たばこ税

たばこ税(たばこぜい)とは

たばこ税法(昭和59年8月10日法律第72号)に基づき、製造たばこに対して課される税金(いわゆる「国たばこ税」)。

たばこを課税物件とする税の総称。日本においては、国税である国たばこ税(狭義のたばこ税)及びたばこ特別税と、地方自治体の課税する地方たばこ税(道府県たばこ税及び市町村たばこ税)とを合わせたもの。

この項では、両者について述べる。

  • 1 課税物件

  • 2 納税義務者

  • 3 税額

  • 4 たばこ税の増減を巡る論議
  • 4.1 たばこ価格増減による日本国内税収の増減論
  • 4.1.1 仮にたばこ価格を1000円とした場合の税収の増減論

  • 4.2 たばこ増税を巡る政治状況

  • 4.3 厚生労働省受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書

  • 4.4 タバコ奨励金が禁止へ

  • 5 税収の推移

  • 6 参考文献

  • 7 関連項目

  • 8 外部リンク

  • [編集] 課税物件

    たばこ税の課税物件は、製造たばこである。製造たばことは、葉たばこを原料として、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものである(たばこ事業法2条3号)。

    [編集] 納税義務者

    たばこ税の納税義務者は、次の者である。

    製造たばこの製造者:

    製造たばこの保税地域からの引取者:

    [編集] 税額

    日本におけるタバコの税率は約62%で、その販売額にかかわらず紙巻きたばこの本数あたりで決まっている。ただし、旧三級品については、経過措置として税額が異なる(下記[ ]内の額)。

    国たばこ税(たばこ税法第11条)

    通常の製造たばこ:1,000本当たり3,552円[1,686円]

    特定販売業者以外の者により保税地域から引き取られる製造たばこ:1,000本当たり7,924円

    道府県たばこ税(地方税法第74条の5):1,000本当たり1,074円[511円]

    市町村たばこ税(地方税法第468条):1,000本当たり3,298円[1,564円]

    たばこ特別税(一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第8条):1,000本当たり820円[389円]

    租税特別措置法第88条の2第1項に該当する場合:1,000本当たり500円

    国内で販売されている通常の製造たばこであれば、合計で1,000本当たり8,744円(旧三級品は4,150円)となる。日本の代表的な紙巻きタバコは1箱20本入で300円だが、その税額は189.17円(たばこ税174.88円、消費税14.29円)であり、価格に占める税の割合は、消費税を含めて63.1%[3]となる。

    紙巻きたばこ以外のたばこについては、その重量を紙巻きたばこの本数に換算して決めることになっており、パイプたばこ(パイプ用)及び葉巻たばこは1g=紙巻きたばこ1本、刻みたばこ(煙管用・かみ用の製造たばこ(噛みたばこ用)・かぎ用の製造たばこ(嗅ぎたばこ用)は2g=紙巻きたばこ1本となっている。

    諸外国では当時の為替レートに換算してイギリスの1,187円、フランスの775円、ドイツの644円など、アメリカ合衆国の338?830円などとなっており、日本は先進諸国の中では比較的タバコの低額な国であり、税額の安さ並びに税率の低さがその一因であるとの指摘がある。ただしEU諸国は、紙巻きたばこに比して手巻き用の刻みたばこの税額が低く、刻みたばこを喫煙者自らが手巻きする分には、上記より安価になる。また、等級制を取って安価帯のたばこを用意している国も多数有る。

    [編集] たばこ税の増減を巡る論議

    [編集] たばこ価格増減による日本国内税収の増減論

    諸外国におけるたばこの価格において、日本国内の価格は比較的低い状態にあり、日本学術会議の発表した「脱タバコ社会の実現に向けて」では「タバコ税を大幅に引き上げて、税収を確保したまま、タバコ消費量の減少を図ること」が提言されている。

    後藤公彦は、その著書である環境経済学概論においてタバコ1箱の適正価格は600円程度であると試算している。

    関西学院大学教授の河野正直は、日本禁煙学会でのレポートにおいて2008年度のタバコ1箱の適正価格を発表した。前述の後藤公彦の考案した計算式を利用し1000円を試算し、最終的に喫煙による社会損失を踏まえた観点から独自の再計算を行い1400円との試算を発表している。

