おおきく振りかぶって (おおきくふりかぶって)は、月刊アフタヌーンにて2003年より連載中のひぐちアサ作の野球漫画。およびそれを原作としたテレビアニメ作品、ゲーム作品。テレビアニメは2007年4月よりTBS・毎日放送 (MBS)他にて放送開始。TBSでは同年9月、それ以外は同年10月に放送終了。
2006年第10回手塚治虫文化賞「新生賞」受賞。2007年第31回講談社漫画賞一般部門受賞。文化庁メディア芸術祭10周年記念企画「日本のメディア芸術100選」マンガ部門に選出。
おお振りの概要
公立高校の新設硬式野球部を舞台に、甲子園優勝を目指す主人公たちの成長を描く。
新入生ばかり10人の無名の野球部が甲子園を目指すという王道を受け継ぐ筋書きながら、 斬新な表現方法により「全く新しいタイプの野球漫画」「描き尽くされたと思われていた野球漫画に新風を吹き込んだ」と評価される。
主人公である投手の弱気で卑屈といったこれまでの野球漫画の主人公においてまず考えられない性格や、メンタルトレーニングなどのスポーツ心理学に焦点をあてていること、ライバル含む各選手の感情の起伏などといったメンタル面に比重を置き表情豊かで繊細な心理描写が見られること、父母会・家庭・応援団の描写や高校の部活動としての日常描写にも試合同様に多くのページが割かれることなどが大きな特徴。
試合描写は、論理的と評されることが多い。一球ごとの細かな読み合いによる心理戦が展開される。主要な試合では途中のイニングを飛ばして描写されることもなく、ほぼすべての打席の結果が分かるのも特徴。配球も詳しく描かれている。
単行本のおまけにはルール解説や実際に高校野球に関する取材をしなければ分からないだろうエピソードなども含まれており、高校野球に関心の薄かった層にも取り付きやすく、年齢性別を問わない広い層に人気がある。
舞台となっている埼玉県立西浦高校は、作者のひぐちアサの母校である埼玉県立浦和西高等学校がモデルで、作中に登場する駅や球場はほぼ現実のものに基づいている。軟式野球部から硬式野球部に変わったことや、グラウンドの風景なども実物にかなり忠実に再現されている。作者自身も頻繁に母校の野球部を訪れ、練習などを長期取材している。ちなみに作品中の部員の掛け声「西浦ーぜ!」も母校の掛け声を、学校名だけ変えて使っている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
おお振りのあらすじ
主人公の三橋廉(みはし れん)は中学時代、祖父の経営する群馬の三星学園野球部でエース投手だったが、チームメイトからは「 ヒイキ でエースをやらせてもらっている」と疎まれ続け、極端に卑屈な暗い性格になってしまう。その暗い思い出を拭うために埼玉の西浦高校へと進学する。
西浦高校には発足したての野球部(正確には軟式が硬式野球部になった)があり、部員は新入生ばかり10人、しかも監督は若い女性という部活だった。部員不足の野球部で三橋はまたもエースを任せられるが……。
個性の強い部員達、しかも肝心のピッチャーは弱気で卑屈……等々、様々な問題を抱えながらも、人間として、そして野球部としての成長を描く。
おお振りの主な登場人物と登場高校
おお振りの西浦高校
西浦高校(にしうらこうこう)は主人公たちが通う埼玉県立の共学私服校。野球部は新設で部員は1年生のみ10名しかいないため、各選手は複数のポジションを担当している。過去に存在した軟式野球部と関係があるらしい。
三橋廉(みはし れん)(声:代永翼) 投手、一塁手。右投左打。背番号1。 1年9組。5月17日生まれ。AB型。身長165cm・体重52kg。家族構成は父・母。 主人公。暗くて卑屈だがマウンドだけは誰にも譲りたくないという、異常なまでのマウンド独占欲を持つ西浦のエースピッチャー。球速・球威はないものの、ストライクゾーンを9分割して投げ分けられる並外れた制球力と、豊富な球種を持っている。 中学時代はそのマウンド独占欲が災いし、経営者の孫であることも手伝って「ヒイキ」でエースをやっていると思われ、叶を除く全チームメイトには嫌われていた。3年間試合に出れば負け続けて途中から瑠里の観戦を拒否し、母に至っては一度も呼ばなかった。 