公正取引委員会(こうせいとりひきいいんかい。英訳名:Fair Trade Commission)は、日本の行政機関の一つ。内閣府の外局として、内閣総理大臣の所轄の下に設置される、合議制の行政委員会。略称は、公取委(こうとりい)だが、口頭表現においてはこうとりともいう。自由主義経済における競争政策の促進を目的として、「経済の憲法」ともいわれる独占禁止法(独禁法)を運用するため、委員長及び4名の委員が独立して職権を行使する。なお、独占禁止法の特別法である下請法、景品表示法(景表法)の運用も行う。
公取委の主な任務
公正取引委員会は、独禁法等の違反事件を調査や審決を行う準司法的な機能、および規則制定権の準立法的な機能を有している。内閣総理大臣の所轄に属するが、独立の権限を持つ行政委員会である。委員長及び委員の任命には衆参両議院の同意を必要とする。委員長は認証官とされ、その任免は天皇により認証される。
私的独占、不当な取引制限(価格カルテル、市場分割カルテル、入札談合等)及び不公正な取引方法(不当廉売、優越的地位の濫用等)を摘発している。
一部業務については第二次世界大戦後、GHQ指揮の下、財閥解体を主導した持株会社整理委員会から引き継いでいる。
アメリカ合衆国の司法省反トラスト局や連邦取引委員会(FTC、w:Federal Trade Commission参照)としばしば比較され、従来は「吠えない番犬」などと揶揄されることもあった。だが、最近では橋梁談合事件における日本を代表する大企業の刑事告発やマイクロソフトやインテルといった世界的なガリバー企業の摘発など、その活躍振りにはめざましいものがある。平成17年度の独占禁止法の抜本的改正により、「犯則調査権限」や「課徴金減免制度」が導入された。これによってその権限は大幅に強化された。
公取委の合併に対する判断の変化
公正取引委員会は独占禁止法に基づき、M&Aや企業合併により単一の企業が市場を独占する恐れがある場合、合併等を規制することができる。
市場独占を判断する際には、当所はシェアを重視し、機械的に行う向きがあった。しかし、2004年以降は個別の市場状況等を勘案しながら、判断するようになってきているという。
たとえある企業の市場占有率が高まったとしても、他の企業や国外から十分な商品の供給が行われるならば、合併等を規制しなくなっている。
また、「市場」の範囲も、単一の商品だけでなく関連する商品も含めたある程度広い範囲で見るようになってきているという(例:カップ麺の企業同士の案件について、対象となる市場はカップ麺だけでなく、チルド麺などの即席麺全部を対象ととらえる)。
公取委の沿革
1947年7月1日、公正取引委員会発足。委員の定数は7人で衆議院の同意を得て内閣総理大臣が任命。委員長は委員の中から内閣総理大臣が選任する(衆院同意不要)。
1947年7月14日、公正取引委員会委員を任命。
1947年7月18日、公正取引委員会事務局官制が制定され、事務局は総務部、商事部、調査部、審査部の4部体制。
1947年7月31日、委員定数7人を、委員長1人、委員6人に分割し、委員長を認証官とする。任命に際し衆議院の同意を要する点はそのまま。
1948年7月29日、商事部から証券部を分離して5部体制。
1949年6月1日、証券部を商事部に統合し再度4部体制。
1952年8月1日、公正取引委員会委員の定数を6人から4人に削減。任命に際し必要となる立法府の同意が「衆議院の同意」から「両議院の同意(衆院優越なし)」に改められる。
事務局に事務局長を置く。 審判手続の一部を行う職員を審判官という専任職として5人を置き、事務局長に直属させる。 組織構成は官房、経済部、審査部の1官房2部の体制。1964年4月1日、経済部から取引部を分離して、1官房3部の体制。
1996年6月14日、事務局を事務総局に改め、事務局長を事務総長に改める。
経済部と取引部を統合して経済取引局とし、経済取引局に取引部を置き、審査部を審査局に拡充し、審査局に特別審査部を置く。これにより、1官房2局2部の体制となる。2001年1月6日、中央省庁再編により、総理府外局から総務省外局に移行。
