原爆症

原爆症(げんばくしょう)とは、原子爆弾(原爆)による被災によって生じた健康障害の総称。原子爆弾症原子爆弾傷とも表記する。

発症は被爆直後の場合が多いが、発生から10年、20年、経った後に発症することも少なくない。また、直接被爆をしなくても、原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びたり、母胎内で被爆して生まれた子供にも発症した。広島市長崎市では被爆直後は健康に見えた人の容態が突然悪化し、死亡したケースが数多く確認されている。多くの場合、体にだるさを感じた後、目が見えなくなったり、節々に痛みを感じたりしたのち死亡した。原子爆弾が投下された当時、(一部を除いた)医療関係者でも放射能傷害に関する知識が皆無であったため、治療を施した後や外見上問題のない者が死んだり、被害地域に入った者が発症して倒れる現象を ピカ(原子爆弾のこと)の毒にあたった と表現して恐れた(原子爆弾の中に毒ガスが混入されていて、それが原因で発症するのではと思われていた)。

放射線骨髄等細胞周期の短い細胞に大きな影響を与える確率が高いため、白血病等血液癌を引き起こすことはよく知られているが、ミクロネシアでの核実験では島民の免疫能力の大幅な低下も指摘されている。又、放射線癌抑制遺伝子突然変異を起こさせた場合、被曝の数十年後の発癌の確率が高まる。

なお、原爆症と遺伝の関係は被曝の項参照。今日でも広島・長崎の被爆2世、3世に対しての差別(放射線により障害児リスクが高くなるとの偏見が主な原因で、被爆者が婚姻する際に差別を受ける等)根強く残っている。

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による認定者には被爆者健康手帳が交付される。認定の基準には、投下時又は続く時期に該当地域に存在していたかが、医学的根拠よりしばしば影響を与える。ここで注目すべきは、医学的根拠は客観的事実に近いが、法律で定める地域区分は政治的見解が左右する点である。

広島市には広島赤十字原爆病院が、長崎市には日本赤十字社長崎原爆病院が設置されている。また、当時日本領であった韓国にも同様の施設が設置されている。

原爆症の三つの区分

熱線、爆風による創傷、熱傷

放射線被曝による急性放射線障害

放射線被曝による晩発性障害(白血病白内障、瘢痕性萎縮による機能障害など)

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『原爆症』より
取得日:2008-08-08

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