使命を忠実に実行する従者で、そのためには自身がどれだけ傷つこうとも意に介さない。 くらぎが光覇明宗総本山を攻撃したとき、戦おうとするとらを足止めし、翻弄する。次は引狭の館で槍を破壊しようとするキリオを止めにきた潮ととらの前に現れ、妨害。最初は有利に戦闘をはこぶが、本気を出したとらの頭突きを受けて大ダメージを負い、キリオのもとへ撤退する。 最終決戦にキリオとともに参戦し、結界の中心にいる真由子たちを無数の黒炎から守って戦うが、黒炎の集中攻撃を浴び、炎に包まれながら崩れ落ちていった。 ヴィタエ418、ヴィタエ427 2体で行動するホムンクルスで、姿は九印に似ている。引狭の館で流・とらと戦う。攻撃を反射する鏡を手に持っているが、実は耐久力に限界があるという弱点を持つ。最初はとらの炎や雷を跳ね返して優勢に立つも、相手の弱点を見抜き死角をつく流の戦略が加わったことにより撃破された。 メイ・ホー 普段は引狭の書斎を掃除している。外見は家政婦然とした少女だが、正体は液状の体を持つホムンクルス。人間の体内に侵入して操ったり、体の一部を刃物状にして斬りつけたりする。 日輪・潮と戦い、日輪の虚をついて体内に侵入。人質として潮を殺そうとするが、攻撃を加えようとしたところを捕まって引きずりだされ、日輪の攻撃を受けて敗れる。 囁く者達(ささやくものたち) 不完全に生成されたため、失敗作として捨てられたホムンクルスたち。人間を見ると妬みと恨みの声を呟きながら襲いかかるためこの名が付いた。 知能も戦闘能力も低いらしく、流ととらを見つけて近づくも、とらの炎の前にあっさりと全滅する。

うしおととらの武具

うしおととらの獣の槍

春秋・戦国期中国大陸、刀剣の匠の家に生まれた兄妹は、両親を白面の者に殺され絶望の底にいた。傍には少年がいたが、交わされる言葉はない。しばらくして、兄は修行先で聞いた逸話を口にする。逸話とは、乙女の身が捧げられて造られた“鐘”が万里に澄んだ音を響かせたというもの。直後、二人の気付かぬ陰から聞いていた妹が、炉に身を捧げた。「よい剣をつくってくださいましね。」と最期の言葉を残して。…絶望と悲しみの中、その鉄塊から兄は“鬼”となって剣を鍛え始めた。しばらくすると兄自身の肉体も剣の柄として変化(へんげ)し、神剣となるはずだった剣に、兄が持つ白面への底知れぬ怨念と憎悪が取り憑いた、一本の“槍”が出来上がった。

そうして出来た“獣の槍”は意思を持ち、どんなに妖(バケモノ)を切り刻んでも刃こぼれせず、錆びもしない。誕生後は獣の槍単体で白面の者を求めて、見境無く大陸の妖を殺し回っていたが、妖達が団結・変化した赤い織布によって、深山に長く封印される。時を経て、一人の人間によって再び解き放たれた後は、様々な人間たちの手を経て現在に至る。

獣の槍は使うものを選び、その者の魂と引き換えに強大な戦闘能力を与える。獣の槍に魂をすべて与えてしまった者のその後は知られていない。その真実は、物語終盤に明らかになる。

槍に選ばれた人間が手にして戦うと、槍は使用者に囁きかけ、魂と引換えに妖を滅させる力を与えるために使用者の身体能力は著しく向上する。また使用者は髪が異様に伸びた外見となり(戦い終えると途中から切れて元の長さに戻る)、その姿では治癒能力は異常とも言える程向上、加えてこの状態は妖怪と同じ存在と 化している。但し魂が削られ過ぎると治りは次第に遅くなっていき、また外見も少しずつ異形になっていく。これらの変化は、選ばれていない者が槍を手にして戦っても一切表れない。変化した際には、蓄積された槍の使用者達の戦いの記憶と経験を、現在の使用者が瞬時に自らのものとして戦う事が可能となっている。

