くちなし

学名 Gardenia jasminoides Ellis 和名 クチナシ 英名 Common gardenia

クチナシ(梔子、巵子、支子、学名:Gardenia jasminoides)は、アカネクチナシ属の常緑低木。野生では森林の低木として出現するが、園芸用として栽培されることも多い。様々な利用がある。

形態

樹高1-3mほどの低木。葉は対生で、時に三輪生となり、長楕円形、時にやや倒卵形を帯び、長さ5-12cm、表面に強いつやがある。筒状の托葉をもつ。花期は6-7月で、葉腋から短い柄を出し、一個ずつ花を咲かせる。花弁は基部が筒状で先は大きく6弁に分かれ、開花当初は白色だが、徐々に黄色に変わっていく。花には強い芳香があり、学名の種名「jasminoides」は「ジャスミンのような」という意味がある。

10-11月ごろに赤黄色の果実をつける。果実の先端に萼片のなごりが6本、針状についていることが特徴である。また側面にははっきりした稜が突き出る。

分布

アジア(中国、台湾、インドシナ半島等)に広く分布し、日本では本州の静岡県以西、四国、九州、南西諸島の森林に自生する。

クチナシを利用する動物

スズメガに典型的な尻尾をもつイモムシがつくが、これはオオスカシバの幼虫である。奄美大島以南の南西諸島に分布するイワカワシジミシジミチョウ科)の幼虫は、クチナシのつぼみや果実等を餌とする。クチナシの果実に穴が開いていることがあるが、これはイワカワシジミの幼虫が中に生息している、または生息していた跡である。

人との関係

果実が熟しても割れないため、「口無し」という和名の由来となっている説もある。他にはクチナワナシクチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木、つまりヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味)からクチナシに変化したという説もある。

鑑賞

人家周辺に栽培されることが多い。ただし、クチナシを植えるとアリが来るといって敬遠する例もある。品種改良によりバラのような八重咲きの品種も作り出されている。

料理

果実にはカロチノイドの一種・クロシンCrocin)が含まれ、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられた。また、発酵させることによって青色の着色料にもなる。これは繊維を染める他、食品にも用いられ、サツマイモや栗、和菓子、たくあんなどを黄色に染めるのに用いられる。また、大分県郷土料理・黄飯の色づけにも用いられる。クロシンサフランの色素の成分でもある。

薬用

また、果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、日本薬局方にも収録された生薬の一つである。煎じて黄疸などに用いられる。黄連解毒湯温清飲五淋散などの漢方方剤に使われる。

その他

黒人ジャズ歌手ビリー・ホリデイはしばしば、クチナシの花を髪に飾って舞台に立った。

写真

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『くちなし』より
取得日:2010-07-01

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