成田新高速鉄道

京成成田新高速鉄道線(けいせいなりたしんこうそくてつどうせん)は、東京都葛飾区京成高砂駅千葉県成田市成田空港駅を結ぶ鉄道路線の総称である。北総鉄道北総線を延伸し成田国際空港に直結させるもので、2010年の開業を予定している。

全線に渡って、京成電鉄線路保有会社より線路を借りて運行する第2種鉄道事業者である。総事業費は1,261億円。東京都心からのアクセス時間の長い成田国際空港へのアクセス時間短縮を目的に、建設が開始された。

なお、正式路線名は未定である。

成田新高速鉄道の路線データ

路線距離:51.4km

管轄:

京成高砂駅 - 小室駅間19.8km:北総鉄道(第1種)

小室駅 - 印旛日本医大駅間12.5km:千葉ニュータウン鉄道(第3種)

印旛日本医大駅 - 成田空港高速鉄道線接続点成田市ウイング土屋付近)10.7km:成田高速鉄道アクセス(第3種)

成田高速鉄道アクセス線接続点 - 成田空港駅8.4km:成田空港高速鉄道(第3種)

運行は京成電鉄によって行われるが、線路の保有および建設は別会社が行う「上下分離方式」となっている。この場合、京成電鉄(第2種鉄道事業者)は線路保有会社(第3種鉄道事業者)に対して線路使用料を支払い運行を行うことになる。

京成高砂駅 小室駅 印旛日本医大駅 接続点 成田空港駅
運行 京成電鉄(第2種)
北総鉄道
(第1種)
北総鉄道(第2種)   東日本旅客鉄道(第2種)
保有 千葉ニュータウン鉄道(第3種) 成田高速鉄道アクセス(第3種) 成田空港高速鉄道(第3種)

軌間:1435mm

複線区間京成高砂駅 - 成田ニュータウン北駅(仮称)

単線区間成田ニュータウン北駅(仮称) - 成田空港駅間

電化区間:全線(架空電車線方式直流1500V

このうち、京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間32.3kmは北総鉄道北総線として、成田高速鉄道アクセス線接続点 - 成田空港駅間8.4kmのうち空港第2ビル - 成田空港駅間京成本線の一部として開業済みである。

計画では印旛沼を橋梁で横断することになっているが、この付近には広大な湿地や里山があり、また野鳥の宝庫ともなっているため、自然保護団体を中心に一部計画変更の要望が出ていた。環境影響評価書では、代替措置などできる限りの環境保全措置を実施し、景観に配慮した構造とするとしている。

現在でも、工事区間にキロ程が記載された矢印型の看板が設置されている。

印旛郡印旛村成田市の境となる国道464号線甚兵衛大橋付近で進められる、京成成田新高速鉄道線工事。 成田市大谷津運動公園付近で進められる橋脚工事。ここでは、京成成田新高速鉄道線が公園内を横切る形になる。

成田新高速鉄道の事業概要

2010年の開業を目指して、成田高速鉄道アクセス株式会社による改良および新線建設が行われる。

京成高砂 - 小室 - 印旛日本医大間 - 成田高速鉄道アクセス株式会社が改良

印旛日本医大 - (土屋) - 成田空港間 - 成田高速鉄道アクセス株式会社が新線を建設

完成後は、現在最速で51分かかる日暮里駅 - 空港第2ビル駅間が最速36分と現行から15分短縮される。

2010年の開業に間に合わせるため、新線区間ではほぼ突貫工事である。

成田新高速鉄道の運行形態

印旛日本医大駅止まりの列車は現行通り北総鉄道が運行し、成田ニュータウン北駅以東、成田空港駅まで直通する列車は京成電鉄が運行する予定である。なお、相互直通各社車両の運行については2008年5月時点で未決定であるが、スカイライナーについては現状通り都営浅草線への乗り入れを行わない予定である。なお成田ニュータウン北駅で折り返す列車を設定するかは未定である。

日暮里 - 空港第2ビル間は、スカイライナーで最高速度160km/h、通勤形電車による特急で最高速度120km/h運転される。また、同区間の所要時間はノンストップスカイライナーで約36分、特急で約59分を予定している。

スカイライナーと特急が1時間あたり最大で各3本(計6本)が運行される計画である。なお、京成本線経由の特急も現状通り毎時3本設定される予定である。

これに合わせて、京成電鉄は2004年6月28日に花田力社長よりスカイライナーの新型車両を10両編成8本(80両、投資総額160億円超)をリース方式で調達する方針を明らかにした。そして、2008年4月9日には新しいスカイライナーの車両「AE形」が発表された。これは山本寛斎デザインによるもので、開業当初は8両で運転するが、将来的には10両にする計画もある。

成田新高速鉄道の運行に伴う施設改良

成田高速鉄道アクセスによれば、京成高砂 - 印旛日本医大間は最高速度130km/hで走行するための改良工事が行われ、新線区間は最高速度160km/h対応となる。また、並行して一般国道464号北千葉道路が一体的に整備される予定と発表されている。