西浦には野球を諦めるつもりで入学した。不合格だった場合は三星の高等部に内部進学するよう言われていた為、必死に勉強をしたという。学業成績はあまり芳しくないが、部内で勉強会を開く等の結果、赤点は回避できている。 自分を「ダメピー」(ダメなピッチャー)だと思い込んでいるのに、それでも投げ続けるマウンドに対する執着ぶりは、阿部や叶には「投手にとって長所」と評され、控え投手の沖に「中毒」と言わしめる。 三星戦を期に「ホントのエース」になる決意をしたものの、当初は「阿部のリードがなければ一つのアウトも取れない」と思っていた。しかし、美丞大狭山戦における阿部の負傷退場を契機に、エースとしての自覚が芽生え始めるなど、徐々にではあるが独り立ちしつつある。 阿部に対しては絶大な信頼をおいて尊敬している反面恐れも抱いている。しかし、阿部にだけ苦労をかけっぱなしではいけないとは思っており、バッテリーとして対等な関係になろうと考えるようになった。 性格は中学時代の罪悪感と自己嫌悪に苛まれたことが大きく影響しており、自己主張や友人を作ることは苦手なようで、人見知りが激しく極端に卑屈でマイナス思考のビビリ屋。他人を嫌う事をしない反面で嫌われる事を非常に怖れ、チームメイト相手の会話でもどもることが多い。一方で、単純で後先を考えない天然な面も有り、田島とはウマが合う。野球、特に投球に関しては頑固で、ここぞという場面でマウンド独占欲と表裏一体の度胸を見せることもある。幼少時はよく泣くがよく笑う子だったらしい。少しでも他人から親切を受けるとその人は「いい人」になる。 球種は、ストレートとは異なる球筋の”まっすぐ”と、変化球が4つ。 ”まっすぐ”は、投球指導を受けていないが故に身に付いた、本来のストレートとは異なる三橋独自の球種。一見遅いだけの普通のストレートにしか見えないが、打者の予想より落ちてこず浮いているように感じるクセ球。初見の打者には大きな武器となるが、元々の球速が遅いため打者が球筋に慣れると簡単に打たれてしまう弱点がある。 今までに使われた変化球はスライダー・シュート・カーブ の3つで、残り1つは不明。 高校入学時の最高球速は101km/hだったが、その球速の遅さと9分割の制球力の正体は全力投球していないからだと百枝に指摘され、その場で投球指導を受けた時は大暴投ながら111km/hを記録。それ以降は体幹を鍛え、10km/hちょっとの緩急差がある普通の”まっすぐ”と全力の”まっすぐ”を投げ分けるようになるが、全力投球は1年夏大会の時点では内外に投げ分けるのが限界で、ストライクを狙ってボールになる事もままある。田島によると全力投球の制球力は並。 本格的に野球を始めたのは中学からで投手一筋だったため、投球以外の技術は総じて低い。打順も投手という事に関係なく常に下位で、百枝は三橋の打撃を戦力として計算していない。しかし中学時代は「ヒイキ」による物とはいえ常に完投し続けていたので持久力はあり、部員の中での1500m走のタイムは田島に次いで速く、柔軟性も高いなど身体能力は低くない。 両親は駆け落ち婚で、小2まではアパート山岸荘(通称・ギシギシ荘)で暮らしていた。祖父が学校経営者だからか実家は裕福なようで自宅も広いが、高校進学時に制服代も交通費も必要ない安上がりな公立校の西浦と三星への内部進学の2択を迫られたためか、本人は「ウチはあまりお金がない」と思っている。 3巻のおまけで、犬が苦手なのを阿部達の手を借りて克服しようとしていた。ゴキブリは平気らしい。 阿部隆也(あべ たかや)(声:中村悠一) 捕手。右投右打。背番号2。 1年7組。12月11日生まれ。O型。170cm・55kg→62.1kg。家族構成は父・母・弟。 副主将。観察眼に優れ、データを基に強気のリードを行う頭脳派捕手。 戸田北というシニアチーム出身で中学2年時にはレギュラーとして関東ベスト16に入った経験が有るが、当時バッテリーを組んでいた榛名元希と信頼関係を築けなかった過去から投手不信に陥る。その為自分のリードに対して首を振られる事を嫌い、三橋と出会った時にも首を振る投手は大嫌いだと発言。