スプーのえかきうた騒動

スプーのえかきうた騒動(すぷーのえかきうたそうどう)とは、2006年4月28日、NHK教育テレビの番組「おかあさんといっしょ」内で、はいだしょうこが描いた、同番組マスコットキャラクター スプー の絵に端を発する騒動(いわゆる「祭り」)である。

同番組の「やぎさんゆうびん」のコーナーにて、うたのおねえさんである、はいだが描いたそれがあまりにも衝撃的だったため、面白がったインターネットの利用者によって、その動画がYouTubeなどインターネット上のサイトに公開され、話題になった。

スプーのえかきうた騒動の内容に関する詳細

はいだしょうこが描いたものはオリジナルスプーとはかけ離れたイラストとなっており、インターネットでは通称 極悪スプー(以下スプー) または 地獄のもんすたー すぷー と呼ばれた。事件が発生した際、うたのおにいさんである今井ゆうぞうが同時に描いたものと比較しても、その違いは歴然としている。

まずスプーの輪郭は、オリジナルが洋ナシをふっくらさせたような柔らかい印象のものであるのに対し、ピーマンのようにゴツゴツとし、硬い印象を与えるものだった。目はオリジナルが円形であるのに対し、縦に長い歪な楕円形に変化し、しかも両目の瞳が全く逆の方向を向いているため、異様な雰囲気をかもし出した。オリジナルの頭部から生えていた小さな翼は触手のように細長く伸び、下方に垂れ下がった。また、口の内部を雑に塗りつぶしたため、ギザギザになった塗り残しが生まれ、これが鋭い歯のように見えたことから、さらに凶暴で醜い印象を与える結果をもたらした。そしてスプーが頭にかぶっているはずの帽子は、3つの楕円形が積み上げられたような物体になり、あたかも鏡餅を頭に乗せているかのような具合になった。

歌の前に半笑いになっているため、本事件の発生はリハーサルのときから分かっていた可能性もある。 このイラスト完成直後、はいだのスプーがどう出来上がったかを確認しようとした今井は奇妙な笑い声を上げながら「ちょっと……!!!」と言葉を詰まらせてしまい、10秒ほど半笑いになりながら番組を進行した。そしてその直後、今井がはいだに「画伯」とコメントしたのに対し、はいだが「良かった、描けて」と応える非常に珍妙な光景が繰り広げられ、視聴者を驚かせた。その間、両者の下で絵描き歌に合わせて踊っていた黒と白のヤギの人形が、驚いて口をあんぐりと開け、はいだのスプーを凝視しながら動きを止めるという行動に出たため、さらに視聴者の笑いを誘った。ちなみに、今井はこの歌の最中いきなり声が上ずったり歌詞を忘れたりしており、途中からはいだの絵の異様さに気付いて笑っていた節が見られる。また、はいだの「みんなも絵描き歌やってみてね」というセリフに対して今井はノーコメントで「バイバイ」と番組を切り上げようとした行動にも異常さが見受けられる。

その後、2003年に、はいだが他のメンバーと共に同じ趣旨でスプーを描いた動画が、著作権者の許諾を得ずに第三者によって違法に公開された。その中で、彼女は何らかの絵を描いた後、振り向きざまに、絵を描いたばかりのボードを裏返しにして、裏に予め描いてあったと思しきごく普通のスプーイラストカメラに見せるという行為に及んでおり、スタッフが彼女の画力について了解して番組をやっているという仮説に、多少の説得力が加わることになった。

そもそも、絵描き歌を歌い始める前に、はいだが「わたしたちも、みんなに負けないくらい上手に絵を描きましょう」と台本通りと思われる台詞を発したあとに、今井が「ほ、ほんとに!?」と半笑いで返している。番組進行を考えると、この応答はNGとなるはずである。これをそのまま通して放送している時点で、本人達もスタッフもはいだの画力を「わかって」やっていた節が強い。その後も両者とも半笑いで、顔を見合わせて微妙な間を作っていた。画面下の人形ははいだの台詞を聞いて固まっていた。

カメラも今井の方をなるべく映し、はいだの方はなるべく映さないようにしていた。

スプーのえかきうた騒動の影響

スプーのえかきうた騒動のスプー祭り

2006年5月上旬、インターネット上の、動画のアップロードサイトYouTube」にて、この動画が著作権者に無断で違法に公開された。これに対してNHKは6月上旬、「当協会の著作権を侵害している」などとして、YouTubeに動画の削除依頼をし、動画は削除されたが、削除を察知した視聴者によって繰り返し動画が違法にアップロードされ、いたちごっこの状態が続いた。YouTubeから拡散した動画は現在でも一部のサイトで見ることが出来てしまう状態である。

この動画の公開を機に、2ちゃんねるにはスレッド スプーの絵描き歌のガイドライン が作成され、そこで作られたアスキーアートが多くのスレッドに貼り付けられたため、ますますスプー知名度は広がり、インターネット上では、このスプーの画像やFlash、替え歌、ゲームなどが続々と公開されていった。Yahoo! オークションにはフィギュアまでも出品され、最高入札価格はイタズラ入札の結果7億円となった。2006年12月現在では、個人のブログにて小説が執筆されている。

また、ブログなどを通じて、その異様さから普段あまりインターネットを利用しない一般人にも広まり、M.U.G.E.Nという格闘ゲームツールに至ってはこのスプーを題材にしたキャラクター製作まで行われた。