獣の槍の外見は通常我々が思い浮かべる「槍」と比べると、柄に比べて刃の部分が広く大きく、槍の穂先というよりは短めの諸刃の直刀のようである。これは上記のようにもともとが刀剣であったためである。

潮が手にした時点では槍の柄の先端、刃の根元付近にぼろぼろの赤布が少し巻き付いていた。この布は封印された時の赤い織布が千切れた物であり、完全にとはいかないまでも獣の槍の力を封じる力が残っている。そのため、この布を取り除く事によって、獣の槍の力は一層強くなるが、それに比例して魂の削られる量も増大するため、使用者の余命を縮める事になる。作品の中盤で潮自らが布を半分引き千切り、力を倍増させたことがある。終幕の戦いでは獣の槍が一度粉砕され、とらの身体を通じて再生されたのちに、覚悟を決めた潮が赤布をすべて取り去り全ての力を解放した。

槍の柄には文字(漢字)が彫り込まれている。擦り減っている為よく読めないが、この文字の内容は後ほど明らかになる。

うしおととらのエレザールの鎌

引狭が作り上げた最強の武法具。製作に際しては何度も失敗が続いていたが、斗和子の助言により完成を見た。刃に亜鉛を加え、柄には白木を通してある。これは斗和子曰く12世紀の学者ボルムス・エレザールが考案した方法とのこと。軽さ、法力の増幅、威力どれも優れているが、絶大な戦闘力を持つのは霧雄が持っている一本だけであり、囁く者達の家に大量に保管されていたものと、霧雄に従った若い僧たちの持っていたものは、従来の武法具と大差ない威力の代物であった。

うしおととらの武法具

錫杖 光覇明宗では最も基本的な武法具。特別な鍛鉄で出来ている。法力をこめて叩く、金属音を発して妖を退ける、雷や炎を捌く、結界の起点にする等、その用途は広い。袖に忍ばせるほど短いものに、伸縮するものや鎖の仕込まれたタイプなど複数の種類が存在する。 穿心角(せんしんかく) 光覇明宗札幌寺院に保管されていた武法具。形状は剣とランスを合わせたような形になっている。引狭の過去のシーンにて名と形が確認できることから、彼の指揮の元で作られた武法具のようである。威力こそ凄まじいものの、引き換えに使い手の法力を極限まで吸い取るため、鍛錬不足の法力僧では精神に失調をきたす恐れがある。潮への復讐に燃える凶羅が強奪し、以降彼の得物となった。 千宝輪(せんぽうりん) 法輪の形をした投擲武器。紫暮や凶羅が使用した。8本の鋭く長い棘が仕込まれている。 独鈷(どっこ) 独鈷杵三鈷杵……とらとの最後の戦いにおいて、流が使用した。 その他金剛杵……婢妖バスからの乗客救出や、ヴィタエ418・427戦で使用。結界を作るため地面に打ち込まれることが多かった。