2003年4月9日、電気通信事業・放送事業・郵政事業の監督行政を所管する総務省の外局となっていることの問題に対応すべく、総務省外局から内閣府外局に移行。
2006年1月4日、独占禁止法の改正と呼応し、特別審査部を廃止し、犯則審査部を新設。審判官の定数を5人から7人に増員。
公取委の組織
公取委の公正取引委員会
委員長(認証官。正式表記は「公正取引委員会委員長」。「公正取引委員長」は略称)
委員(4人。正式表記は委員長の例に同じ。)
公取委の事務総局
事務総長(正式表記は「公正取引委員会事務総長」。「事務総局」は挿入しない。)
審判官(7人。うち1人は首席審判官。正式表記は「公正取引委員会事務総局(首席)審判官」。「事務総局」は省略しない。)
[編集] 内部部局
官房(正式表記は「公正取引委員会事務総局官房」。「事務総長官房」ではない。)
総括審議官
審議官(2人)
特別専門官(1人以内)
総務課
会計室
審決訟務室
企画官
政策調整専門官(3人以内)
人事課
企画官
国際課
企画官
経済取引局(正式表記は「公正取引委員会事務総局経済取引局」。「事務総局」は省略しない。他の局も同様)
総務課
企画室
経済調査室
企画官
調整課
企業結合課
上席企業結合調査官
企業結合調査官(29人以内)
取引部
取引企画課
取引調査室
相談指導室
企業取引課
下請取引調査室
上席下請取引検査官
下請取引検査官(28以内)
消費者取引課
景品表示監視室
景品表示監視官(21人以内)
審査局
審査管理官
特別専門官(2人以内)
審査専門官(268人以内)
管理企画課
企画室
情報管理室
公正競争監視室
審査企画官
課徴金減免管理官
上席審査専門官
第一審査長
上席審査専門官
第二審査長
上席審査専門官
第三審査長
上席審査専門官
第四審査長
上席審査専門官
第五審査長
上席審査専門官
犯則審査部
第一特別審査長
第二特別審査長
[編集] 地方機関
北海道事務所(正式表記は「公正取引委員会事務総局北海道事務所」。「事務総局」は省略しない。他の事務所も同様)
総務課
取引課
下請課
第一審査課
第二審査課
東北事務所
総務課
取引課
第一審査課
第二審査課
中部事務所
総務管理官
審査統括官
総務課
取引課
下請課
第一審査課
第二審査課
第三審査課
経済取引指導官
近畿中国四国事務所
総務管理官
審査統括官
総務課
取引課
下請課
第一審査課
第二審査課
第三審査課
第四審査課
経済取引指導官
中国支所
総務課
取引課
第一審査課
第二審査課
四国支所
総務課
取引課
審査課
九州事務所
総務管理官
総務課
取引課
下請課
第一審査課
第二審査課
経済取引指導官
※九州事務所の管轄区域に沖縄県は含まれない。沖縄総合事務局総務部公正取引室が公取委地方機関の役割を担っている。
公取委の歴代委員長
再任・再々任は個別の代として記載。
退任日に付した(願)は任期途中の依願退官、(亡)は死亡、(定)は定年退官。付していないものは任期満了。
空席期間においては、委員の1人が「公正取引委員会委員長代理」として職務を遂行する。
独占禁止法の条文のうち公正取引委員会の設置に関する部分の施行期日(つまり組織としての発足日)は1947年7月1日であるが、委員7名(初代委員長の中山喜久松を含む)が任命されたのは同月14日と、変則的なスタートとなっている。
発足直後の7月31日に法改正が施行され、改正前は委員長は委員7人のうちの1人とされ認証官ではなかったのが、改正後は委員長と委員6人は別枠扱いとなり、さらに委員長が認証官となったという経緯があるため、下表の代数も旧制度・新制度を別扱いとする。
| 代 | 氏名 | 在任期間 | 出身母体 | 退任後の主な役職 |
|---|---|---|---|---|
| 旧1 | 中山喜久松 | 1947年7月14日-1947年7月30日(願) 非・認証官 |