しかし、付き合いを重ねていくうちに最初にこのようなことを言ったが為に三橋が考えることを妨げていたと反省し、美丞大狭山戦後に謝罪した。 三橋の”まっすぐ”の正体とコントロールの良さにいち早く気付き、三橋を「理想のエース」というほど高く評価したが、それは「コントロールが良く自己主張しない投手」という程度の意味であり、当初は「自分の言う通りに投げさえすればいい」と思っていた。 しかし、三星戦前に百枝に諭され三橋の並々ならぬ努力に気付き、捕手の役割とは何かを悟る。三橋の才能と努力に惚れ込み、それを生かしてやりたいと考え、三星戦後に捕手として3年間つくすことを決意。 三星戦後はバッテリーとして良い関係を築くべく三橋とのコミュニケーションに励むが、三橋の不明瞭な言動に苛立ち、怒鳴って余計に話をこじれさせてしまう事もしばしば。三橋との関係に問題があることは自覚している。 三橋は現在公式戦で戦力になるチーム唯一の投手で替わりがいないため、三橋の体調管理にもかなり気を遣っている。柔軟から体重管理に至るまで世話を焼いたり、無茶な行動に肝を冷やしたりと、目を離すとオーバーワークしかねない三橋に気苦労が絶えない。 「阿部が受けてくれればいい投手でいられる」と三橋が初めて阿部に対して自らを肯定する言葉を発した際に、3年間怪我せず三橋の球を受け続けると約束する。しかし美丞大狭山戦で本塁クロスプレーの際に、膝を捻挫して靭帯を痛めてしまい負傷退場。選手としての「1年の夏」は他のチームメイトよりも一足早く終わってしまい、三橋との約束もわずか数ヶ月で破ってしまったものの、これが三橋の精神的自立を促すきっかけになった。また、自身が怪我をしたことで、怪我がきっかけでシニアに入ってきた榛名に対する認識も変わりつつある。 性格は短気で怒りっぽいが、繊細で涙脆い面も。投手が絡むとすぐ感情を露にするが、普段は冷静で大人しい。しかし花井を無表情でからかうなど、全く茶目っ気のない人間ではない。グラウンドの外でもゲームプランを考える参謀的存在で、時に監督である百枝にさえも「高1男子の発想か?」と思わせる策略家。チーム内で唯一百枝とほぼ対等に話すことが出来る。 打撃は百枝に「4番でも良かった」と評価されている。しかし、三橋という扱い難い投手をリードする上、他に捕手経験者がおらず、控えの沖と花井も含め投手陣を丸抱えしている状態である事から、負担を軽減する意味で下位を打つことが多い。本人曰く流し打ちは不得意らしい。 捕手としては桐青の河合曰く「性格が悪く捕手向き」で、肩も「1年にしては良い方」。相手チーム全打者に対する配球も簡単に記憶している。しかし、捕手というクロスプレーの多いポジションにしては体重が軽く、桐青戦では相手のスライディングに吹っ飛ばされた。 篠岡と同じ中学校出身であることを他の部員に指摘されるまで忘れていた。しかし、野球に関してはかなりの情報通で、相手高校の控え捕手まで記憶している等、野球部員を覚えるのは得意で趣味でもある。シニア出身ながらボーイズリーグ出身の田島を知っていたのは、弟がボーイズチームに所属しているため。 同じ中学でチームは違うもののシニア出身の栄口を誘い、春休み中から一緒に高校に来てグラウンド整備をしていた。マウンドも阿部が土を盛った物。 初期設定では名前が「伸之介」だったが、実在の選手との混同を避けるために「隆也」に変えたという裏話が3巻のおまけに書かれている。なお、初期設定はその選手が高校の公式戦に出場するよりも更に数年前で、モデル等ではなく全くの偶然。 田島悠一郎(たじま ゆういちろう)(声:下野紘) 三塁手、一塁手、捕手、二塁手。右投左打。背番号5。 1年9組。10月16日生まれ。B型。164cm・53kg。家族構成は曾祖父・曾祖母・祖父・祖母・父・母・兄・義姉・姉・姉・兄。犬・猫・ハムスターを飼っている。 走・攻・守揃った天才プレイヤー。中学時代は関東中から選手が集まる名門ボーイズ「荒川シー・ブリームス」の4番だった。 打順は主に4番。小柄な体格故に本塁打は打てないものの、抜群の動体視力とバットコントロールで打率を稼ぎ、チャンスにも強い。百枝が「間違いなくスター」「素材の次元が違う」と評するほどの野球センスを持つ。 