うしおととらの章タイトル一覧

序章「うしおとらとであうの縁」

第一章「石喰い」 其ノ壱 旧校舎に消ゆ 其ノ弐 獣の槍発揮 其ノ参 百足変化

第二章「絵に棲む鬼」 其ノ壱 礼子 其ノ弐 間崎 其ノ参 鬼 其ノ四 咆哮 其ノ五 礼子像

第三章「とら街へゆく」 其ノ壱 餓眠様 其ノ弐 街の中は危険がいっぱい! 其ノ参 とらと文明あれるぎい 其ノ四 とら推参! 其ノ五 とらの濡れ衣

第四章「符咒師 ?」 其ノ壱 化物を狩る男 其ノ弐 刺客参上! 其ノ参 ?の過去 其ノ四 うしお、なやむ 其ノ五 ?対うしお

第五章「あやかしの海」 其ノ壱 うしおととら海へ 其ノ弐 あやかし 其ノ参 とら・麻子、食われる 其ノ四 あやかしの腹の中 其ノ五 対決!! 其ノ六 魂の果て

第六章「伝承」 其ノ壱 父の秘密 其ノ弐 父の決意 其ノ参 父の決断 其ノ四 旅立

第七章「ヤツは空にいる」 其ノ壱 タキシング 其ノ弐 テイク オフ 其ノ参 フライト 其ノ四 メイデイ 其ノ五 アプローチ 其ノ六 ランディング

第八章「法力外道」 其ノ壱 凶羅 其ノ弐 初撃 其ノ参 反撃 其ノ四 破撃

第九章「風狂い」 其ノ壱 うしお、妖怪に頼みごとをされる 其ノ弐 とらは災難に遭い、うしおは妖怪と闘う 其ノ参 とらとうしおは十郎を追いかける 其ノ四 うしおは立ちつくし、風は空に舞う

第十章「童のいる家」 其ノ壱 鷹取の小夜 其ノ弐 封じこめの間 其ノ参 童舞

第十一章「一撃の鏡」

第十二章「遠野妖怪戦道行」 其ノ壱 うしお、妖怪どもに襲撃さる 其ノ弐 妖怪ども相話す 其ノ参 妖怪ども女を憎む 其ノ四 妖怪どもうしお追撃す 其ノ五 妖怪どもとらと相まみえる 其ノ六 妖怪ども「白面の者」と闘うこと 其ノ七 妖怪ども、とらと一鬼の決戦をみる

第十三章「おまえは其処で乾いてゆけ」 其ノ壱 包丁を持った死 其ノ弐 史代と詩織 其ノ参 鬼面の下 其ノ四 三角の塔へ 其ノ五 おまえはそこでかわいてゆけ

第十四章「鎮魂海峡

第十五章「汝 歪んだ夜よりきたる」 其ノ壱 男 其ノ弐 夜 其ノ参 三日月 其ノ四 夜に還れ

第十六章「湖の護り神」 其ノ壱 香上・片山・歩、受難 其ノ弐 土地神様と蛇神 其ノ参 神酒を飲む 其ノ四 槍の封印 其ノ五 湖の護り神

第十七章「霧がくる」 其ノ壱 霧の道 其ノ弐 霧からの脱出 其ノ参 霧の追跡 其ノ四 冥界の門 其ノ五 霧の疾走 其ノ六 まっすぐに立ってるか

第十八章「婢妖追跡?伝承者」 其ノ壱 関守日輪(1) 婢妖放たる 其ノ弐 関守日輪(2) 「獣の槍」発見さる 其ノ参 関守日輪(3) 槍の伝承者 其ノ四 秋葉流(1) バイクに乗った伝承者 其ノ五 秋葉流(2) 妖 其ノ六 秋葉流(3) 婢妖のバス 其ノ七 秋葉流(4) 激走停止

第十九章「畜生からくり」 其ノ壱 麻子真由子 前編 其ノ弐 麻子真由子 中編 其ノ参 麻子真由子 後編

第二十章「追撃の交差?伝承者」 其ノ壱 杜綱悟(1) 伝承者の攻撃 其ノ弐 杜綱悟(2) 式神の撃退 其ノ参 杜綱悟(3) 過去の疵 其ノ四 杜綱悟(4) 悟めざめる 其ノ五 杜綱悟(5) うしお体内へ 其ノ六 杜綱悟(6) 体内鳴動 其ノ七 杜綱悟(7) 頭脳への侵攻 其ノ八 杜綱悟(8) 血袴の哄笑 其ノ九 杜綱悟(9) 網膜に映る一撃 其ノ拾 杜綱悟(10) 望んだ数だけ

第二十一章「変貌」 其ノ壱 通達 其ノ弐 行動 其ノ参 カムイコタンへ 其ノ四 婢妖襲来 其ノ五 遭遇 其ノ六 礼子・小夜 其ノ七 日輪・純・勇 其ノ八 洞へ?真由子 其ノ九 真由子・とら 其ノ拾 麻子 其ノ拾壱 反撃?麻子 其ノ拾弐 復活?そしてついに