日本興業銀行 | |
| 1 | 1947年7月31日-1952年2月4日(願) | |||
| 2 | 横田正俊 | 1952年2月4日-1952年7月30日 | 裁判官 | 最高裁判所長官 |
| 3 | 1952年7月31日-1957年7月30日 | |||
| 4 | 1957年7月31日-1958年3月25日(願) | |||
| 5 | 長沼弘毅 | 1958年3月31日-1959年4月17日(願) | 大蔵省(事務次官) | 日本コロムビア会長 |
| 6 | 佐藤基 | 1959年7月7日-1962年7月30日 | 法制局(第一・第四部長、特許標準局長官、会計検査院院長) | |
| 7 | 1962年7月31日-1963年3月22日(定) | |||
| 8 | 渡邊喜久造 | 1963年3月25日-1965年8月28日(亡) | 大蔵省(財務官) | |
| 9 | 北島武雄 | 1965年9月14日-1967年7月30日 | 大蔵省(国税庁長官) | 日本専売公社総裁 |
| 10 | 山田精一 | 1967年8月21日-1969年11月11日(願) | 日本銀行 | 貯蓄増強中央委員会会長 |
| 11 | 谷村裕 | 1969年11月15日-1972年8月20日 | 大蔵省(事務次官) | 東京証券取引所理事長 |
| 12 | 高橋俊英 | 1972年8月24日-1976年2月6日(願) | 大蔵省(銀行局長) | |
| 13 | 澤田悌 | 1976年4月1日-1977年8月23日 | 日本銀行 | 日本住宅公団総裁 |
| 14 | 橋口收 | 1977年9月13日-1982年9月12日 | 大蔵省(主計局長、初代国土事務次官) | 広島銀行頭取、会長 |
| 15 | 高橋元 | 1982年9月24日-1987年9月23日 | 大蔵省(主税局長、事務次官) | 日本開発銀行総裁 |
| 16 | 梅澤節男 | 1987年9月24日-1992年9月23日 | 大蔵省(主税局長、国税庁長官) | 日本興業銀行監査役 |
| 17 | 小粥正巳 | 1992年9月24日-1996年8月27日(定) | 大蔵省(事務次官) | 日本政策投資銀行総裁 |
| 18 | 根來泰周 | 1996年8月28日-1997年9月23日 | 法務省・検察官(検事長) | 日本野球機構コミッショナー |
| 19 | 1997年9月24日-2002年7月30日(定) | |||
| 20 | 竹島一彦 | 2002年7月31日-2002年9月23日 | 大蔵省(国税庁長官) | |
| 21 | 2002年9月24日-2007年9月23日 | |||
| 22 | 2007年9月27日- |
◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『公取委』より取得日:2008-08-27
公取委の関連サイト
- 公正取引委員会
最近の報道発表資料(平成20年8月25日) 独占禁止法等講習会の開催について. 更新情報はこちら(平成20年8月25日) 独占禁止法. 課徴金減免制度. 犯則調査権限. 審査審判手続. 事件審査. 入札談合等関与行為防止法. 企業結合. 消費者への適正な - 公正取引委員会
公正取引委員会(公取委)は、独禁法(1947〔昭和22〕年に制定された法律で正式名称は、 - 公取委とは - はてなダイアリー
公取委 - 公正取引委員会を参照のこと。 - 公取委:イザ!
「公取委」「経済の憲法」として昭和23年に制定された独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)や、下請法、景品表示法を運用するために設置された内閣府の外局 ... 「公取委」の概要まで戻る。 - 公正取引委員会 - Wikipedia
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