通常の打撃に加えてバントも巧くセーフティバントを決めた際には、偵察していた美丞大狭山高校監督の滝井が「5秒台?(おそらく50m走のタイム)」と驚くほどの俊足でもある。 守備も肩が強く、ライナーを捕れないと見るやグラブを当てて遊撃手が捕りやすいよう軌道修正するなど非常に器用。 他にも相手投手のチームメイトでも気付いてないような細かい癖を見抜きランナーコーチとしてモーションを盗んだ盗塁の指示を出すなど、プレー以外での貢献度も高い。 阿部に続く控え捕手でもあるが高校入学後に始めたポジションである事や、練習試合で組んでいた沖・花井の経験が浅いこともあいまって、配球もまともに考えたことがなく、美丞大狭山戦で負傷した阿部に代わり初めて実戦で三橋とバッテリーを組んだ際には打撃に悪影響を及ぼすほど苦労した。一方で経験が浅いにもかかわらず、阿部より送球は早い。 野球以外のスポーツも万能で、体力測定の記録は校内ランキング総合1位と身体能力も高い。 勉強は三橋同様からっきしだが、野球に関することは周囲も驚くほどの頭の回転と記憶力、集中力を発揮する。しかし打撃に集中するあまりサインの確認を忘れることも。 性格は天然で単純だが、突拍子もない言動で周囲を驚かせる事もしばしばあり、下ネタも照れや躊躇無しに口に出す。阿部が四苦八苦している三橋とのコミュニケーションもすんなりと交わし仲が良く、学校帰りに自分のテリトリーを連れ回している。 5人兄弟の末っ子で、家は4世代からなる大家族。強豪校からもスカウトされたが、過去に倒れたことのある曽祖父が再び倒れるようなことがあってもすぐ駆けつけられるようにするため近所の西浦に進学。三橋同様入学するためにかなり勉強したという。 「ゲンミツ」(厳密)という言葉をたまに使っているが、武蔵野観戦時の阿部とのやり取りで意味を間違えて覚えてしまったらしく、主に「絶対」の意味で使っている。 花井梓(はない あずさ)(声:谷山紀章) 右翼手、中堅手、投手、捕手。右投右打。背番号9。 1年7組。4月28日生まれ。A型。181cm・67kg→69kg。家族構成は祖母・父・母・妹・妹。 主将。打順は主に5番。百枝に「大抵の学校で一軍に入れる」と田島に次ぐNo.2の素材として評価されている。 入学当初は野球部に特にこだわりはなく、「監督が女だから」という理由で入部をやめようとしていた。しかし百枝の実力を目の当たりにし、三橋との3打席勝負(正確には二死後1球目の”まっすぐ”がストライクになったところで中断しており、勝負は付いていない)を経て入部を決めた。 打撃は中学野球部では4番でプルヒッターだったが、高校入学後はセンター返しを心がけている。長打力はあるが勝負弱い面があり、ここ一番という所ではあまり結果を残せていない。同じ4番経験者の田島に対して三星戦では打席で張り合った事もあったが、その後田島の実力を認め、力量差を感じながらも精進している、百枝はより効果的な成長とチーム力の底上げを目論んで、田島へのライバル意識を煽るようなプレッシャーをかけ続けている。 守備は肩が良く、外野手としてのチーム貢献度は高い。阿部が故障して新人戦に間に合わない事から、夏合宿からは第3捕手として捕手の練習も始めた。 沖と共に控え投手でもあるが沖より経験は浅く、公式戦での登板経験は無いとのこと。 中学時代も主将を務めており、面倒見が良くしっかり者で、困っている者の世話を焼かずにはいられない。照れ屋で褒められても素直に喜べない面も。 女性的な名前にコンプレックスがあるのか、人前では母親にも「梓」ではなく「花井」と呼ばせている。 天然パーマのため、坊主にしているらしい。 栄口勇人(さかえぐち ゆうと)(声:鈴木千尋) 二塁手、遊撃手。右投右打。背番号4。 1年1組。6月8日生まれ。O型。169cm・54kg。家族構成は父・姉・弟。母親は他界。 副主将。シニア出身。 打順は主に2番。堅実な犠牲バントでチームへの貢献度は高く、繋ぎ役として百枝の信頼も厚い様子。 人当たりが良く気配りを忘れない。三橋とコミュニケーションを取る事は田島の方が上手いが、バッテリー間の意思疎通の手助けという面では、三橋の通訳をしたりキレそうになる阿部をなだめたりと、両者の立場を考慮して仲裁に入る。