また、当路線の開業に併せて京成電鉄は日暮里駅の拡張工事を実施中である。具体的には1階部分にあたる従来の1面2線のホームを上り用の1面1線とし、2階を改札コンコース、3階は下り用とし、スカイライナー専用と一般車専用の各ホームを設置して2面1線とする予定である。北総鉄道東松戸・新鎌ヶ谷・小室の各駅に待避線を新設する予定である。また、当路線開業後都営地下鉄浅草線を日本橋駅と宝町駅から東京駅まで分岐線を敷設する計画もあるが、こちらは現在のところ着工されていない。さらに、受け入れ側となる空港第2ビル駅は現在の1面1線の対向式ホームから1面2線の島式ホームへ、成田空港駅は1面1線分のホームを増設して2面3線へとそれぞれ改良される予定となっている。成田空港駅方向別列車別ホームに、すなわち従来の京成本線、京成成田新高速鉄道線、スカイライナー専用ホームに区別される模様である。

成田新高速鉄道の沿革

1982年(昭和57年)5月31日 - 新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に対してA・B・C案を答申。

ルートはB案(上野 - 高砂 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫〈現・印旛日本医大付近〉 - 成田空港)に当たる。なお、A案は成田新幹線の計画ルート東京 - 新砂町〈現・新木場付近〉 - 西船橋 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫 - 成田空港)、C案は現「成田エクスプレス」の運行ルート(JR総武本線成田線東京 - 錦糸町 - 千葉 - 佐倉 - 成田 - 成田空港)である。

1984年(昭和59年)11月1日 - 運輸省がB案ルートを推進する旨を発表。

1985年(昭和60年)7月11日 - 運輸政策審議会答申第7号に位置付け。

1998年(平成10年)1月27日 - 運輸政策審議会答申第18号で2015年までに開業することが適当である路線として位置付けられる。

1999年(平成11年)3月23日 - 「成田新高速鉄道事業化推進検討委員会」設立。

2000年(平成12年)8月28日 - 小泉政権都市再生プロジェクト(第二次決定)の一つと見なされ、実現に向けて動き出す。

2002年(平成14年)4月25日 - 施設保有会社成田高速鉄道アクセス株式会社」設立。

2002年(平成14年)5月31日 - 成田高速鉄道アクセス(第3種)および京成電鉄(第2種)の鉄道事業の申請。

2002年(平成14年)7月5日 - 成田高速鉄道アクセス(第3種)および京成電鉄(第2種)の鉄道事業の許可。

2005年(平成17年)12月21日 - 国土交通大臣成田高速鉄道アクセス線の工事施行を認可。

2005年(平成17年)12月27日 - 千葉県知事が成田高速鉄道アクセス線の都市計画決定を告示。

2006年(平成18年)2月4日 - 成田国際文化会館起工式が行われる。

2007年(平成19年)6月1日 - 都市計画事業認可取得。

2008年(平成20年)4月1日 - 成田市押畑地先で地権者との用地買収が困難となり、千葉県収用委員会に収用裁決申請を提出する。

2008年(平成20年)7月30日 - 成田市押畑地先の地権者2者の所有する未買収地計約700m?延長約150m)に対して、千葉県収用委員会は権利取得と地権者による明け渡しの裁決を出す。同時に用地問題に決着が付く。

2010年(平成22年) - 完工予定

成田新高速鉄道の予定駅一覧

●:停車予定、|:通過予定

停車駅松戸市ウェブサイトの情報に基づく

路線名 駅名 一般特急 空港特急 接続路線・備考 所在地
京成本線∧既設∨ 京成上野駅 東日本旅客鉄道:東北新幹線、上越新幹線、長野新幹線、山形新幹線、秋田新幹線、宇都宮線高崎線常磐線(快速)、山手線京浜東北線、(東北縦貫線)(上野駅
東京地下鉄:○銀座線(G-16)、○日比谷線(H-17)(上野駅
東京都 台東区
日暮里駅 東日本旅客鉄道:常磐線(快速)、山手線京浜東北線、(東北縦貫線
東京都交通局:日暮里・舎人ライナー(01)
荒川区
新三河島駅  
町屋駅 東京地下鉄:○千代田線(C-17)
東京都交通局都電荒川線町屋駅前
千住大橋駅   足立区
京成関屋駅 東武鉄道伊勢崎線牛田駅
堀切菖蒲園駅   葛飾区
花茶屋駅  
青砥駅 京成電鉄押上線
京成高砂駅 京成電鉄京成本線(八幡・船橋・津田沼・千葉・成田方面)、金町線
北総鉄道北総線∧既設∨
新柴又駅  
矢切駅   千葉県 松戸市
北国分駅  
秋山駅  
東松戸駅 東日本旅客鉄道:武蔵野線
松戸市から一般特急停車の要望がある(後述)
松飛台駅  
大町駅   市川市
新鎌ヶ谷駅 新京成電鉄:新京成線
東武鉄道野田線
鎌ケ谷市
西白井駅   白井市
白井駅  
小室駅   船橋市
千葉ニュータウン中央駅   印西市
印西牧の原駅  
印旛日本医大駅   印旛郡印旛村
成田新高速鉄道線∧新設∨
成田ニュータウン北駅(仮称) 成田線我孫子支線下総松崎 - 成田間との交差地点松崎字湯川)に開設予定 成田市
成田空港高速鉄道線接続点(仮称・土屋駅 第三種鉄道事業者の境界点
土屋駅については設置の請願が行われている
新根古屋信号場 京成本線との合流地点
京成本線∧既設∨
空港第2ビル駅 東日本旅客鉄道:成田線成田空港線
京成電鉄京成本線京成成田方面
成田空港駅 東日本旅客鉄道:成田線成田空港線

