くるみ割り人形

くるみ割り人形 サンクトペテルブルグ、1892年。

くるみ割り人形 (くるみわりにんぎょう 英語: The Nutcracker, ロシア語: Щелкунчик)作品番号71は、ピョートル・チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽、ないしそのバレエである。2幕3場。E.T.A.ホフマンの童話「くるみ割り人形とはつかねずみの王様」を原作とするアレクサンドル・デュマ・ペールの脚本、台本マリウス・プティパ振付レフ・イワノフにより、初演は1892年12月17日(6日、18日とするものもあり)、サンクトペテルブルグマリンスキー劇場にて行われた。ちなみにくるみ割り人形とは、人形の形をしたくるみを割る道具のことである。

くるみ割り人形のあらすじ


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


くるみ割り人形の第1幕

くるみ割り人形の第1場

コンスタンティン・イワノワによる初演の舞台装置スケッチ(第2幕)

クリスマスの夜、ドイツシュタールバウム家の大広間ではパーティーが行われている。少女クララドロッセルマイヤー老人からくるみ割り人形をプレゼントされる。ところが、取り合いになり兄のフリッツが壊してしまったので、ドロッセルマイヤー老人が修理する。

客も帰りみんなが寝静まってから、クララは人形のベッドに寝かせたくるみ割り人形を見に来る。ちょうど時計の針が12時を打つ。すると、クララの体は人形ほどの大きさになる(舞台ではクリスマスツリーが大きくなることで表現される)。そこに、はつかねずみの大群が押し寄せる。くるみ割り人形の指揮する兵隊人形たちがはつかねずみに対し、最後はくるみ割り人形とはつかねずみの王様の一騎打ちとなり、くるみ割り人形あわやというところで、クララスリッパをはつかねずみの王様に投げつけ、はつかねずみたちは退散する。倒れたくるみ割り人形が起きあがってみると、凛々しい王子になっていた。王子はクララをお菓子の国に招待し、2人は旅立つ。

くるみ割り人形の第2場

雪が舞う松林に2人がさしかかる(雪片の踊り - 雪の精たちのコール・ド・バレエ

くるみ割り人形の第2幕

お菓子の国の魔法の城に到着した王子は女王こんぺい糖の精にクララを紹介する。お菓子の精たちによる歓迎の宴が繰り広げられる。劇末はクララクリスマスツリーの足下で夢から起きる演出と、そのままお菓子の国にて終わる演出がある。

くるみ割り人形の楽器編成

舞台上におもちゃのトランペット、太鼓、シンバル他打楽器数種、24名の児童合唱(または女声合唱)。

くるみ割り人形の全タイトル

劇場支配人イワン・フセヴォロシスキーによる初演の衣装スケッチ。「葦笛の踊り」

全曲の演奏時間は約1時間40分(第1幕60分、第2幕40分)である。録音や演奏会などでは組曲や抜粋で演奏されることが多い。

小序曲

クリスマスツリー

行進曲

ギャロップと両親の踊り

踊りの情景 - ドロッセルマイヤーの贈り物

情景 - グロスファターの踊り

クララとくるみ割り人形

くるみ割り人形とねずみの王様の戦い、くるみ割り人形の勝利、そして人形は王子に姿を変える

クリスマスツリーの中で(冬の松林)

情景と雪片のワルツ

お菓子の王国の魔法の城

情景 クララと王子

登場人物たちの踊り(ディヴェルティスマン

チョコレートスペインの踊り)[ボレロ

コーヒーアラビアの踊り)[コモード

お茶(中国の踊り)

トレパックロシアの踊り)

ミルリトンの踊り(葦笛の踊り・女羊飼いの踊り)

ジンジャーかあさんと道化(ジンジャーブかあさんと子供たち)

花のワルツ

こんぺい糖の精と王子のパ・ド・ドゥ

イントラーダ

ヴァリアシオン I [タランテラ

ヴァリアシオン II [金平糖の精の踊り]

コーダ

終幕のワルツ - アポテオーズグランド・フィナーレ

くるみ割り人形のバレエ組曲「くるみ割り人形」

バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71aは、チャイコフスキーバレエ音楽から編んだ組曲である。「くるみ割り人形」作曲中のチャイコフスキーはこの頃、自作を指揮する演奏会を企画していたが、あいにく手元に新作がなく、また作曲する暇もなかったため、急遽作曲中の「くるみ割り人形」から8曲を抜き出して演奏会用組曲とした。バレエの初演に先立ち、1892年3月19日初演された。組曲版の演奏時間は約23分。

1. 小序曲 (Ouverture Miniature) Allegro guisto、変ロ長調、4分の2拍子(複合2部形式展開部を欠くソナタ形式とも取れる)。この小序曲のみ編成から低弦、つまりチェロコントラバスが除かれている。このバレエ全体のかわいらしい曲想を感じさせる。おとぎ話のような主題がヴァイオリンにより提示される。これらはクラリネットフルートなどに引き継がれ、次第に大編成化する。すると一転してオーボエによる叫びがあり、メロディックで優雅な第2主題(ヘ長調)が提示される。この後、第1主題・第2主題(変ロ長調で再現)はそのまま反復される。 性格舞曲 (Danses caracteristiques) 2. 行進曲 (Marche) Tempo di marcia viva、ト長調、4分の4拍子(ロンド形式)。A-B-A-C-A-B-Aの形を取る。 3. 金平糖の精の踊り (Danse de la F?e Drag?e) Andante non troppo、ホ短調、4分の2拍子(複合三部形式)。タイトルの原題は「ドラジェの精の踊り」だが、日本ではドラジェは一般的でなかったためにこの邦題が定着して現在に至っている。当時、発明されたばかりであったチェレスタを起用した最初の作品として広く知られる。当初、このパートは天使の声と喩えられた珍しい楽器アルモニカ(または別種の「ガラス製木琴」)のために書かれており、後に旅行先チェレスタと出会ってから楽器指定を変えたことが明らかになっている。なお、チャイコフスキーは初演まで、チェレスタを使用することを公言しなかった。チャイコフスキーはパリから楽器を取り寄せる際、モスクワの業者に送った手紙の中に「他の作曲家、特にリムスキー・コルサコフグラズノフに知られないように」と言う趣旨のことを書いており、先に使われるのを防ぐ目的があったようである。 4. ロシア舞曲・トレパック (Danse russe - Trepak) Tempo di Trepak, Molto vivace、ト長調、4分の2拍子(複合三部形式)。 5. アラビアの踊り (Danse Arabe) Allegretto、ト短調、8分の3拍子(変奏曲形式)。この曲のベースになった曲はグルジア民謡子守唄である。 Allegro Moderato、変ロ長調、4分の4拍子(小三部形式)。 6. 中国の踊り (Danse Chinoise) 7. 葦笛の踊り (Danse des Mirlitons) Moderato Assai、ニ長調、4分の2拍子(小ロンド形式)。A-B-A-C-Aの形を取る。おもちゃの笛「ミルリトン」が踊る。 8. 花のワルツ (Valse des fleurs) Tempo di Valse、ニ長調、4分の3拍子(複合三部形式)。序奏にはハープが効果的に用いられる。ハープカデンツァののちに、ホルンにより主題が提示される。続くワルツは弦による有名な旋律である。さらにウィーン風の旋律がフルートに、情熱的な旋律がヴィオラ・チェロに提示される。前者2つは結尾部でまとめられ、大交響楽的なクライマックスを迎える。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『くるみ割り人形』より
取得日:2008-12-15

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