花井に副主将に指名された際に頼まれたとおり、内野のまとめ役と言える存在。 心配症でデリケートな面があり、緊張すると神経性の下痢を起こす事もある。高校受験の時も下痢ばかりしていたらしい。 家族仲が良いようで、桐青戦の早朝には出張中の父から応援のメールを貰ったり、姉弟から見送りを受けたりしていた。 阿部と同じ中学でチームは別ながらシニアで面識があったが、3年間別のクラスだったため、高校入試当日まで会話をしたことがなかった。春休み中は阿部に誘われて一緒にグラウンド整備などをしていた。 水谷文貴(みずたに ふみき)(声:角研一郎) 左翼手、三塁手、二塁手、一塁手。右投右打。背番号7。 1年7組。1月4日生まれ。B型。172cm・57kg。家族構成は父・母・姉。 他のレギュラーに比べると基本能力はやや見劣りする。打順は常時下位。 気性は緩やかで弱気な発言をする事もあり、場の空気を読まない気の抜けたリアクションが目立つ。しかし、三橋の不明瞭な主張を拾って皆に呼びかけたり、桐青戦後半で三橋の変調を心配したり、篠岡を気遣ったりする等、よく気が付く面もある。 公式プロフィールを見る限り中学時代は二塁手と外野手を兼任しており、本来は二塁手が本職だったようだが、同じポジションに栄口がおり、逆に外野は花井と泉しかいなかったことから左翼手にコンバートされた模様(西広は初心者のため入部当初はポジション自体決まっていなかった)。 篠岡に対して好意を抱いていると見られる描写がある。 巣山尚治(すやま しょうじ)(声:保村真) 遊撃手、三塁手。右投右打。背番号6。 1年1組。4月6日生まれ。A型。175cm・64kg。家族構成は祖母・父・母・兄・弟。 守備は堅実で打撃も常に3番や5番といったクリーンナップを打つ。試合でも動揺している水谷や栄口を落ち着かせ、対戦校の選手を分析したりと冷静。 しかし、トラウマになっているらしい「ま○゙いプロテイン」の前ではひどい動揺を見せて周囲を驚かせた。本人曰く、「神様に二度と食わないと誓ってしまった」。 母親には反抗期真っ盛りなのか試合観戦に来ることも嫌がる等、年齢相応な面も有る。 作者によると「漫画には反映されていないが西浦一のおしゃれでジャージもキャップも自転車もこだわりのブツ」とのこと。 沖一利(おき かずとし)(声:佐藤雄大) 一塁手、右翼手、投手。左投左打。背番号3。 1年3組。7月20日生まれ。A型。172cm・60kg。家族構成は祖父・祖母・父・母・姉。 打順は主に6,7番、西浦野球部唯一のサウスポー。中2までは投手もやっていたが、中3から一塁手専任に。 気が弱く控えめで、投手は性格的に向いていないと思っているが、人数的に余裕のない部のために花井と共に控え投手になることを引き受け、投手としての練習を再開。百枝は少し本格的にピッチングをやらせようと思っている。 気弱な性格の三橋に共感出来る部分もある一方、自分と違いピンチでも断固として投げ続けようとする三橋の投手としての姿勢を「投球中毒」と評し、そんな投手のバックを守るのはやる気が出ると尊敬の念を抱いている。 三橋同様、阿部の大声が少し苦手なようで、阿部の言動に対し三橋が挙動不審になる理由の一つをそれだと見抜き、阿部に忠告した。 泉孝介(いずみ こうすけ)(声:福山潤) 中堅手、三塁手、右翼手。右投両打。背番号8。 1年9組。11月29日生まれ。O型。168cm・55kg。家族構成は父・母・兄。 打順は主に1番。 三橋、田島、浜田と同じクラス。3人の中では一番大人びており、日常では主に天然2人の御目付け役、特に落ち着きのない田島のストッパー役になることが多い。 比較的冷静な性格でチームメイトの様子を観察しては、心中でツッコミを入れる場面が多々ある。周りとの会話にまごつく三橋にフォローを入れる事も。 浜田とは同小同中で、中学野球部では先輩・後輩の関係だったが、同学年となった今では他の同級生と同じように接している。 小学2年の秋まで三橋も同じ小学校に通っていたが、浜田に言われて初めて知った様子。 西広辰太郎(にしひろ しんたろう)(声:木村良平) 左翼手。右投右打。