新造人間キャシャーン

新造人間キャシャーン (しんぞうにんげんキャシャーン)は、タツノコプロが制作した吉田竜夫原作のSFアニメ。1973年に制作されたテレビアニメ版(全35話)と、1993年にタツノコプロ創立30周年記念作品として制作・発売されたオリジナルビデオアニメ(OVA)版(全4話)がある。

2003年には本作品を原作として、実写版の映画「CASSHERNキャシャーン)」(監督:紀里谷和明)が製作されている(本項では記載せず)。

2008年10月には35年ぶりにテレビアニメとしてリメイクされ、「キャシャーン Sins」が放映されることが決定。キャシャーンの声を古谷徹が担当することも発表された。

新造人間キャシャーンの概要


注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


テレビアニメ版は、1973年10月2日から1974年6月25日まで、フジテレビ系で毎週火曜日19:00 - 19:30に、全38回(35話+再放送3話)にわたり放送された。

石油ショックによるスポンサー宣伝費の削減や、メインスポンサーであった文具メーカーの倒産などが原因で、当初の予定よりも短い9ヶ月(3クール)で放送が打ち切られることになり、最後はやや短兵急な展開になってしまった。しかし、タツノコプロ特有劇画タッチキャラクターと、主人公の悲劇性、きわめてシリアスストーリーを持つ本作品は、テレビアニメ放映終了後30数年が経った今も根強い人気と支持を集め、最終回のラストシーンは希望と共に皮肉な笑いを持つものとして知られる。後年、ファンの中から成長してクリエイターになった者の手によりリメイクが行なわれた。リメイクされたオリジナルビデオアニメ(OVA)のキャラクターデザインと作画監督を務めたアニメーター梅津泰臣タツノコプロ作品の長年のファンだったという(梅津は本作品だけでなく、 科学忍者隊ガッチャマン 破裏拳ポリマー OVA版でもキャラクターデザインと作画監督を務めている)。実写版CASSHERN」の監督紀里谷和明もまた本作のファンだったことから実写化を実現した。

同社作品 科学忍者隊ガッチャマン に続くSFヒーローものとして企画され、当初は ガッチャマン 後番組として日曜日午後6時の枠で放映される予定だった。しかし、 ガッチャマン が大人気を博し、放映期間が予定よりさらに1年間延長されることになったため、同時並行で別の放送枠で放映されることになった。
放映が決まったフジテレビ火曜日午後7時の時間帯は当時、 樫の木モック けろっこデメタン と続くタツノコメルヘン路線が敷かれていた枠である。そのため本作にもその影響が残っており、企画書においてもメルヘン性が盛り込むことが謳われている。舞台は明確な国籍は設定されていないものの、北欧がイメージされて背景美術が描かれ、古城や宮殿、石畳の歩道が登場する中を主人公を流浪する。また、主人公がいつかは人間に戻ることを望むというピノキオとも通じる要素を持ち、母親が白鳥に姿を変えるというファンタジー色を持つのも一つの特徴である。その一方で重厚なドラマハードアクションが魅力となっている。

同時期のヒーロー番組では、毎回個性ある敵(怪獣、怪人、ロボット等)が登場し、その能力と任務・作戦を打ち破り阻止するヒーローの戦いがストーリー展開の軸となっていたが、本作では大半のエピソードで、毎回共通して登場する数種類量産型戦闘用ロボットが攻撃の主体であるという、当時としては画期的な演出を行っている。これにより、「ロボット軍団」にふさわしい無機質な不気味さを表現するのに成功していると同時に、ロボットが没個性的な分、ロボットの攻勢にさらされる人間側の生き様(毎回これを象徴する「ゲストキャラ」が登場する)、また、作品の前半部分は人間として民衆のヒーロー的な声援を受けていたが、後半ではアンドロ軍団により民衆の前で機械の身体であることをバラされ、それ以降は民衆からも虐げられるようになったキャシャーン自身の内面の葛藤を描きかれた。これらのことはガッチャマンが集団にて敵に立ち向かうヒーローなのに対し、キャシャーンは人間側を助けるヒーローでありながら人間側からも支持を得られない孤独のヒーローとして涙を誘い、結果として、現在でも評価の高い人間ドラマを生み出すこととなった。が反面、毎回目新しく個性ある敵ロボットの登場がなかったことで、とりわけ低年齢層の視聴者にはややとっつきにくい印象を与えたことも否めない。但し、途中からは不死身と称する「人間」キャシャーン対策に特化したロボットが登場するようにはなっている。

