ヴィジュアル系

ヴィジュアル系 (ヴィジュアルけい) とは、日本のロックバンド及びミュージシャンの様式の一つである。「ビジュアル系」または「V系」とも呼ばれる。サウンドハードロックの形態をとることが多い。 派手な化粧や髪型、衣装などの外見が最大の特徴で、X JAPANCOLORDEAD ENDD'ERLANGER、BUCK-TICK、ZI:KILLを主としてカテゴライズされたもので、それらの影響を強く受けた後の世代のバンドをも指す。

ヴィジュアル系の概要

「音楽レベルはともかく、派手なメイクによってブレイクしたバンド」を指す言葉として「複雑系」「なごみ系」などの用語とともに1997年の「新語・流行語」に属する。そののち、音楽分野に限定せず男性についても使われるようになった。たまた 日本俗語大辞典 では、谷恒生の作品である 闇呪 の文章を引用し、男性ではなく少女に対しての使用例を挙げている。

上記の日本語辞典・用語集の用例ではいずれも「ビジュアル系」として表記されている。ただし本ページの表記については、2008年3月現在の音楽専門誌 SHOXX FOOL'S MATE CURE Zy[zi:] 各紙の表記に準じ「ヴィジュアル系」を用いている。

ヴィジュアル系の傾向・特徴

マーティ・フリードマンによれば、日本のヴィジュアル系はX JAPANの功績によって、一般的に広く認知され、曲調に関してもヘヴィメタルを基軸にしながらもその実は非常に広い音楽性の幅を持っているという。本来、ひとりの人間が好む曲調はある程度の幅に収まるはずであるがX JAPANは「Silent Jealousy」のような超攻撃的・超高速の曲から「Say Anything」のようなバラードまで発表しており、ファンもそれを受け入れている。それはX JAPANがその外見と共にサウンドもブランドとして確立した証拠であるとしている。


ヴィジュアル系のヴィジュアル系黎明期

1980年代中期、インディーズのHR/HMシーンでは、X、COLORといった、それまでのロックバンドの常識とはかけ離れたスタイルバンドが、ほぼ同時期に関東と関西で一際目立った活動を始めた。彼らの活動内容は、当時としてはとても画期的で、自らインディーズレーベルを設立、音源の無料配布GIGメディアへの宣伝広告掲載等の斬新なプロモーションを展開するなど、後のインディーズシーンでの主流となる戦略を、誰よりも先駆けて行いその礎を築き上げた。

この両バンドは、とても交流が深かったが、実際の表現はメタル系とパンク系、音楽性重視と精神性重視と相反するものであった。当時はこの現象を以って「東のX、西のCOLOR」「東のYOSHIKI、西のTOMMY」「東のエクスタシー、西のフリーウィル」と言われた。以降、Xは万人も知る所となるが、COLORライヴ中に発生してしまった観客の死亡事故により、大々的な活動ができなくなった。

これ以降、彼らの活動を参考に、様々なミュージシャンが自身のレーベルを設立するようになる。

ヴィジュアル系のバンドブームの終焉と、ヴィジュアル系の台頭

1990年代初頭には、バンドブームの終焉の一方で、根強いファンがいたヴィジュアルロックバンドメジャーインディーズ (アマチュア) を問わずに台頭し、ロックバンドの主流となった。と同時に専門誌SHOXXが創刊される。

ハードロックビートロックヘヴィメタルバンドとして活動していたものでも、当時はこれらのジャンルヴィジュアル系の隆盛に押される形で人気が下火となり、流行に応じた当人の意思や、或いは所属事務所やレコード会社などによる販売戦略、商業的な要求などの要因により、音楽性も含めて、形態の移行をせざるを得ない状況に追い込まれていったと見られるケースもある。 その後、ほとんどのバンドは商業的要素が強くなり、ロックとしての精神性は薄められることとなった。その辺りが影響してか、この時期からヴィジュアルバンドに男性ファンの姿はほとんど見られなくなった。

