洋ゲー

洋ゲー(ようげー)とは、「音楽で言うところの洋楽」に准えて、日本国内で流通する欧米のメーカーが開発元となっているコンピュータゲームの分野を指す通称。略さない形では洋物ゲームともいう。

洋ゲーの概要

日本国内で「洋ゲー」と言う場合、主に日本国外でも特にヨーロッパアメリカ地域ゲーム会社が作成したゲームの通称であるが、近年になってMMORPGに多く見られるアジア諸国で制作されたゲームなどはこの洋ゲーの範疇には含まないことが多い。

これらではゲーム内における文化性や世界観・登場人物・習慣もその製作国の民族意識を強く反映した物となっており、これは全く架空の世界観(SFやファンタジーの分野)においても、日本人にとっては違和感に近い新鮮味があったりする物が多く、日本人の企画者では想像だにできないような異質の雰囲気を特徴とする。

洋ゲーのプラットフォームによる受容の違い

コンピュータゲームプラットフォーム利用機器)には家庭用ゲーム機とパーソナルコンピュータという2つの潮流が存在する。それらは異なる顧客層を持ち、一般にパソコンゲームのほうがゲーム普及黎明期においてハードルが高かったことにもちなみ、より熱心なゲームマニアを集めた傾向が見られ、この中には外国語に対する語学力を持ち、日本国外で販売されているパソコンをそのまま使い、やはり日本国外向けで外国語によるメッセージの出るゲームで遊んでいた者もみられた。またそれらパソコンが開発環境もセットで販売されていたことにもちなみ、日本国内向けのパソコンに対して移植版中小様々ゲームメーカーから出ることもあったが、後のDOS/V登場にも拠り、そのまま日本国外のPC-AT向けゲームが流入するようになっていった。

他方の家庭用ゲーム機では、市場の拡大につれ日本国内で発売されたゲーム機の国外向け製品に発売されたゲーム国内向ゲーム機版メッセージなどを差し替えるなどの作業(ローカライズ)が求められたため、やや洋ゲー市場としては後発の部類にもなっている。

洋ゲーのパソコン

パソコンゲームの場合、日本国外で製作されたソフトでも日本語版OSのパソコン上でそのまま再生できるようになって居る物が大半(勿論、言語表示は製作元のままであるが)であるため、なんら問題なく遊べる。このような市場はPC/AT(日本国内ではDOS/V)普及当初から見られ、1990年代初頭より、DOSゲームの分野でパソコンショップ・ソフト売り場には必ずといって良い程、洋ゲーコーナーが存在していた。

このような事情により、洋ゲーのヒット作を海外メーカーの日本法人や国内パブリッシャーが日本人向けにパッケージを含めて言語表示を全て日本語に差し替えたり、中小のバプリッシャーでは日本語のマニュアルを付属させて販売される場合もある。その一方で熱心なユーザーの中には、国外で売られているゲームを通信販売や海外旅行(または海外出張)の際に直接買い付けるという形で、独自に入手してプレイする人も存在する。また近年では人気のあるソフトは有志のユーザーが集って日本語化を進め、それをネット上で配布することも行われている。

またゲームソフトウェアによっては、予め表示や音声に関して簡単に差し替えられるようにプログラム自体を設計している所も多く、特にヨーロッパを中心として発売されたゲームでは、英語・フランス・ドイツ・イタリア語に1パッケージ(同一製品・同一メディアで、インストール時などに選択する)で対応するものも多く、これも洋ゲー流通を促進させる一つの要素になっている。

このため洋ゲー市場は家庭用ゲーム機よりも遥かにパソコン偏重となっており、その一方でパソコンユーザーの多くが年齢層が高いことも在って、一定の教育を受け英語の理解力もある傾向も強い事から、比較して高度なゲームが多い反面、残酷ゲームに見るような対象年齢が高い・内容的に過激な物に傾倒する方向性が強い。

洋ゲーの家庭用ゲーム機

2008年現在、現行機であるニンテンドーDS・プレイステーションポータブル・Wii・プレイステーション3・Xbox360のうち、WiiおよびXbox360においては、ほとんどのソフトで「リージョンコード地域コード・ゲームでのリージョンコードの項を参照されたし)」や「エリアプロテクト」と呼ばれる、ハードウェアソフトウェアの販売地域コードが一致しなければ作動しない制限が仕掛けられている。これにより、例えばアメリカで販売されているゲームソフトを日本の該当ハードウェアプレイすることは原則できない。ただし、リージョンコードが設定されていないゲームソフトや、アジア版と呼ばれる日本と同じリージョン英語版ゲームソフトなどは動作する。これは各国間の通貨の為替レートと実際の経済事情の違いから安い販売価格が設定されている地域の製品が(メーカーの意図に反して)別の国で販売され、同国内の販売ルートを混乱させないためや、また各国で異なるレーティング事情に配慮しての措置などが理由に挙がる。

しかしリージョンコードソフトウェアの普及に対する足枷になる傾向もあり、これを採用しないプラットフォームもみられる。ニンテンドーDS・プレイステーションポータブル・プレイステーション3においては、リージョンコードが設定されていないため、特別にリージョンロックがかけられている一部のゲームソフトを除いては、アメリカで販売されているほとんど全てのゲームソフトが動作する。