    平成13年度の厚生科学研究費補助金(政策科学推進研究事業)による研究報告書として、平成14年3月に医療経済研究機構が発表した「たばこ税増税の効果・影響等に関する調査研究報告書」では、喫煙による社会損失は73,786億円と推計されている。

    [編集] 仮にたばこ価格を1000円とした場合の税収の増減論

    厚生労働省研究班奈良女子大学教授高橋裕子の試算によると最大5兆9千億円の増収が見込めるとの試算を発表している。

    京都大学教授依田高典は次の2種類の前提条件により、2通りの試算結果を発表している。。

    1箱1000円になった場合に禁煙しよう思う人の割合が97%であり、かつ禁煙希望者の禁煙継続率が54%となるケース1 試算結果2.8兆円の増収。

    1箱1000円になった場合に禁煙しよう思う人の割合が97%であり、かつ禁煙希望者の禁煙継続率が100%となるケース2 試算結果1.9兆円の減収。

    [編集] たばこ増税を巡る政治状況

    日本財団会長の笹川陽平の「タバコ1箱1000円」の方針に賛成する中川秀直尾辻秀久らがたばこと健康を考える議員連盟を結成した。

    タバコと健康を考える議員連盟や禁煙推進議員連盟などが、健康被害抑制名目財政赤字解決の為のたばこ税の増税を提唱した。

    熊本県選出野田毅は、県内葉タバコ業者と30年以上関わり、タバコ税引き上げ反対の論陣を張ってきた。また全国約13000件ある葉タバコ農家、全国の約30万件のタバコ販売店は自民党の支持者が多い。

    2007年福田康夫政権下、消費税アップの話が突如持ち上がり、その直後から1箱1,000円のタバコ大増税論も飛び出した。消費税増税の議論の直後にタバコ増税をいいだせば、世論はそれを支持すると見ての厚労省からの意向であった。

    麻生太郎首相が2008年12月に、消費税増税までのつなぎとして、たばこ税について1本当たり3円の増税(1800億円相当)を行い、その収入を公共事業などに使うことを表明。だが、たばこ農家保護の考えから調整が難航した。。結局、衆議院選挙を前に利害関係者や公明党の反対を押し切れず増税を断念した。ただし、12月10日の時点で麻生太郎首相はたばこ増税を指示したことはない、と記者団に直接発言している。

    鳩山由紀夫政権下では政府税制調査会が2009年12月3日に2010年度からの増税を決定し、1本当たり5円の値上げで調整している。

    [編集] 厚生労働省「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」

    厚生労働省受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」では、今後の課題として「今たばこ価格・たばこ税の引上げによって喫煙率の低下を図ることは重要であり、その実現に向けて引き続き努力する必要がある。」としている。

    [編集] タバコ奨励金が禁止へ

    2009年12月7日、鳩山政権下政府税制調査会タバコ小売業者に奨励金を出すのを禁止する措置を2010年度から開始する方針を決定した。タバコ税は税収の一部がタバコが販売された自治体の収入になるため自治体の一部が業者に奨励金を支払っている。この奨励金を目当てに他の自治体で販売したタバコ奨励金のある自治体で販売したように書類を操作した事件が発生したことを受けた「税の横取りを防ぐ」措置としている。

    [編集] 税収の推移

    度重なる増税などで横ばい傾向であったが、平成20年度は大きく計画を下回った。 たばこ税は平成9年から3度の増税が実施されたが、販売数量の減少により税収は伸びていない。

    財務省の統計を参照(単位:100万円)

    平成20年度 850,859

    平成19年度 925,345

    平成18年度 927,168

    平成17年度 886,736

    平成16年度 909,736

    平成15年度 903,157

    平成14年度 844,101

    平成13年度 861,438

    平成12年度 875,509

    平成11年度 905,000

    平成10年度 1,046,172

    平成9年度 1,017,617

    [編集] 参考文献

    1. ^ 製造たばこ定価法(廃止)第1条で「中質及び下質の葉たばこを主原料に用いて調製したもの」として分類された銘柄

    2. ^ [1]

