二十面相の娘

二十面相の娘 (にじゅうめんそうのむすめ)は、小原愼司の漫画作品、それを元にしたテレビアニメ コミックフラッパー 2003年5月号から2007年2月号まで連載されていた。連載開始前に同誌の2002年10月号に若干設定が異なる同名の読みきり漫画が掲載されている。全8巻。現在は 二十面相の娘 うつしよの夜 が連載中江戸川乱歩の「怪人二十面相」から着想を得ており、乱歩の孫に許可を得ている。


注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


二十面相の娘のあらすじ

日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。

二十面相にさらわれたチコは二十面相率いる盗賊団の一員として生活するようになる。実の妹のようにチコをかわいがるケンなど優しい仲間に囲まれながら、チコは外国語護身術などを習いつつ、盗賊の仕事にも参加し、楽しい時間を過ごした。

しかし、楽しい日々は長くは続かなかった。ある日、二十面相やチコが乗っていた列車が虎と名乗る盗賊の一味に襲撃され、二十面相は行方不明になってしまったのだ。チコはその場にいあわせた私立探偵の空根太作に「保護」され、日本に呼び戻されてしまう。

日本で待っていたのは、チコの命を執拗に狙う叔母との欺瞞に満ちた生活であった。そんな生活に嫌気がさすチコの心の拠り所となったのが、クラスメイト小糸春華とチコの世話役のトメであった。

やがて、チコは二十面相の遺産を狙う者たちが引き起こす様々な事件に巻き込まれていく。そして、好奇心旺盛な春華はチコ・春華・トメの3人による少女探偵団の結成を宣言し、3人はチコの憧れの男性である二十面相の行方を追うようになる。そして、二十面相の行方を追うチコは大戦期二十面相が密かに進めていた研究の秘密を知っていくことになる…。

なお、作中に大戦という言葉が頻繁に出てくるが、この大戦がいかなる大戦を指すのか作者は明らかにしていない。

二十面相の娘のキャラクター

二十面相の娘の少女探偵団

美甘千津子(みかも ちづこ)・チコ 声 - 平野綾 資産家である美甘家の娘。裁縫や料理、勉学に優れた才色兼備美少女。また負けず嫌いでもあり、相手を挑発することも。父母を亡くし叔父夫婦に育てられるが、美甘家の資産を狙う叔父夫婦に毒を盛られる日々を過ごしていた。ある日、二十面相に誘拐(救出)されて二十面相一味に加わり、催眠術の解き方、格闘術などを学びながら、2年余りをそこを過ごす。二十面相が行方不明になった際に、居合わせた探偵によって、自分の命を狙う叔母(失踪中に叔父は死亡)のいる屋敷に戻ることになる。 その後は、普通に友人を作り、穏やかな暮らしを取り戻していった。だが、そんな中起きた1つの事件や二十面相の一味の1人であったケンとの再会で、二十面相を追うある人物がその存在を重要視したため、そして、千津子自身二十面相を追ったため、再度二十面相と関わっていくこととなる。 それによって、友人や屋敷の家政婦なども巻き込んだある悲劇が起きてしまう。 二十面相に対しては恋愛感情のような憧れを抱いており、二十面相が行方不明になった後も、彼のことを探し回った。再び彼や彼の仲間たちと冒険の日々を送ることを夢見ている。また、二十面相への憧れゆえに、言動が二十面相に似てきており、「二十面相の娘」の異名を持つ。 読みきり版では、沼田千津子の名前で登場し、貧しい家庭の子で、父親に売春させられそうになったところを二十面相に助けられるという設定になっている。 小糸春華(こいと しゅんか) 声 - 佐藤利奈 チコの同級生ドイツ人を祖母に持つ赤毛の美少女小糸財閥の令嬢。当初はクラスメイトの注目を集めるチコに嫉妬し、意地悪をしていた。しかし、チコが危険な冒険に巻き込まれていることを知って、チコの友達が彼女から距離を置くようになると、逆に接近して、親友となった。既に許婚がおり、16歳で結婚することが決まっている。そのため、それまでは自由に刺激的な日々を過ごしたいと思っている。 トメ 声 - 新井里美 チコの世話係。16歳で故郷を離れて上京し、チコの失踪中メイドとして美甘家に採用された。チコのことを誰よりも大事に思っている。田宮に操られてチコを毒殺しようとしたとき、淑恵の命令でチコの食事にいれていた薬品が毒物であると知る。そして、催眠がとけると、半ば淑恵を脅迫する形でチコと2人で別邸に住むことを認めさせ、チコの安全を確保した。グラマーな体型で大人びた雰囲気を持つ美少女。そのため、春華からは「少女」としてではなく大人の「女」として見られており、そのことを気にしている。