日本においては、このエリアプロテクトなどの採用が進む以前より、欧米でのみ発売されていたコンシューマーゲームを輸入販売する市場も存在していた。この中では日本語マニュアルなどを添付しただけの、ソフトウェア内容は変更しない簡易的なローカライズ(販売地域への対応)をしていた製品も流通して、マイナーながら熱狂的な支持層を持つジャンルも存在している。この世代のゲーム機には光速船Atari Lynxなどが挙げられよう。

この方向性は現在でも秋葉原などの電気街で見られる。特に多いのは、「北米版」と称される北米(アメリカカナダ)で販売されているゲーム機(北米版ゲーム機)と北米版ゲームソフトを販売している店であり、両方揃えれば日本版の出ていない本場の洋ゲーを遊ぶことができる。また、海外で人気のゲームソフト国内向けに地域制限を変更されて、また日本国内のレーティング事情に沿う形で一部変更を加えられて発売されることもある。

メディアロムカセットだったメガドライブファミリーコンピュータなどのソフト(PCエンジンを除く)は、端子部を変えることで物理的に挿入不可にする例はあったものの(これは形式変換アダプターで対応可能である)、そのまま輸入したソフトウェアが利用できたため、特に改造等をしなくとも日本のマシン海外ゲームプレイできた。たとえば ソニック・ザ・ヘッジホッグ は北米の方がリリースが早かったため、日本発売の数週間前に店頭に並び、また日本での発売予定が繰り返し延期された ポピュラス などが注目された(メガドライブは後にエリアプロテクトを設けた)。

しかし、現在のように簡単に海外のゲーム事情のわからなかった1980年代?1990年代初頭の当時、日本で前述のポピュラスのような有名作品でない海外オリジナルタイトルを買うのはギャンブルに等しく、海外らしさ溢れる作品や日本では知られていなかった隠れた良作を入手することもあれば、いわゆるクソゲーと呼ばれる「外れ」を引いてしまうこともままあった。

これらの評判は口コミや、当時のパソコン通信などで広まっていき、それを聞きつけたメーカーにより、正式に日本でリリースされるものも現れた。しかし、日本リリースされるソフトも遥かに完成度が低いこと自体が「評判になっていた」ものまでリリースされてしまう玉石混淆状態で、人によっては、特にPCでゲームをしない人にとっては、 海外ゲーム = 大味、駄作 というイメージを持つようになってしまった。

洋ゲーの日本国内で良く知られた洋ゲー

上に述べたとおり、洋ゲーの多くは日本向けにローカライズされたとは言っても、際立ったブームを起こすことは少ない。しかしそれでも熱心な愛好者を獲得するに至ったゲームも存在し、またこれらのゲームは日本国外でも人気作品であることも多く、シリーズ化されている物も多い。ただ、その一方で「有名であることから問題視も受けやすい」という傾向もあり、これにまつわる議論も少なからず見られるのも事実である。

洋ゲーのWizardryシリーズ

詳細はウィザードリィを参照

コンピュータRPG開祖の一つ。国内ローカライズが成されたのは1985年のPC版からだが、熱心なマニアは1981年に発売されたApple II向けを遊ぶべく本体ハードウェアを購入するなど高価な環境を揃えて英語版プレイしていた。テーブルトークRPGの文化がある欧米とは異なり「日本ではRPGは売れない」というのが当時の一般的な評価で、RPGというジャンルそのものが洋ゲー的な存在だったが、結局本作は日本のゲームにも多大な影響を与え、日本発の外伝シナリオをも生み出すに至った。

剣と呪文・種族の異なるプレイヤーキャラクターキャラクタークラスパーティを編成してダンジョンを踏破するというスタイルは、本作品を抜きにしては語れないものとなっている。ロールプレイングゲームの開祖的作品としての地位を世界規模で確立したため、もはや洋ゲーという範疇で扱えない所までいった稀有な例の一つである。何か日本人の琴線に触れるものがあるのか、現在では国産の外伝シリーズの方が本家のオリジナルよりも数が多い状態で、そういう意味でも特異な位置を占めている。

同じく開祖的作品にウルティマが存在し、こちらも家庭用ゲーム機向ロールプレイングゲームドラゴンクエストなどにその影響の片鱗を見出すことができる。

洋ゲーのダンジョンマスターシリーズ

詳細はダンジョンマスターを参照

元々は欧米で主流のパソコン向けのゲームであったが、後に日本国内のパソコンコンシューマーゲームに移植され、国内でも一定の人気を獲得する。現在でも熱狂的な愛好者がおり、フリーウェアの形でクローン版が製作されていて、英語版ながらWindowsパソコンなどでも遊ぶことができる。

武器はおろか食料や石ころ、あるいは仲間の遺骨でさえも拾って投げつけることで敵を攻撃できる3Dアクションロールプレイングゲームである。

洋ゲーのポピュラスシリーズ

詳細はポピュラスを参照

一神教的な世界観と、従来は無かった「世界全体に干渉してゲーム内のキャラクターを誘導してゲームを進める」というスタイルから人気を集め、当時主要なコンシューマーゲームにも移植された。