背番号10。 1年3組。2月10日生まれ。O型。170cm・60kg。家族構成は祖父・祖母・父・母・妹。妹とは大分年が離れており、よく遊んであげている良い兄である。 野球初心者。公式戦では基本的にベンチに控えて伝令や三塁コーチャーを務め、機転を利かせてチームの緊張をといたことも有る。中学時代は陸上部(中距離走)で運動神経は良い。 夏の大会五回戦の美丞大狭山戦で、負傷退場した阿部に代わって公式戦初出場。しかし初打席ではガチガチに緊張してバントを決められず、控えに甘んじている事に内心どこかで安心していた自分に気付く。 学業面では試験前にも特別な勉強はしない秀才。勉強会で花井には「西広先生」と呼ばれ、チームメイト、特に三橋と田島に勉強を教えていた。花井が「何でも教えてくれる」と言っていた事から特に苦手な科目も無い模様。 作者曰く、三橋の母と基本は同じ顔。 篠岡千代(しのおか ちよ)(声:福圓美里) マネージャー。右投右打。 1年7組。3月25日生まれ。AB型。154cm・42kg。家族構成は祖母・父・母・妹。 中学時代はソフトボール(遊撃手)をやっていたが、高校野球に憧れてマネージャーになった。 優しく気配り上手で、誰に対しても明るく屈託なく接する。 制服を見ただけで学校名が分かったり、各大会の試合データを自分から進んで調べたりとかなりの情報通。対戦校のデータを纏めるのにフラフラになるまで睡眠時間を削ったりと、野球にかける情熱は選手達に負けていない。部員のことも下の名前、誕生日、住所に至るまでよく把握している模様。 阿部に対して好意を抱いているが、部の雰囲気が変になることを恐れ、他人には悟られないよう振る舞っている。 中学は阿部、栄口と同じだが、卒業後に祖母の介護のため母親の実家に引越して、電車通学をしている。 1巻のおまけに、第1話の時点でマネージャーになろうとグラウンドに行ったが、百枝の2回にわたる甘夏つぶしとケツバットにビビり、その日は入部を諦めたが、一晩考え通してワケがわからなくなり、入部した経緯が描かれている。 百枝まりあ(ももえ まりあ)(声:早水リサ) 監督。左投左打。 4月18日生まれ。B型。23歳。身長164cm。体重は不明。家族構成は祖母・父・母・弟。 あだ名は「モモカン」。 西浦の卒業生で軟式野球部時代はマネージャー。高校卒業後は看護師の学校を出ている。 監督に就いた理由は今の所不明だが、部員達を本気で甲子園に連れて行こうと、アルバイトの給料や貯金を野球部につぎ込むといった異常な程の情熱を捧げる。 甘夏を片手で握り潰せる握力の持ち主で、相手の頭部を握る「自力金剛輪」は部員へのお仕置き(?)としてしばしば繰り出される。巨大なバストも特徴的。 選手達のやる気を引き出す力、指導力・統率力共に優れ、硬軟織り交ぜた言動には有無を言わさぬ説得力がある。 試合中のチャンスや部員の成長ぶりを感じたときなどに身震いする癖がある。 ノックはキャッチャーフライを垂直に上げ、投げては球速120km/h以上(本人の発言から最速125km/h程度と推測される)と、その実力は今も健在。ビルの窓拭きのバイトではモップに鉛を仕込むなどして鍛えている。 小学校時代から野球経験があり、高校でもマネージャーながらノックを打ったり打撃投手を務めていたが、高3時は部員が本人と選手が1人の計2人という状況だった。 「アイちゃん」という犬を飼っており、散歩がてら部活に連れて来ることも。 武蔵野の榛名と同じ顔と作者から言われている。 志賀剛司(しが つよし)(声:室園丈裕) 野球部責任教師。 11月26日生まれ。A型。180cm・79kg。家族構成は妻・娘・息子。 あだ名は「シガポ」。 百枝と2人で硬式野球部を立ち上げたらしいが詳細は不明。担当教科は数学。 自ら「野球は詳しくない」と言っていたことから野球素人と思われるが、講習会などへ行って勉強しており、部員達にトレーニング理論を説く。本題に入るまでの前振りが長いため、部員たちからまどろっこしいと思われることもしばしば。おお振りの応援団