第二十二章「時逆の妖」 其ノ壱 洞の妖 其ノ弐 時さかのぼりて 其ノ参 二千三百年の記憶 其ノ四 神剣をつくる 其ノ五 白面の妖 其ノ六 暗冥へ… 其ノ七 獣の槍の妖 其ノ八 導きの妖 其ノ九 妖、帰還す

第二十三章「暁に雪消え果てず」 其ノ壱 雪込めの街 其ノ弐 雪娘 其ノ参 佐久間 其ノ四 涙凍りつき 其ノ五 とら帰る 其ノ六 暁に雪消え果てず

第二十四章「獣の槍を手放す潮」 其ノ壱 うしお絶対のピンチか!?

第二十五章「時限鉄道」 其ノ壱 進行 其ノ弐 突入 其ノ参 三十二分前 其ノ四 十八分前 其ノ五 十三分前 其ノ六 十分前 其ノ七 六分前 其ノ八 通過直前 其ノ九 トンネル通過 其ノ拾 線路は続くよ

第二十六章「HIGH SPEED EATER」 其ノ壱 THE FIRST ?始まり? 其ノ弐 BIKER ?バイカー? 其ノ参 ATTACK ?攻撃? 其ノ四 IGNITION ?点火? 其ノ五 BATTLE ?戦闘? 其ノ六 OVER DRIVE ?オーバードライブ?

第二十七章「四人目のキリオ」 其ノ壱 白面胎動 其ノ弐 本山の危機 其ノ参 お役目様 其ノ四 "くらぎ"との戦い 其ノ五 参ります、初代様 其ノ六 うしおからキリオ

第二十八章「檄召?獣の槍破壊のこと」 其ノ壱 長飛丸とら 其ノ弐 式神使い・杜綱悟、心術・純 其ノ参 空骸の糸 其ノ四 赤い織布 其ノ五 獣の槍強奪 其ノ六 囁く者達の家 其ノ七 流ととら(1) 其ノ八 流ととら(2) 其ノ九 日輪とうしお(1) 其ノ拾 日輪とうしお(2) 其ノ拾壱 引狭の日記 其ノ拾弐 マテリア 其ノ拾参 九印対とら 其ノ拾四 獣の槍破壊 其ノ拾五 斗和子化身 其ノ拾六 嘲笑の家 其ノ拾七 獣の槍鳴動 其ノ拾八 激越 其ノ拾九 砕魔砕神 其ノ弐拾 永劫の孤独 其ノ弐拾壱 檄召?失敗のこと

第二十九章「麻子の運動会

第三十章「愚か者は宴に集う」 其ノ壱 宴への招待状 其ノ弐 変化す 其ノ参 戦闘真由子 其ノ四 たゆら・などか 其ノ五 戯れ事 其ノ六 泥と帽子 其ノ七 真由子走る 其ノ八 真由子ととら

第三十一章「ブランコをこいだ日」 其ノ壱 ミノル 其ノ弐 悪夢 其ノ参 さとり 其ノ四 手術前日?当日 其ノ五 ブランコをこいだ日

第三十二章「うしおととらの一年事始め」

第三十三章「外堂の印」 其ノ壱 四国から来たる 其ノ弐 外堂発現 其ノ参 水乃緒 其ノ四 憑依 其ノ五 当惑 其ノ六 女外堂 其ノ七 水乃緒乱舞 其ノ八 本体 其ノ九 激震校舎 其ノ拾 外堂憑く 其ノ拾壱 外堂帰りぬ

第三十四章「西の国・妖大戦」 其ノ壱 西の長 其ノ弐 遠野妖 其ノ参 妖たち 其ノ四 戦始まる 其ノ五 蛇妖・一鬼 其ノ六 鎌鼬雷信・かがり 其ノ七 雷獣とら 其ノ八 うしお・威吹 其ノ九 神野対潮 其ノ拾 賭試合 其ノ拾壱 東の鎌鼬・西の鎌鼬 其ノ拾弐 妖刃煌く 其ノ拾参 かがり進みて 其ノ拾四 瞬斬 其ノ拾五 奸計 其ノ拾六 イズナの1秒 其ノ拾七 空屋敷脱出 其ノ拾八 一斉進行 其ノ拾九 西の妖総攻撃 其ノ弐拾 白面の者の反撃 其ノ弐拾壱 白面の記憶 其ノ弐拾弐 獣の槍絶叫 其ノ弐拾参 二力相爆 其ノ弐拾四 退戦 其ノ弐拾五 嵐の彼方 其ノ弐拾六 戦一時終結