後のシリーズはそれほどのブームとは起こさなかったものの、同シリーズの存在は後にゴッドゲーム(神の視点ゲーム)というジャンルの確立に向かうことになる。

洋ゲーのシムシティシリーズ

詳細はシムシティを参照

見下ろし型からの視点で一つの都市の道路や建築物を配置し、バランスの良い都市を作ることで人口を増加させていく。単一のキャラクタではなく都市全体が時間をかけて変化していく(一種のセルラーオートマトンスタイルはわかりやすい題材とあいまって幅広い年齢層に支持された。シムアースシムアントなど現実世界の題材をデフォルメしたシミュレータよりの続編が発売されたが、現在ではより詳細な都市を構築できるシムシティの続編とリアルタイムに行動する街の中の住人を題材にしたシムピープルが特に好評である。

シリーズ作品も多いほか、様々なプラットフォームに移植作品が存在し、その中にはPalm向けのソフトウェアも発表されている。

洋ゲーのレミングスシリーズ

詳細はレミングスを参照

集団で登場する「レミングス」に様々な指示を与えて、一定数以上を出口へ導くパズルゲーム。大量に発生する無邪気で勇敢なレミングスたちを指定数出口に導きさえすれば面クリアとはなるが、「高いところから落ちて死ぬ」「火に焼かれて死ぬ」「罠に掛かって死ぬ」「水や溶岩に溺れて死ぬ」「自爆して死ぬ」とポップな絵柄に似合わずレミングスたちが呆気なく死にまくるゲームとしても有名。不謹慎だが操作に失敗して行き詰まった場合には「一斉に自爆させる」というコマンドもあり、木っ端微塵となったレミングスたちの破片(1ピクセル)が飛び散る様子が花火のようで美しい。

近年では携帯電話にまで移植されている。

洋ゲーのメックウォーリアシリーズ

詳細はメックを参照

ボードゲームとしてその下地が作られ、パソコン向けにコンピュータゲーム化されたほか、多くのコンシューマーゲームにも移植された。なお日本製ロボットアニメインスパイアされたことでも有名だが、後にオリジナルデザインに変更された。

かってはゲーム内でプレーヤーカスタマイズする要素を多く含む傾向にも見られ、かなり細かいカスタマイズ性を盛り込むことで、独自の世界観を形成するに至った。発売元が二転三転し、またシミュレータジャンルの停滞やオンラインゲームへの移行、コンシューマゲームスタイルの一般化もあり、カスタマイズ要素よりもオンラインゲーム化した時の多人数での戦術性にシフトしている。

洋ゲーのDOOMシリーズ

詳細はDOOMを参照

欧米で熱狂的な支持を受けた他、日本ではファーストパーソン・シューティングゲーム認知度拡大におおいに貢献した。

世界各国追加プログラムが開発された他、クローンと呼ばれる亜種もリリースされており、現在のファーストパーソン・シューティングゲームジャンル確立に果たした役割は計り知れない。

洋ゲーのポスタルシリーズ

詳細はポスタル (ゲーム)を参照

コアなファン層をもつ残酷ゲーム。欧米では発売禁止措置のほか、メディア規制論に絡んで度々引用されることから知名度が挙がってしまったことで知られている。日本でもやはり極端なマニアによる支持層と、拒否層をもつ。環境犯罪誘因説においても、しばしば同ゲームの存在が議論に上っている。

洋ゲーのGrand Theft Autoシリーズ

詳細はグランド・セフト・オートシリーズを参照

街中で自由に行動を行ないながらミッションをこなしたりしていくクライムアクションゲーム。車で街を暴走したりする等箱庭的なゲーム内容で海外のみならず日本でも人気を博している(因みに大々的に人気が出てきたのは3からである)が、ゲーム中に課せられるミッションの多くが犯罪にも絡むため、これを問題視する者もいる。日本では有害図書に指定した都道府県(例:福岡県埼玉県神奈川県等)もあるが、中でも最初に規制に乗り出した神奈川県の現知事である松沢成文の行為(映像を10分見ただけで決定した事)および言動(サイレント・マジョリティ発言等)が波紋を呼び、これが逆にモラトリアムに関心のある青少年層やライトゲーマー(余り熱心にゲーム情報を収集してないゲーム好き)の注目を集めてしまったことでも有名。また、GTAシリーズで欠かせないのがPC版におけるいわゆるMODによるゲーム改造であり、現在においても世界規模で盛んであり、これもまたGTAシリーズの人気の一つとなっている。

パソコン向けのほか、プレイステーションXboxシリーズにも移植されており、SAではPS2版向けとしてリリースした後、PC版を発売する販売方法がとられている。また、2008年4月29日に発売(北米・欧州等)されたグランド・セフト・オートIVでは、次世代機であるプレイステーション3、Xbox 360で同時に発売されている。

PS2版のほとんどが修正されている。(特にGrand Theft Auto: San AndreasGrand Theft Auto: Liberty City Storiesは特に修正が多い)


◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『洋ゲー』より
取得日:2008-08-04

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