一方でヒットしたバンドの中でも、知名度や人気が高くなったり、音楽性の評価が高かったりと、広く世間に認知されたバンドについては、その後は化粧の濃さなどヴィジュアル系としての特徴が薄れていったものが多い。そこには元々の純粋なロックバンドメタルバンドなどへの回帰、パンクなどへの方向転換、より強いロック色を出す為といった音楽の方向性の変化による理由が一般的である。或いは、売らんが為に強いられたヴィジュアル系路線や、ヴィジュアル系という言葉 (枠組への分類) そのものへの反発など、それぞれのバンドミュージシャン毎に様々な理由があったものと考えられる。

ヴィジュアル系の流行と衰退

ヴィジュアル系という言葉が盛んに用いられ、ジャンルとして確立した1990年代末期には、TV番組「Break Out」等の強烈なプッシュにより、更に多くのバンドメジャーデビューに至る。その中で、他のバンドとは一線を画して異彩を放つMALICE MIZERや、デビューシングルが大ヒットしたSHAZNAなどが特に有名になった。また、既にデビューをしていたPENICILLINもヒットを放つ。その後は同時期にデビューしたLa'cryma ChristiFANATICCRISISや、続くようにしてデビューした、PIERROTDir en greyJanne Da Arcなどが活躍。アリーナクラスの会場でワンマンをするバンドも現れ、PIERROTメジャーデビューから武道館でのワンマンライブに至るまでの最短記録を更新し、特にDir en greyインディーズ期から多数の記録を打ち立てていた。しかし、その流行も長くは続かず、メジャーシーンにおける「ヴィジュアル系」というジャンルの勢いは急速に衰えていった。

ヴィジュアル系の再評価

2000年前後から、ヴィジュアルシーンは世間や音楽業界には既に古いものとして扱われていたものの、インディーズアンダーグラウンドシーンには無数のバンドがひしめき合っている。2000年頃以降は往時と比べるとよりマニアックな存在となり、コアなファンによって支えられている。また、より深く作り込まれた世界観や外見が嗜好される傾向がある。

2002年に入った頃、インディーズヴィジュアルシーンでは、片仮名平仮名バンド名、奇を衒ったCDタイトルが溢れるという変化が起こった。バロックの出現を境に急激に広がったその流行は、そのファッション性から「お洒落系」「オサレ系」と呼ばれるようになった。

その後、ナイトメアや、雅-miyavi-(雅-miyavi-はj-POPなどもしている)、Plastic Treeガゼット、シド、アンティック -珈琲店-、アリス九號.など、より若年層のファンが多いバンドの登場、SHAZNA等の1990年代一世を風靡したバンド再結成SIAM SHADELUNA SEAなどのバンドの一日限定復活、ロンドンブーツ1号2号の田村淳率いるjealkbの結成、Kagrra,、KraムックD'espairsRay、12012、Dなど、メジャー進出するバンドの増加、海外でライヴを行うヴィジュアルアーティストが増加する等、ヴィジュアルブームの再来の兆しが見られる。

近年またメジャーに進出するバンドが増えており、インディーズでも大手レーベルのPS COMPANYキングレコード業務提携をしたことで、所属バンド実質メジャーと殆ど替わらない売り方になっている。また、一般企業がヴィジュアル系専門レーベルを設立し、オリコンが「ネオ・ヴィジュアル系」と再定義して社会的な評価を高めようとしていたりと、未だに全盛期と変わらない程のファンがいるヴィジュアルバンド青田買いが、年々CDの売り上げが減少傾向にある音楽業界の穴を埋める為の手段として、メジャーレコード会社により行われている。

ヴィジュアル系の評価

マーティ・フリードマンによれば、日本のヴィジュアル系は世界に誇れる最高の文化であるとしている。2007年現在のアメリカヨーロッパでは、外見を重視するようなバンドは蔑視される傾向にあるが、ロックバンドキッスのようにイメージもかっこよくあるべきであるとの意見を述べている。さらに、外見も表現の一部として取り入れているJ-POPならではの現象は、「形」を重視する日本文化、特に男性が化粧をする歌舞伎文化との関連性をも推測している。キッス歌舞伎に影響されたという説もあるため、ヴィジュアル系は日本文化の逆輸入とも捉えられる、としている。