    3. ^ [2]

    4. ^ 脱タバコ社会の実現に向けてPDF 2008年3月4日 日本学術会議

    5. ^ 環境経済学概論 後藤公彦 著 1998年 ISBN:9784254540031

    6. ^ タバコの適正価格について

    7. ^ 平成14年3月「たばこ税増税の効果・影響等に関する調査研究報告書医療経済研究機構

    8. ^ http://www.med.or.jp/nosmoke/canser/cont/05.html 日本医師会「たばことがん」

    9. ^ たばこ 1 箱 1000 円とした場合の たばこ税収に関する中間報告書概要版

    10. ^ 2008.6.29「たばこ1000円に関する試算」PDF

    11. ^ 2008年12月19日 読売新聞

    12. ^ 厚生労働省研究班は、たばこ1箱1,000円にした場合の税収見込みを試算し発表したが、その報告書の中には「基礎年金の国庫負担率の引き上げに必要な2.3兆円をまかなうことが可能となる」との記載されていた。

    13. ^ 2008年12月5日 朝日新聞

    14. ^ http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081208-188927/news/20081210-OYT1T00637.htm?from=nwlb

    15. ^ [ http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008121102000251.html 東京新聞2008年12月11日]

    16. ^ http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081210/plc0812102211012-n1.htm

    17. ^ “たばこ増税、1箱40?100円…政府方針”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2009-12-03). http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091203-OYT1T01064.htm 2009-12-05 閲覧 

    18. ^ “たばこ税 大幅引き上げ見送り 政府税調 1本2?4円軸”. 産経新聞. (2009-12-04). http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200912040092a.nwc 2009-12-05 閲覧 

    19. ^ 厚生労働省受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書

    20. ^ 2009年12月7日 読売新聞

      ◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『たばこ税』より
      取得日:2009-12-25

      たばこ税の関連サイト

      • たばこ税 - Wikipedia
        諸外国におけるたばこの価格において、日本国内の価格は比較的低い状態にあり、日本学術会議の発表した「脱タバコ社会の実現に向けて」では「タバコ税を大幅に引き上げて、税収を確保したまま、タバコ消費量の減少を図ること」が提言されている。
      • たばこ税増税断固反対!!
        日本たばこ協会等による、たばこ税増税に対する反対活動。
      • たばこ税 - Wikipedia
        ... (Wikipedia)』 (タバコ税 から転送) ... では、今後の課題として「今たばこ価格・たばこ税の引上げによって喫煙率の低下を図ることは重要であり、その実現に向けて引き続き努力する必要がある。
      • たばこ税
        市たばこ税は国産たばこの製造者、特定販売業者(輸入業者)、および卸売販売業者が市内の小売販売業者に売り渡したたばこに対してかかる税です。
      • たばこ税等の税率及び税収:財務省
        たばこ税. 市町村. たばこ税. 小計 (円/千本) (円/千本) (円/千本) (円/千本) (円/千本) ... 国及び地方のたばこ税の税率は平成18年7月1日から適用。
      • 全国たばこ販売協同組合連合会
        こうしたことから、たばこ税は国、地方自治体にとっては、徴収コストのかからない優等生の税金なのです。
      • 足立区 特別区たばこ税
        特別区たばこ税は、たばこの製造業者等が区内の小売販売業者(たばこ店など)に売り渡した時に課税されるものです。
      • たばこ税について
        たばこ税について. たばこの消費に対してかかる税金で、たばこの定価の中に税金分が含. まれています。
      • たばこ税の増税 - Yahoo!ニュース
        なお、将来、たばこ税について見直す際には、葉たばこ農家、たばこ小売店等への影響を勘案し、税率と小売定価との関係を弾力的に考える。
      • 東京都主税局<都税Q&A><都税:都たばこ税>
        都たばこ税は、都でたばこを買われた場合に、都の収入となってみなさんの暮らしに役立てられます。

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