第三十五章「満月」

第三十六章「かがりととらおつかいに」

第三十七章「TATARI BREAKER」 其ノ壱 KIDNAPPING ?誘拐? 其ノ弐 H・A・M・M・R ?ハマー機関? 其ノ参 THUNDER METHAMORPHOSE ?雷妖? 其ノ四 EXAMINATION ?調査? 其ノ五 BALDANDERS ?バルトアンデルス? 其ノ六 EMERGENCY ?緊急事態? 其ノ七 CRITICAL CONDITIN ?危険状態? 其ノ八 DEATH FLOOR ?死の階? 其ノ九 THE KIRLIAN MACHINE OPERATERS ?キルリアン機操作者? 其ノ拾 CLASH AND DESTROY ?衝突・破壊? 其ノ拾壱 TATARI BREAKER? 祟り打ち砕く者?

第三十八章「あの眸は空を映していた」 其ノ壱 白羽 其ノ弐 犬 其ノ参 しっぺい太郎

第三十九章「業鬼」 前編・後編

第四十章「記録者の独白」

第四十一章「獣群復活」 其ノ壱 復活 其ノ弐 集合過程 其ノ参 出現 其ノ四 字伏 其ノ五 紅煉 其ノ六 怨 其ノ七 漆黒の群れ

第四十二章「三日月の夜」

第四十三章「風が吹く前」 其ノ壱 日常風景 其ノ弐 風 其ノ参 風が吹く

第四十四章「季節石化」 其ノ壱 総本山 其ノ弐 逆風 其ノ参 拉致・追跡 其ノ四 原因 其ノ五 真由子発現 其ノ六 灼熱の炉へ 其ノ七 つかめなかったもの 其ノ八 炎の中 其ノ九 黒炎 其ノ拾 単妖戦闘 其ノ拾壱 撃砕双妖

第四十五章「雨に現れ、雨に消え」 其ノ壱 去り、消え… 其ノ弐 去り、現れる… 其ノ参 現れ、去る… 其ノ四 現れ、そして現れ… 其ノ五 雨に進み… 其ノ六 手に入れ、失い… 其ノ七 現れ、壊し… 其ノ八 現れ、消す…

第四十六章「不帰の旅」

第四十七章「混沌の海へ」 其ノ壱 沖縄へ 其ノ弐 流、妨害 其ノ参 ハマーからの手紙 其ノ四 麻子、沖縄へ 其ノ五 海へ 其ノ六 流対とら(1) 其ノ七 流対とら(2) 其ノ八 流対とら(3) 其ノ九 海に吹く風

第四十八章「雷鳴の海」 其ノ壱 深淵にて 其ノ弐 母 其ノ参 崩れる岩柱 其ノ四 復活の時 其ノ五 轟音の幕開け 其ノ六 恐怖、報道さる 其ノ七 虐 其ノ八 決裂の時 其ノ九 憎しみの海 其ノ拾 四分二十七秒

第四十九章「獣の槍破壊

第五十章「とら」 其ノ壱 帰還する者 其ノ弐 遠景I 其ノ参 遠景II 其ノ四 遠景III 其ノ五 白面の者誕生 其ノ六 流転が始まる

第五十一章「降下停止、浮上」 其ノ壱 降下停止 其ノ弐 破壊妖 其ノ参 希望 其ノ四 記憶奪回 其ノ五 降下停止、浮上

第五十二章「鳴動天 開門す」 其ノ壱 冥界の門ふたたび 其ノ弐 開門 其ノ参 獣の槍 復活

第五十三章「約束の夜へ」 前編・後編

第五十四章「太陽に 命 どとくまで」 其ノ壱 娘 静かに舞い降りぬ 其ノ弐 最強の悪態 其ノ参 400メートル 其ノ四 旅の意味 其ノ五 太陽

最終章「うしおととら」 其ノ壱 最終局面 其ノ弐 白面の者 其ノ参 うしおととらの縁

うしおととら外伝

妖今昔物語

桃影抄?符咒師・?