二十面相の娘の二十面相一味

二十面相 声 - 内田夕夜 本当に美しいものを盗む怪盗。しかし、美術品だけでなく、大戦中の遺物を悪用されないように処分するなどの活動もおこなっている。その素顔や名前は誰1人知らない。美しい心をもつチコを叔母から奪い取った。 チコやケンを未来を担う子どもとして大事に思っており、彼女らに実の父親のように接している。 大戦中に大きな力の源となる何かを入手したとされ、多くの盗賊から命を狙われている。そのような盗賊の1人である虎の一味に襲撃された際、虎の自爆に巻き込まれ、行方不明となる。また、数多くの美術品を盗んだ二十面相には莫大な「遺産」が残っているとされ、その遺産を狙う者たちは、二十面相の娘の異名を持つチコを付け狙うこととなる。 大戦中は有能な科学者だったが研究資金集めのために軍の協力を得、世界を破滅に追い込むほどの強大な力を生み出すことが出来る計算式を編み出したとされる。しかし、敗戦前研究施設に火を放って逃亡した。 ケン 声 - 松風雅也 / 田村睦心(子供時代) 二十面相一味の少年。今まで一味で最年少だったが、チコが仲間に加わったことで最年少でなくなり、新しい仲間であるチコに兄貴分的な態度をとった。一方、チコもケンのことを実の兄のように慕うようになり、チコが一味に加わっていたときは、チコを実の妹のようにかわいがった。虎の襲撃後二十面相警察官に変装してチコを保護するのを目撃し、二十面相とチコの帰りを生き残った仲間と共に隠れ家で待ち続けた。しかし、二十面相がいつまでたっても仲間の前に現れず、チコも日本に送り返されてしまったことから、二十面相に裏切られたと感じ、恨んでいる。 チコの帰国後単身密かに日本に潜入し、不良少年を手下にして、影ながらチコのことを見守っている。 当初はあどけない少年のような外見であったが、虎の襲撃後は大人びた外見となった。また、虎の襲撃以前に、虎に片目をつぶされている。 原作では、虎の襲撃後も二十面相一味はケン以外にも何人か生き残っているが、アニメでは、二十面相とチコを除けば、ケン以外全員死亡したことになっている。 船長 声 - 中村浩太郎? 二十面相一味の重鎮的存在。口は悪いが優しい性格。当初はチコが一味に加わることに反対していたが、チコの悲惨な状況を知ってからは大事に扱うようになった。虎による一味襲撃の際、致命傷を負いながらも虎の仲間2人を道連れにし死亡。

二十面相の娘の美甘家

美甘淑恵 声 - 冬馬由美 チコの叔母。正次の妻。チコとは直接の血のつながりはない。チコを亡きものにし、美甘家の財産を独り占めすることを狙っている。そのため、食事に毒物を混入したり、船から突き落とそうとしたり、ことあるごとにチコの命を狙う。一方で、チコが帰還したときは泣きながら喜んでみせるなど、なかなかの役者ぶりを見せる。 美甘正次 声 - 小田敏充 チコの父の弟で、チコとは血のつながった叔父。淑恵の夫。妻と共にチコの毒殺を企てた。チコの失踪中に死亡する。原作では死因は書かれていないが、アニメ版では、淑恵に毒殺されたことになっている。 黒崎 声 - 川島得愛 美甘家顧問弁護士。淑恵と組み、チコを亡き者にし、美甘家の財産を乗っ取る陰謀に加担する。

二十面相の娘の探偵

空根太作(あきね だいさく) 声 - 竹田雅則 / 田中晶子(少年時代) 私立探偵。探偵としては無能。その無能ぶりを買われて、淑恵に「チコを探している」というアリバイ作りのために雇われる。チコが発見されないように雇われていたにもかかわらず、偶然、イギリスでチコを発見し、名声を得る。その後も顧問料の名目で美甘家から金をせびり続けた単なる小悪党。田宮の催眠術に操られ、チコを付け狙うが、その際に大戦直後に生き別れになった妹・千絵子の存在を思い出す。それを期に次第に良心を取り戻していく。 読みきり版では、二十面相一味を追い詰める有能な探偵として登場し、チコも自力で見つけ出して「保護」している。ただし、推理能力はチコ以下。 明智 声 - 浜田賢二 私立探偵。空根とは対照的に探偵としては有能。二十面相を生涯のライバルと考え、世界中をまわって彼の行方を捜し求めた。二十面相の正体や彼の目的についてかなりのところまで突き止めている。