本作を監督したのは、これまでギャグものを多く手がけて来て、前番組 けろっこデメタン を担当していた笹川ひろしである。本格的なSFアクションものはこれが初めてという笹川は、ターザン映画イメージして、主人公のアクションを描いたという。ロボットフレンダーは、笹川が漫画家時代に「少年キング」に連載した漫画 魔犬五郎 から引用したもの。フレンダーの遠吠えは音響効果スタッフ加藤昭二自らが演じたものにエコーをかけたものだが、この遠吠えもターザンの雄叫びを意識したものである。また、荒野を彷徨う流れ者というヒーロー像はタツノコプロの先行作品 紅三四郎 があり、声優のオーディション神谷明とともに残った西川幾雄キャシャーン役に決定したのも、 紅三四郎 で主人公役を西川が演じた経験をタツノコプロ社長吉田竜夫が買ったものだった。

本作の仮タイトル ネオロイダー だったが、読売広告社の松山貫之専務アイデアで 新造人間キャシャーン となった。監督の笹川ひろしは、これをガラスが割れた音と捉え、ガラスが割れて二度と元に戻れないことを意味すると解釈。人間に戻れなくなった主人公像を重ね合わせた。また、当初の企画では、主人公・東鉄也の名前は「南譲次みなみ・じょうじ)」になる予定だったが、 ガッチャマン の登場人物に「南部博士」がおり「南」を使いすぎるとの理由で変更された。なお、「南譲次」の名前はその後、漢字表記を「南城二」に変えて 宇宙騎士テッカマン の主人公の名前に転用された。

テレビアニメ版・OVA版とも日本コロムビアよりDVD化された(テレビアニメ版全9巻、OVA版全1巻)。

なお2008年秋にで新シリーズを製作することが明らかになった(アニメーション制作はマッドハウス)。また、2008年公開のアメリカ映画「変異編年史」(ザ・ミュータント・クロニクル)は、「新造人間キャシャーン」の世界設定をほぼ踏襲し(バウハウスドイツ帝国と三島朝日本帝国など四大企業帝国による果てしない人類の内戦と、アンドロイドによる人類奴隷化戦争)、アンドロイドに挑む人類の戦いを見事に映像化した。[1][2]

新造人間キャシャーンの1973年のテレビアニメ版

新造人間キャシャーンのストーリー

東(あずま)博士の開発した公害処理用ロボットBK-1が落雷によって自我に目覚め、公害の元凶となっている人間を処理すべきであると考えるようになり、「ブライキングボス」を自称し戦闘ロボット軍団アンドロ軍団」を作り上げて世界征服を開始した。東博士息子鉄也は、人間と融合して完成する不死身の「新造人間」キャシャーンとなり、ロボット・フレンダー、恋人のルナとともにアンドロ軍団に立ち向かう。 ストーリーには当時の日本が高度成長期であり、そのため公害が度々問題となっていた背景がある。

新造人間キャシャーンのスタッフ

原作:吉田竜夫タツノコプロ企画室

企画:鳥海尽三

SF考証:小隅黎柴野拓実

文芸担当小山高男

音楽:菊池俊輔

美術監督中村光毅

総監督:笹川ひろし

脚本:鳥海尽三、落合茂一、酒井あきよし、小山高男福井忠、若松はじめ、多村映美三宅直子武末勝、石井喜一、永田俊夫松浦健郎石原久夫

演出:笹川ひろし、原征太郎富野喜幸布川郁司(布川ゆうじ)、岡迫和之

キャラクターデザイン吉田竜夫天野嘉孝 

作画監督:林政行川端宏、井口忠一

原動画西城隆詞、池ノ谷安夫森中正春、福田健一、岸義之塩山紀生黒川豊須田勝上梨壱也野田拓実石黒篤田中享坂元政弘水村十司沼尻東高木清、鈴木信一、清山滋崇、大鹿日出明、古川達也岡迫亘弘山口聡

美術設定多田喜久子岡田和夫中村光毅

背景:プロダクションわーとアップルズ

仕上:向井稔斉藤弥生近江美樹子関根史子西嶋敏子、秋山まゆみ、奥秋英子野村千恵子村上幸栄池宮隆須永友子村上篤美

特殊効果朝沼清良嶋崎史之山崎雅典鈴木絢子

撮影:天平フィルムモビッシュハウス

編集:森田清次三木幸子尾形治敏神田博史羽場武

進行:千田正芳長谷川徹横尾潔サイケ吉岡高山幸直

効果:イシダサウンドプロ(現・フィズサウンドクリエイション

録音ディレクター水本完

録音:棚岡元読広スタジオ

現像:東京現像所

プロデューサー吉田健二、九里一平

制作担当:栃平吉和タツノコプロ)、津田義夫(読売広告社)