西浦高校には正式な部活動としての応援団が存在しないらしく、初の公式戦を迎える野球部のために、部員と縁があった浜田が中心となって私設応援団を結成した。そのため今のところ、授業がある平日の試合に公欠をとって応援に向かうことは許されていない。初公式戦の時点では演奏担当を含めても5人だけだったが、200人近くの生徒を集めた。その後チアガールの加入などもあり、順調に活動を続けている。
浜田良郎(はまだ よしろう)(声:私市淳) 団長。 1年9組。12月19日生まれ。B型。183cm・70kg。家族構成は父・母・弟。 泉の中学野球部時代の先輩で、三橋が幼いころ山岸荘に住んでいた時の遊び仲間。当時グラブを持っていなかった三橋に自分には小さくなったものを譲り、三橋に野球の楽しさを教えた。 三橋、田島、泉と同じクラスだが、出席日数不足で留年していて歳は1つ上。留年の理由を「ケガレた過去」と評されたが、本人は「馬鹿」を主張している。 肘の故障(リトルリーグ肘)により野球を断念したが、自らが中心となって応援団を結成した。他の生徒に声をかけて一緒に練習の手伝いをすることも有る。 裁縫が得意で横断幕や腕章も自身の手製である。 同級生によると父がリストラされ、家族は彼を残して父の本家がある九州へ行ってしまったらしく、1人暮らしでバイトをして学費を稼いでいる。 梅原圭介(うめはら けいすけ)(声:疋田高志) リーダー員。 2年9組。10月3日生まれ。O型。177cm・67kg。家族構成は祖母・父・母・妹。 1年時は浜田、梶山と同じクラスだった。浜田の留年の理由を「ケガレた過去」と評した。 梶山力(かじやま りき)(声:阪口周平) リーダー員。 2年9組。11月14日生まれ。A型。180cm・67kg。家族構成は父・母・兄。 1年時は浜田、梅原と同じクラスだった。眼鏡をかけて顎髭をたくわえている。 チアガール(名前不明) チアリーダーである2人の女子生徒。 篠岡の友人で、ダンス部の1年生。踊りたいという理由からチアガールを希望し、四回戦から応援に加わった。 1人は背が高く黒髪で、もう1人は背が低くパーマがかった髪型。 松田(まつだ)(声:細谷佳正) 吹奏隊員の男子生徒。トランペット担当。 公式戦初戦から応援に参加している団員の1人、眼鏡をかけている。 野々口(ののぐち) 吹奏隊員の女子生徒。トランペット担当。 四回戦から新たに応援に加わった。黒髪のポニーテールで眼鏡をかけている。 深見(ふかみ)(声:高本めぐみ) 吹奏隊員の女子生徒。大太鼓担当。 公式戦初戦から応援に参加している団員の1人。おお振りの家族
三橋尚江(みはし なおえ)(声:半場友恵) 三橋廉の母。中学時代は離れて暮らしていたこともあってか親としては少々甘い対応が多く、まだまだ子供が可愛い様子。夫とは駆け落ち。職業は不明だが働いており、車を運転する場面も有る。桐青戦で初めて息子の登板を見た観戦初心者。西浦高校のOG。 花井きく江(はない きくえ)(声:橘U子) 花井梓の母。保護者達の中でも中心的存在で、ハキハキとした明るい性格。毎年県大会の結果を調べてはトーナメント表に線を引いて楽しんでいる程の高校野球ファン。 本人が嫌がるからという理由で、人前では自分の息子のことを「梓」ではなく「花井」と呼んでいる。息子が小学生の頃から野球をしていたので観戦にも慣れている。 息子が高校に入ってから話す機会が増えたのを喜んでおり、野球部の父母会を正式に作って部の活動に協力したいと百枝に申し出た。百枝には感謝していると共に彼女の高校時代に興味を持っている。 花井飛鳥・遙(はない あすか・はるか) 花井梓の妹。双子だが、どちらが姉か妹かは不明。 巣山英子(すやま えいこ)(声:村井かずさ) 巣山尚治の母。桐青戦で応援に来た際、息子が怒るからと客席から声をかけるのを躊躇していた。眼鏡をかけている。 水谷きよえ(みずたに きよえ)(声:森夏姫) 水谷文貴の母。高校生以上の子供がいるようには思えない程に若く可愛らしい顔立ちだが、作者曰く年齢は三十代後半。 泉恵子(いずみ けいこ)(声:木内レイコ) 泉孝介の母。 沖久美子(おき くみこ)(声:恒松あゆみ) 沖一利の母。 田島美輪子(たじま みわこ) (声:石塚理恵) 田島悠一郎の母。日傘と手袋を用意して試合の応援に来ている。