里に降る雨

雷の舞

プレゼント

永夜黎明

ECLIPSE 原画集 月と太陽 p159?p177

うしおととらの小説

原作/イラスト 藤田和日郎 文 城池勝幸

VOL.1 「我は冥界に斬り結ぶ」1993年1月20日発行 ISBN 4094400613

VOL.2 「妖美術 アート・オブ・ザ・ダークネス」 1993年8月20日発行 ISBN 4094400621

VOL.3 「風霜に舞うひとひら」 1994年5月20日発行 ISBN 409440063X

VOL.4 「妖病棟」1995年11月1日発行 ISBN 4094400648

うしおととらのその他書籍

うしおととら全集 原画集 月と太陽 1997年5月10日発行 ISBN 409179291X

うしおととら全集 大図鑑 森羅万象 1997年8月10日発行 ISBN 4091792928

うしおととらのアニメ(OVA・DVD)

うしおととらのサブタイトル

第一話 うしお とらとであうの縁

第二話 石喰い・百足変化

第三話 符咒師 ?

第四話 転輪疾走

第五話 餓眠様?とら街へ行く(前編)

第六話 餓眠様?とら街へ行く(後編)

第七話 あやかしの海(前編)

第八話 あやかしの海(後編)

第九話 風狂い(前編)

第十話 風狂い(後編)

コミカル・デフォルメ劇場

うしおととらのキャスト

蒼月潮:佐々木望

とら:大塚周夫

中村麻子天野由梨

井上真由子冬馬由美

蒼月紫暮:青野武

中村米次郷里大輔

中村麻沙子松井摩味(現:摩味)

日崎御角:山崎和佳奈

?:若本規夫

たつや:丸尾知子

石喰い:江川央生

つぶら:塩沢兼人

餓眠様A:岸野幸正

餓眠様B:萩森?子(現:萩森じゅん子)

餓眠様C:山崎和佳奈

餓眠様D:太田真一郎

餓眠様E:置鮎龍太郎

海座頭八奈見乗児

雷信:速水奨

十郎:矢尾一樹

かがり:鶴ひろみ

先生:平野正人

女子生徒A:中村尚子

女子生徒B:南場千恵子

女子生徒C:丸山みゆき

男子生徒加藤謙吾

女の子の父親:小林俊夫

ヤクザA:田中一成

ヤクザB:江川央夫

先生:田中和実

保険の先生:嶋方淳子

生徒:田中宏幸

老人:野本礼三

警官:小林俊夫

作業員:田中一成

麻子の祖父:佐藤正治

麻子の祖母:上村典子

たつやの父:江川央生

よっさん:掛川裕彦

うしおととらのオリジナルサウンドトラック

うしおととら (CD) 1992年 東芝EMI発売 TYCY-5232

うしおととらII (CD) 1992年 東芝EMI発売 TYCY-5247

うしおととらのデジタル化

1994年に小学館から発売されたムック PCエンジン CD-ROMカプセル5 に付属するPCエンジン用CD-ROMに、DUO COMICとして漫画の第一話をデジタル化したものが収録されている。これは漫画から画像を取り込み、OVA版と同じ声優陣によるセリフ・効果音・音楽をつけ、ゲーム機で読む漫画を試みたものである。

うしおととらのゲーム

うしおととら:1993年1月25日、ユタカより発売。スーパーファミコンゲームソフトアクションゲーム

うしおととら:1993年7月9日、ユタカより発売。ファミリーコンピュータゲームソフトロールプレイングゲーム


以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『うしおととら』より
取得日:2008-07-15

うしおととらの関連サイト

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