制作協力:フジテレビ

制作:タツノコプロ

主題歌

オープニング=「たたかえ!キャシャーン」/作詞:タツノコプロダクション企画文芸部、作曲:菊池俊輔、歌:ささきいさお

エンディング=「おれは新造人間」/作詞:タツノコプロダクション企画文芸部、作曲:菊池俊輔、歌:ささきいさお

新造人間キャシャーンの声の出演

キャシャーン東鉄也):西川幾雄(AC タツノコ VS. CAPCOM では小野大輔

東光太郎博士:山内雅人

東みどり:武藤礼子

上月ルナ:塚田恵美子

ブライキング・ボス内海賢二

バラシン立壁和也

サグレー加藤修

アクボーン仲木隆司

フレンダー加藤昭二イシダサウンドプロ音響効果スタッフ

ナレーター納谷悟朗

新造人間キャシャーンのテレビアニメ放送リスト

不死身の挑戦者

月光に勝利をかけろ

廃虚の中に明日を呼べ

MF銃に怒りをこめろ

戦いの灯を消すな

疾風フレンダー

英雄キケロへの誓い

野獣ロボが吠える

戦火に響け協奏曲

死の砂漠に命をかけろ

悪魔の巨像

鉄の悪党列車

裏切りロボット五号

キャシャーン無用の街

復讐に小犬は駆ける

スワニー・愛の翼

ロボット子守唄

巨象対アンドロ軍団

恐怖のピエロボット

死刑台キャシャーン

ロボット・ハイジャック

脱走ロボット・ロメオ

ロボット工場大脱出

バウンダー・ロボの挑戦

不死身のキャシャーン

キャシャーンの秘密

消えたMF銃

怒りの騎馬隊

高熱ロボ・ネオタロス

ロボ退治ナンバーワン

新造人間を造る街

涙の電光パンチ

スワニー危機一髪

キャシャーンロボットエース

地球最大の決戦

第32話と第33話の間に再放送

英雄キケロへの誓い (第7話の再放送)、戦火に響け協奏曲 (第9話の再放送)、裏切りロボット五号 (第13話の再放送)

新造人間キャシャーンのOVA版

タイトル キャシャーン 英字表記は「CASSHAN」で、後年の映画版とは異なる。タツノコプロ創立30周年記念作として、1993年に発表された。全4話。                        

新造人間キャシャーンのストーリー

ブライキング・ボス率いるアンドロ軍団はついに世界征服を果たし、人間は奴隷としてロボット工場などで強制労働を強いられていた。しかし、人々の間には一つの伝説があった。それは、ロボットと戦う、人間の姿をした「キャシャーン」という名の救世主が、いつか人類を解放してくれる、と言うものだった。ある日、アンドロ軍団の最大のロボット工場に少女・上月ルナが潜入し、捕虜たちの脱走を企てるが失敗。しかし、ルナが処刑される寸前、ついにその伝説の救世主が現れた…。

新造人間キャシャーンのスタッフ

原作:タツノコプロ

エグゼクティブ・プロデューサー永見暁彦、九里一平

企画:成嶋弘毅鈴木敏充

スーパーバイザー柿沼秀樹

制作プロデューサー木村健吾

プロデューサー木村裕史吉田陸大倉宏俊

監督:福島宏之

脚本:會川昇有井絵夢柿沼秀樹

演出:福島宏之阿部雅司渡部高志

キャラクターデザイン・作画監督:梅津泰臣

オープニングアニメーション佐々木守

美術監督福田和矢

音楽:大島ミチル

制作協力:アートミック東京キッズ

制作:九里一平

製作・著作:タツノコプロ日本コロムビア

新造人間キャシャーンの声の出演

キャシャーン東鉄也):草尾毅

東光太郎博士キートン山田

東みどり:高木早苗

上月ルナ:冬馬由美

ブライキング・ボス内海賢二

バラシン:菅原淳一

サグリア天野由梨

アクボーン:二又一成

ドクターレスター・モンゴメリー将軍掛川裕彦

長老アサリ:緒方賢一

ナレーター沢木郁也

新造人間キャシャーンのサブタイトルリスト

Vol.1 神話からの帰還

Vol.2 過去への旅立ち

Vol.3 鋼鉄の戦場

Vol.4 復活キャシャーン

新造人間キャシャーンのテレビ放映

2006年の8月1日午前10時22分〜11時18分・8月2日午前10時47分〜11時46分に、NHK衛星第2テレビの「BS夏休みアニメ特選」枠内にて放送された。

新造人間キャシャーンの備考

テレビ放送時所謂ポケモンショックを防ぐために、一部暗く放送されたが、断りは無かった。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『新造人間キャシャーン』より
取得日:2008-08-16

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