5人の子を産んだということで、他の母親達に感心された。 阿部美佐枝(あべ みさえ) 阿部隆也の母。桐青戦の時はシュンの試合と重なったためそちらを優先した。弟ラブで兄弟の試合日が重なるとシュンの応援に行く。花井の母同様観戦に慣れている。 シュン(本名不明) 阿部隆也の弟。ボーイズチームの川口イーグルスに所属しており、荒川シー・ブリームス出身の田島を尊敬している。兄とチームが違うのは、小さいうちは兄弟同じチームは良くないという教育方針から。 西広かずみ(にしひろ かずみ) 西広辰太郎の母。パートで働いており、観戦にはもう一歩踏み出せないでいる。 篠岡悦子(しのおか えつこ) 篠岡千代の母。おお振りの桐青高校
桐青高校(とうせいこうこう)は前年度、夏の甲子園出場の強豪。キリスト教系の中高一貫校。古くからの慣習により、下級生はレギュラーでも背番号が大きい。また、夏の大会で毎年レギュラーに1人は1年生を入れる。春季大会では勝ち進み、夏大予選でBシードに入った。夏の県大会二回戦での西浦高校の対戦校。作中では2人以上マネージャーがいるのがわかる。彼女達の折った千羽鶴は河合から花井に手渡された。
河合和己(かわい かずき)(声:花輪英司) 捕手。右投右打。背番号2。 3年6組。6月15日生まれ。B型。180cm・78kg。家族構成は祖父・祖母・父・母・弟・妹。 主将。名実ともに桐青の守備の要で投手を立てるリードをする。頬にえくぼがある。 西浦戦では5番で出場し、三橋の”まっすぐ”の特異さにいち早く勘付く。 引退後は島崎達から「後輩をシゴくのは上の義務」と言われたものの、進学の選択肢を広げるために参考書を買い込み予備校に通っている。 西浦対美丞大狭山の試合に予備校をサボって観戦に訪れ、試合中に不穏な動きを見せている呂佳を不審に思い、試合後に美丞の捕手の倉田に対し忠告した。 ファミレスのメニューを見なくても100円単位でオーダーできるという変わった特技の持ち主。 高瀬準太(たかせ じゅんた)(声:杉山紀彰) 投手。右投右打。背番号10。 2年4組。2月2日生まれ。O型。177cm・69kg。家族構成は父・母・弟。 桐青の2年生エース。スリー・クォーター気味の打たせて取るタイプで球速は一試合通して130km/h台。 西浦戦では7番で出場。変化球は三橋と同じく4つ(シンカー、フォーク、スライダー、シュート)。 最大の決め球はシンカーで、田島に高校野球のレベルを思い知らせた。スライダーは基本的に打ち取るかカウントを稼ぐ時に投げる。フォークは右打者に対しての決め球として使用しているが、落差はそれほどでもないのでカウントを稼ぐ時にも投げる。シュートは本人曰く金属バット相手じゃ問題にならない程度の変化しかせず、投げるのは捕手の河合が打者の力をはかりかねて直球の代わりに保険として投げるだけの模様。唯一高瀬のシュートを見た田島も打席に立たないと判らないぐらいの変化で直球とタイミングが変わらないと感じた。 背番号のシワの寄り方で田島に牽制の癖を見破られ、西浦戦では走られ放題になってしまった。 試合中は常にポーカーフェイスだが、西浦戦では緊張して普段よりも態度が硬く、エンジンのかかりも遅かった。 3年の引退後は練習をサボりがちになっている。 島崎慎吾(しまざき しんご)(声:日野聡) 二塁手。右投右打。背番号4。 3年6組。9月21日生まれ。A型。176cm・70kg。家族構成は父・母・兄。 西浦戦では3番で出場。阿部によると桐青一やらしい打撃をする選手で、器用に左右へと打ち分ける。 西浦の試合前練習を見て河合に「手を抜く気はないがやりにくい。」と言い、それに敏感に反応した下級生達を見た河合にたしなめられたが、「実際見て負ける気しないだろ?」と囁き、河合も同意した。 青木毅彦(あおき たけひこ)(声:細井治) 遊撃手、三塁手。右投左打。背番号14。 2年8組。7月30日生まれ。O型。178cm・67kg。家族構成は祖母・父・母・姉。 あだ名は「タケ」。 昨年度の1年生レギュラーで8番三塁手として甲子園の土を踏んでおり、今年は4番遊撃手。阿部の推測では桐青一の素材。 振り回すタイプの打者で打率は高くないが、三橋の遅い球を軽々と場外へ飛ばす