二十面相の娘の二十面相を狙う者たち

虎(とら) 声 - 西凛太郎 盗賊。二十面相大戦中に手に入れた力を奪うため、たびたび二十面相を襲う。イギリス二十面相を襲った際、返り討ちにされ、二十面相を巻き添えにして自爆する。 香山望(かやま のぞみ) 声 - 沢城みゆき 清波製薬研究員。同僚の津矢高志実験台に人間を超人化する実験に従事していたが、社長から研究中止を命じられる。しかし、津矢をもとの体に戻すために実験を継続し、研究資金を得るために犯罪にも手を染めた。二十面相の遺産に問題を解決する鍵があると考え、チコを誘拐しようとする。 田宮清次(たみや せいじ)/白髪の魔人(アニメでは白髪鬼) 声 - 田中敦子 映画俳優。人間が持つ心の闇を刺激することによって、他人を操ることを得意とする。正体は大戦中二十面相と共に研究をおこなった女性科学者。大戦中は自らの身体すらも実験材料にし、研究に没頭した。しかし、生きる人形と化した自分を捨て、二十面相が逃亡したことから、二十面相愛憎相半ばの複雑な感情を抱くようになる。二十面相をおびき出すべく、白髪の魔人として二十面相にゆかりのある人々を殺害したり、チコの身近な人々を操って、チコを追い詰めたりした。 アニメ版では田宮清次として活躍している部分が捨象され、原作の白髪の魔人の役回りを担った白髪鬼として登場する。 柿島耕平(かきしま こうへい) 声 - 大塚芳忠 元帝大教授二十面相の恩師。二十面相の発明の原案を考えた。二十面相が発明した力を封印するためと称して、二十面相の行方を追っている。しかし、本当の狙いは、二十面相の発明を横取りし、それを使って東京を破壊することで自らの名を歴史に残すこと。

以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


二十面相の娘の単行本

1巻:2003年9月22日発行(ISBN 484010901X

2巻:2004年1月23日発行(ISBN 4840109281)

3巻:2004年7月23日発行(ISBN 4840109605)

4巻:2005年1月22日発行(ISBN 484010994X

5巻:2005年8月23日発行(ISBN 484011322X

6巻:2006年2月23日発行(ISBN 484011367X

7巻:2006年8月23日発行(ISBN 4840116148)

8巻:2007年2月23日発行(ISBN 9784840116732)

二十面相の娘のテレビアニメ

2008年4月よりフジテレビ他で放送中。

二十面相の娘のスタッフ

監督 - 富沢信雄

企画 - 伊藤幸弘フジテレビ)、熊澤芳紀ジェネオンエンタテインメント)、松本輝起(松竹)、渡辺和哉(読売広告社)、南雅彦ボンズ)、竹内孝次テレコム・アニメーションフィルム

プロデューサー - 山本幸治フジテレビ)、森遊机ジェネオンエンタテインメント)、岩崎善浩(松竹)、木村京太郎(読売広告社)、米内則智ボンズ)、谷口理テレコム・アニメーションフィルム

シリーズ構成 - 土屋理敬

脚本 - 土屋理敬吉田玲子高橋ナツコ高橋郁子福島直浩

キャラクターデザイン - 堀川耕一

メカデザイン - 友永和秀

総作画監督 - 野口寛明

美術監督 - 小倉宏昌

色彩設計 - 山本智子

撮影監督 - 宮川淳子

編集 - 笠原義宏

編成 - 中島寛朗フジテレビ

音響監督 - 菊田浩巳

音楽 - 三宅一徳

音楽制作 - ランティスフジパシフィック音楽出版

アニメーション制作 - ボンズテレコム・アニメーションフィルム

製作 - 「二十面相の娘」製作委員会(フジテレビジョンジェネオンエンタテインメント、松竹、読売広告社、ボンズテレコム・アニメーションフィルム

二十面相の娘の主題歌

オープニングテーマ 霞 作詞:369・Ryoji、作曲:369・tasuku、編曲:tasuku、歌:369(ミロクエンディングテーマ Unnamed World 作詞:畑亜貴、作曲:黒須克彦、編曲:nishi-ken・黒須克彦、歌:平野綾

二十面相の娘のサブタイトル

二十面相の娘の放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時
関東広域圏 フジテレビ 2008年4月12日 - 土曜 26時00分 - 26時30分
近畿広域圏 関西テレビ 2008年4月22日 - 火曜 26時29分 - 26時59分
中京広域圏 東海テレビ 2008年4月25日 - 金曜 27時35分 - 28時05分
日本全域 BSフジ 2008年5月19日 - 月曜 24時30分 - 24時55分

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『二十面相の娘』より
取得日:2008-08-26

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