カンピロバクター

カンピロバクター (Campylobacterキャンピロバクター) は、グラム陰性でらせん状に湾曲した形態を示す真正細菌の一属の総称。一般的には1982年に食中毒菌として指定された Campylobacter jejuniCampylobacter coli を指すなどカンピロバクター症の原因菌として呼ばれることが多い。菌体は、長さ0.5 - 5?m、幅0.2 - 0.8?m程度の桿状であるが、全体がらせん状に1 - 2回ねじれたらせん菌であり、顕微鏡下ではS字状、またはカモメ状(seagull)に観察される。芽胞を形成せず、菌体の一端または両端に一本の極鞭毛を持ち、運動性がある。微好気性または嫌気性で、酸素濃度 3 - 15% 及び 30 - 37℃の条件で増殖する。菌種によっては二酸化炭素や水素ガスを発育に必要とするものがあるが、至適条件は菌株により異なる。乾燥には弱い。

カンピロバクターの生態

カンピロバクター属菌は一般に動物の腸管、生殖器、口腔などに常在する、獣医師の間では家畜類流産菌として約100年前から知られていた。2007年現在、カンピロバクター属は17菌種 6亜種 3生物型を確認している。一部 C. jejunl , C. coliにはヒトの食中毒の原因となる。増殖に際し、炭素源としてアミノ酸や有機酸を利用し炭水化物は利用しない。また、硝酸塩を還元する。

近年、世界的にキノロン系およびテトラサイクリン系薬剤に対する耐性獲得が報告されている。1993年 - 1994年の調査によれば耐性頻度は15% 。特に、薬剤投与歴のないヒトの下痢患者から耐性菌が分離されており、家畜由来の耐性菌で有ると考えられている。

カンピロバクターの代表的菌種

カンピロバクター・フェタス電子顕微鏡写真 カンピロバクター・ジェジュニ (Campylobacter jejuni) 長さ0.5 - 5?m、幅0.2 - 0.4?m カンピロバクター・コリと共に、ヒトに胃腸炎症状を主とするカンピロバクター症を引き起こす。ヒトに感染するカンピロバクターの大半がこれである。 家畜、野鳥、野生動物、ヒトを宿主とする。 カンピロバクター・コリ (Campylobacter coli) カンピロバクター・ジェジュニと同様の症状を引き起こす。ジェジュニと同じく、ヒトに感染して症状を引き起こすが、患者の糞便から検出されるのはまれである。 家畜、野鳥、サル、ヒトを宿主とする。 カンピロバクター・フェタス (Campylobacter fetus) ヒトに感染すると、敗血症心内膜炎関節炎髄膜炎を引き起こす。 ウシ、ヒツジ、カメ、ヒトを宿主とする。 Campylobacter sputrum ウシ、ヒトを宿主とする。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『カンピロバクター』より
取得日:2008-07-31

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