また、NHKの番組「つながるテレビ@ヒューマン」上で、YouTubeに関する問題が、日本のテレビ上で初めて取り上げられた際、スプーのえかきうたの動画がYouTube上で再生されている場面が放送され、ファンの間で話題となった。

アーケードゲームクイズマジックアカデミー」にもこのはいだ版スプーの問題が出題された。

スプーのえかきうた騒動のブームの終焉

ファンの間でのこうした過剰とも取れる人気ぶりには、「個人の絵を執拗に面白がるのは、いじめである」や「やりすぎで笑えない」といったごく少数の意見も見られた。ただしはいだ自身の公式ブログバナーには「スプー」のシルエットを掲載している事から、スプーが話題になった件でもジョークとして取っている様である。

7億円入札騒動以降は、新たな動画作品で一度は持ち直したものの、動画の削除等が関連して離れていくファンが続出し、関連の掲示板の書き込み数も大幅に減少して現在に至っている。

スプーのえかきうた騒動の動画の種類

現在多く出回っている、改造・MADを除く正式な動画の多くは、YouTube経由で出回った6MB程度のものや、初期にYouTube以外で出回ったもので、どちらも元は同じでVHSビデオで録画されたと思しきものだった。しかし、2007年1月にStage6で新たに、デジタル方式で録画されたと思しき、これまでと一線を画す高画質75MB)なものが違法に公開されているのが発見された。実際にアップロードされたのは8月7日である。これも第三者が、著作権者の許諾を得ずに公開したものである。

スプーのえかきうた騒動の略歴

1999年4月 - NHK教育テレビの「おかあさんといっしょ」にスプーが登場。

2003年4月 - はいだしょうこが「おかあさんといっしょ」のうたのおねえさんに。

2003年 - 1回目の「スプーのえかきうた」の放送。はいだの描いたスプーは、上手いとはいえないが、いたって普通のものだった。

2006年4月28日 - 2回目の「えかきうた」の放送。はいだが、ものすごいスプーを描く。

2006年5月中旬? - 動画アップロードサイトYouTube」に動画が違法にアップロードされる。この後、ブログや同じく動画アップロードサイトファイルマン」などにも転載される。替え歌「じごくのもんすたー スプー」が公開され、大きな話題を呼ぶ。

2006年5月22日 - 2ちゃんねるのガイドライン板に「スプーの絵描き歌のガイドライン」のスレッドが立てられ、そこから次々に話題を呼ぶ。

2006年5月26日 - Yahoo!オークションにはいだが描いたスプーフィギュア 【描く前から】例の化け物【半笑い】 が出品される。開始価格は1円だったが、次々に入札価格は上がっていく。

2006年5月30日 - オークションが終了、落札価格は7億円に。しかし、入札取り消しが相次いだため、最終的には5億1万円になる。その後オークションは取り消しとなった。

2006年5月31日 - NHK削除依頼により、YouTubeが「えかきうた」の動画を削除。しかし、すぐにユーザーにより再アップロードされる。

2006年8月12日 - 東京ビッグサイトで開かれたコミックマーケットスプーコスプレをした者が2人登場。

2006年9月1日 - この日に放送された第26回全国高等学校クイズ選手権準決勝の映像で、三重県立川越高等学校の出場者が着ていたTシャツに描いてあった寄せ書きに、はいだが描いたスプーが描かれていた。

2006年10月8日 - Yahoo!オークションに、5月末に取り消されたスプーフィギュアが、 【神南から】例の化け物【拒絶レター】 として再出品される。神南とはNHK本社所在地で、製作者は、前回のオークションでの騒動の後に、はいだ本人に宛ててこれを送付したが受け取りを拒否されたとしており、そのため受け取り拒否の旨を綴った手紙がセットで出品されることとなった。希望落札価格は20万円だったが、入札者のイタズラによって削除される。後に10月14日、10月15日にも再々出品されるが、イタズラによってまたオークションは中止される。

2006年10月18日 - Yahoo!オークションイタズラ入札での取り消しが続いていたスプーフィギュアが4回目の再出品。15時15分に4万円で落札される。この日放送されたアニメ ネギま!? 第3話のラストシーンでの黒板の落書きで「おまい超ガンガレ!」と喋っているスプーが登場。

2006年12月19日 - 漫画家ちばてつやが自身のブログで文星芸術大学の学生が練り消しで制作したスプーを紹介し、ファンを驚かせる。

2007年1月?日 -Stage6で新たに高画質のものが発見される。

2007年8月12日 -アニメ さよなら絶望先生 第06話 「見合う前に跳べ」にてスプー(だと思われる怪物)がモニター画面の中に登場。なお同作品の原作コミック5巻巻末の「絶望先生絵描き歌」は「スプーのえかきうた」を元ネタにしている。

2007年12月20日 -アニメ 銀魂 第86話にて、沖田総悟が幼い頃地面に描いていた落書きにスプーと思しき怪物が描いてあった。

2008年2月-アニメ ・さよなら絶望先生 第07話にて前述の「絶望先生絵描き歌」が「お義母さんといっしょ」の1コーナーとして歌付きで登場した。

2008年3月15日-同日発売の「月刊 NHKのおかあさんといっしょ 2008年4月号」(講談社)別冊「ありがとう お兄さん・お姉さん」にて、「しょうこの思い出」の一つとして同日の収録シーンが自身の手により描かれる。

2008年4月1日-はいだしょうこ公式ブログが開設、タイトル画像スプーと思しきシルエットが描かれたスケッチブックを持つ人物が登場した。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『スプーのえかきうた騒動』より
取得日:2008-10-23

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