シラス台地

シラス(白砂)とは一般に白い砂を意味するが、地質学的には鹿児島県を始めとする九州南部一帯に分布している白色の火山噴出物(細粒の軽石や火山灰など)が堆積した地層をいう。

シラス台地の分布と地形

九州南部の平地を中心に分布しており、鹿児島湾北部を囲む地域において最も厚く、湾から遠ざかるに従って薄くなり熊本県人吉市や宮崎県宮崎市にも分布している。鹿児島県内でおおむね数10m程度、最大約150mの厚みがある。鹿児島市北西部から日置市にかけて広がる丘陵地や、鹿屋市を中心として広がる笠野原台地は、ほぼ全体がシラスで形成されている。また、霧島市付近に広がるテーブル状の丘陵群は別の地層の上にシラス層が重なるようにして形成されている。上面は平坦になっておりシラス台地と呼ばれる台地を構成している。現在の鹿児島空港シラス台地平坦面を利用して建設された。

主なシラス台地

笠野原台地鹿屋市

吉野台地鹿児島市

十三塚原霧島市

春山原霧島市

南薩台地南九州市

シラス台地の性質

内部を顕微鏡で観察すると無数の気泡が含まれており、そのため軽くてもろく水に流されやすいという性質を持つ。樹木などが剥がされて地層が露出すると急速に侵食される傾向があり、急傾斜の深い谷を形成するガリ侵食を受けやすい。地下水に侵食されて地下空洞を形成することがあり、これが崩落するとシラスドリーネと呼ばれる穴や窪地が形成される。

シラス台地の起源

シラスの起源について19世紀末頃に、霧島山火山噴出物を起源とする説や海底堆積物を起源とする説が提案された。その後1930年代には、姶良火山と呼ばれる仮想火山から流下した溶岩流を起源とする説や海底火山噴出物を起源とする説も提案された。1950年代に入るとシラスという用語が一般化するとともに研究が進み、粒度分布などから熱雲(火砕流)を起源とする説が提案され、1960年代に火砕流に関する研究が体系化されるとともに火砕流を起源とする説が定着して現在に至っている。

現在考えられているシラスの起源は、約2万5千年前に姶良カルデラで起きた巨大噴火によって発生した入戸火砕流であるとされている。この火砕流噴出量は約200km?に達し、それに加えて火山灰約150km?が日本全国に降り注いだ(姶良丹沢火山灰)。このとき噴出したマグマ二酸化ケイ素分が多かったため白っぽい色の堆積物となった。

シラス台地の農業

水はけが良すぎる為に稲作には不向きな上に栄養分も乏しく、そのような土壌でも育つサツマイモ桜島大根を代表とするダイコンダイズアブラナ等が主産品となった。また鹿児島ではサツマイモを食べさせる事により独特な風味を持つ黒豚の養豚も盛んになった。肉牛の生産も鹿児島が日本一である。

シラス台地のシラス壁

シラス粒子の複雑な(多孔質)構造と、主成分である珪酸(シリカゲルなど除湿材原材料・アルミナ(水分やガスの吸着が高い)などが、消臭・調湿機能に優れることから、自然素材系壁材料として利用されている。昨今問題となっているシックハウス症候群に対しても効果を発揮するという。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『シラス台地』より
取得日:2009-01-27

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