ヴィジュアル系の主なヴィジュアル系バンド

ヴィジュアルアーティストの一覧を参照

ヴィジュアル系のレーベル・プロダクション

1980年代後期よりその存在が確認されている。元祖ヴィジュアルバンドの多くはYOSHIKIの主宰するエクスタシーレコードDYNAMITE TOMMY総指揮を執るフリーウィル・レコードに所属していた為、一時は「東のエクスタシー、西のフリーウィル」と言われていた。その後はアナーキストレコードデンジャークルークライスキーパーティーなど数多くの専門レーベルが登場した。現役もしくは元ヴィジュアル系のバンドマンが主催するプロダクションが多い。また、バンドが独立事務所を立ち上げるケースも少なからずある。

大手芸能事務所が手掛けたケースも少数はあるが、これらの会社の手法ではヴィジュアルバンドを商業的に成功させることが難しく、田辺エージェンシーホリプロなどは撤退している。

ヴィジュアル系の主なレーベル・プロダクション

ミュージシャンの主宰するレーベルプロダクション

アナーキストレコード

UNDER CODE PRODUCTION

Kreis

EXTASY RECORDS (事実上の解散)

Soleil (解散)

Matina (解散)

KEY PARTY (解散)

CROW MUSIC

LOOP ASH (株式会社マーサ傘下レーベル)

APPLAUSE RECORDS

Sequence Records

フリーウィル

mader suitcase (株式会社フジプロダクションレーベル)

GRADATION (解散)

SOL'FINSTERRE (解散)

midinette

DANGER CRUE RECORDS (MAVERICK D.C. GROUPレーベル)

主催がバンドマンではない事務所、イベンター・ヴィジュアル系専門店・芸能事務所系等

SWEET CHILD

SWORD RECORDS

DONUTS RECORD WEST

SPEED DISK (ライヴハウス高田馬場AREAレーベル)

ティアーズ音楽事務所

MONSTER PRODUCTION (M-EPS 解散)

MISSION MUSIC FACTORY

PLUG RECORDS

kapparecords

PS COMPANY

ライカロリーポップ (ヴィジュアル系専門ショップLIKE an EDISON経営会社)

株式会社マーサ

タイムリーレコード

Zenite Music Facotry (ライヴハウス浦和ナルシスレーベル)

ミジンコレコード (大阪のイベンターFACE MUSICレーベル)

Red List Entertainment (日本デジタルコミュニケーションズレーベル

ARTPOP RECORDS / 濱書房 / 寺子屋 (ART POP ENTERTAINMENT内のレーベル)

ヴィジュアル系のヴィジュアル系を扱うメディア

ヴィジュアル系のTV・ラジオ

放送中のテレビ番組

HOT WAVE (テレビ埼玉)

ROCK WAVE (テレビ埼玉)

放送中のラジオ番組

Beat Shuffle (NACK5)

BUZZ ROCK (FM OSAKA)

Neo I.D. (エフエムちゅうおう)

LIVECAST.JP (ライブキャスト)

終了したテレビ番組

Break Out (テレビ朝日)

SPARK! (テレビ東京)

ENAMELL TV (テレビ埼玉)

神言基地 HOLIDAY TV〜 (テレビ大阪)

VISUAL SHOCK (テレビ東京)

VISUAL ROCK GATE (テレビ大阪)

終了したラジオ番組

Tokyo V-stock (TOKYO FM)

ヴィジュアル系の専門誌

現在刊行されている雑誌

SHOXX

SHOCK WAVE

FOOL'S MATE

FOOL'S MATE EXPRESS

ARENA37

Zy.

Cure

Neo genesis

ロッキンf (但し、90年代まで)

ROCK and READ

休刊・廃刊した雑誌

Vicious

M-GAZETTE

V-Shot

Fruige

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『ヴィジュアル系』より
取得日:2008-11-02

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