日暮里 - 成田空港間は、最速で空港特急36分、一般特急59分で結ぶ予定。

成田空港高速鉄道線接続点付近イオンモール成田付近)に「土屋駅(仮称)」を設ける運動が存在するが、現行計画では駅設置の予定は無い。成田市では「成田新高速鉄道土屋駅設置促進協議会」(現、新駅・基幹交通網整備促進特別委員会)を設け、土屋駅設置に向けた署名活動千葉県国土交通省空港公団(当時)への陳情などの住民運動を展開している。2008年2月20日には、土屋新駅設置に係る研究会が発足した。

一般特急通過予定の東松戸駅について、松戸市千葉県が一般特急の停車を要望しており、国や京成電鉄との間で交渉を行っている。

成田新高速鉄道の世界の主要空港と都心との距離とアクセス所要時間

※ 所要時間順:空港名の左の地名はアクセスを示している都市名であって、必ずしも空港所在地ではない。

日本 / 福岡 - 福岡空港

3.3km / 5分(福岡市地下鉄空港線利用博多駅 - 福岡空港駅

ドイツ / フランクフルト・アム・マイン - フランクフルト国際空港

10km / 15分(Sバーン8号線または9号線利用フランクフルト・アム・マイン中央駅 - フランクフルト空港近距離駅

日本 / 東京 - 東京国際空港羽田空港

14.5km / 15分(京浜急行利用品川駅 - 羽田空港駅

イギリス / ロンドン - ヒースロー空港

24km / 15分(ヒースロー・エクスプレス利用パディントン駅 - ヒースローターミナル1,2,3駅)

アメリカ / アトランタ - アトランタ国際空港

14km / 17分(アトランタ都市圏高速交通局地下鉄南北線利用ファイブポインツ駅 - 空港駅

日本 / 仙台 - 仙台空港

17.5km / 17分(仙台空港アクセス線利用仙台駅 - 仙台空港駅

中国 / 香港 - 香港国際空港赤?角空港

香港島中心部まで約34km / 24分(香港MTR機場快線利用香港駅 - 機場駅

フランス / パリ - シャルル・ド・ゴール空港

25km/25分(RER-B線利用、パリ北駅 - シャルル・ド・ゴール空港第2駅)

中国 / 上海 - 上海浦東国際空港

上海トランスラピッド龍陽路駅まで約30km / 約8分、同駅から上海市中心部まで約20km / 20 - 30分程度

マレーシア / クアラルンプール - クアラルンプール国際空港

57.6km/28分(KLIAエクスプレス利用クアラルンプール・セントラル駅 - クアラルンプール国際空港駅

日本 / 名古屋 - 中部国際空港

39.3km / 28分(名古屋鉄道利用名鉄名古屋駅 - 中部国際空港駅

日本 / 大阪 - 関西国際空港

46.0km / 29分(JR西日本利用、天王寺駅 - 関西空港駅

日本 / 東京 - 成田国際空港

60km / 36分(整備後)(日暮里駅 - 空港第2ビル駅)(注)

日本 / 札幌 - 新千歳空港

46.6km / 36分(JR北海道千歳線利用札幌駅 - 新千歳空港駅)

台湾 / 台北 - 台湾桃園国際空港

40km / 40分(現状:鉄道着工予定桃園機場捷運

台湾 / 高雄 - 高雄国際空港

10.5km / 25分(高雄捷運紅線利用高雄駅 - 高雄国際空港駅

アメリカ / シカゴ - オヘア国際空港

37km / 50分(シカゴ・Lブルーライン利用シカゴ駅 - オヘア駅)

日本 / 東京 - 成田国際空港

60km / 51分(現状)(日暮里駅 - 空港第2ビル駅)

大韓民国 / ソウル - 仁川国際空港

52km / 60分(現状:鉄道建設中空港鉄道

タイ王国 / バンコク - スワンナプーム国際空港

32km / 60分(現状:鉄道建設中高速鉄道

(注)日暮里駅 - 空港第2ビル駅を基準とした場合であり、京成上野 - 成田空港間の場合は43分である。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『成田新高速鉄道』より
取得日:2008-08-12

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