マラソン
陸上競技における長距離走のひとつ。本項で解説。
2005年に公開された韓国の映画 - マラソン (映画)
テレビ神奈川(tvk)で放送されたローカル番組 - マラソン (テレビ番組)。
東京放送(TBS)系列で2007年9月20日に放送された単発のドラマ - マラソン (テレビドラマ)。
マラソン大会の競技者
マラソン(marathon)は、陸上競技の長距離走のひとつで、42.195キロメートルを走り、順位や時間を競う種目である。古代ギリシアの故事に由来する。
ただし、一般市民向けのスポーツ大会では、ハーフマラソン(21.0975Km)やクウォーターマラソン(10.54875km)をはじめ42.195キロメートルよりも短い距離でも長距離走であれば、俗に「マラソン」と呼ぶことが多い。これに対し42.195kmの距離を走るマラソンをフルマラソンという。また、長時間に及ぶ作業なども「マラソン」に例えられている。
オリンピックでもマラソンは常に注目競技の上位となってきた。1964年(昭和39年)の東京オリンピックで円谷幸吉が3位になるなど、日本の男子マラソンは世界最高記録保持者を輩出したり、知名度の高いレースで優勝・上位入賞する時代があった。1990年代前半からは、女子マラソン選手が世界的な競技大会で活躍を見せており、諸外国と比べても最も選手層が厚いといわれるほどの全盛時代を迎えている。
男子マラソンのマラソンの名の由来
紀元前450年9月12日(紀元前490年11月2日説も)、アテナイ(現在のアテネ)を落とす事を目標にマラトン(Marathon)に上陸したペルシャの大軍を、アテナイの名将ミルティアデスが奇策で撃退したマラトンの戦いでアテナイ軍の勝利というエウアンゲリオンを伝えるためフェイディピデス(Philippides)(プルタルコスによれば、エウクレス(Eukles))という兵士が伝令となり、アテナイの城門で勝利を告げ、力尽きて息を引き取ったと言われている(ただし、この話が史実かという点については疑問も出されている。「マラトンの戦い」の項目を参照)。
1896年、アテネで開かれた第1回オリンピックで、言語学者ミシェル・ブレアルの提案により、この故事を偲んでマラトンからアテネ競技場までの競走が加えられ、これが初のマラソン競走となった。
1982年より、これらの故事にちなんでアテネクラシックマラソンが開催されるようになった。コースはマラトンよりアテネの競技場までの42.195kmである。なおアテネオリンピック (2004年)では同一のコースが使われ、女子では日本の野口みずきが優勝を果たしている。
男子マラソンの42.195kmの由来
以前は、マラソンの距離は約40kmで一定していなかったが、第8回パリオリンピック以後、42.195kmで定着した。第4回ロンドンオリンピック時の42.195kmが、そのまま採用された(市街地42km+競技場の200mトラック1周弱)。
第4回ロンドンオリンピックでは、国王の住むウィンザー城からシェファードブッシュ競技場の約40kmで競った。この際、時の王妃アレクサンドラが、「スタート地点は宮殿の庭で、ゴール地点は競技場のボックス席の前に」と注文したために半端な数字になったとする逸話がある。この大会で最初に競技場に到達したイタリアの選手ドランド・ピエトリはゴール地点を勘違いして直前(彼の認識におけるゴール)で倒れ、役員の助力でゴールしたため、のちに失格となった(ドランドの悲劇)。
男子マラソンの女子の参加
第1回のアテネ五輪の当時、陸上競技は男子のみで行われており、マラソンも例外ではなかった(ただし、当日隠れて同じコースを走ったメルポメネという女性がおり、史上初の女子マラソンランナーとされる)。その後女子の陸上競技への参加が認められるようになっても、「女性がマラソンを走ることは生理的に困難」という見解が広く信じられ、オリンピックをはじめとするマラソン大会も男子のみで開催されていた。これに対して、1966年のボストンマラソンで主催者に隠れて参加する女性が出現、その後も年を追って非公式の女性参加者が増えたため、1972年に女子の参加が認められた。オリンピックで女子のマラソンが正式に採用されたのは、1984年のロサンゼルスオリンピックからである。
男子マラソンの競技の変化
以前は、駆け引きが重要であった。しかし、近年、女子を中心に高速化がめざましく、スピードも求められるようになってきた。さらには、トラックやクロスカントリーレース同様、スピードの上げ下げで相手のリズムを狂わせて、集団を絞っていくという選手の動きも見られるようになった。そのため、5000メートル走や10000メートル走のトップ競技者が記録を塗り替えることもある。
男子マラソンのマラソンの特徴
従来から市民ランナーが参加できる大会も多く存在している。2007年から東京マラソンが日本陸連公認の大会としては初めて市民ランナーにも開放され、3万人規模の大会として成功を収めている。なお一般の大会に於いては仮装ランナーも多数登場し大会を盛り上げているが、スポーツとしての側面からマラソンでの仮装には賛否両論がある。現在仮装については明確なガイドラインが無く、各大会毎に判断が委ねられているが、公序良俗に反しないものという旨の規定については共通しているようである。しかし日本陸連が公認する大会は原則として華美な仮装は禁止となっており、今後東京マラソンについても何らかの改正が必要となる可能性はある。
駅伝同様に公道を使用するので、交通規制が伴う競技であるが、殆どの大会が往復コース(特に公式記録樹立に関してはコースの大半が同じであることを条件としている)であること、また参加者が多いので競技時間が長く、駅伝以上に交通規制の時間が長くなる。それゆえ事前にあらかじめタイムによる足きりによって(概ね5時間から6時間)参加者を絞り込むことで、交通規制の時間を明確化している大会が多い。当日は周辺の商売やイベントは勿論、近距離の移動などにも不便を強いられることは多い。それでも「たった1日だけだから」と寛容に対処し、沿道での応援などで盛り上げる市民も多い。
男子マラソンの主要なマラソン大会
男子マラソンの日本国内で開催の大会
男子マラソンの日本陸連が主催または後援している大会
福岡国際マラソン 福岡県 平和台陸上競技場→中浜折り返し 東京マラソン 東京都庁発→東京ビッグサイト着 別府大分毎日マラソン 大分県大分市 大分市営陸上競技場→別府市 別府国際観光港折返し 琵琶湖マラソン(びわこ毎日マラソン) 皇子山陸上競技場発着→草津市新浜周回折返し 北海道マラソン 真駒内屋外競技場スタート→中島公園ゴール 東京国際女子マラソン 国立霞ヶ丘陸上競技場発着→平和島口/大森海岸交番前(女子)折返し 大阪国際女子マラソン 長居スタジアム発着→御堂筋・新橋折返し 名古屋国際女子マラソン 瑞穂陸上競技場発着→名古屋城周回道路折返し 長野オリンピック記念 長野マラソン 東和田運動公園スタート→長野オリンピックスタジアムゴール(以前のスタート地点は山ノ内町のオリンピックメモリアル聖火台前) 青梅マラソン 東京都青梅市スタート→西多摩郡奥多摩町ゴール(ただし、最長コースは30km) 防府読売マラソン 山口県防府市 全国健康福祉祭(ねんりんピック)男子マラソンのその他の大規模な大会(参加者1万人以上)
荒川市民マラソン 東京都 板橋区スポーツレクリエーションスタンド→江戸川区荒川大橋折り返し。制限時間が7時間と長く、市民ランナーが挑戦しやすい大会。 つくばマラソン 東日本では東京マラソンに次いで大規模な大会のひとつ。制限時間は6時間。 かすみがうらマラソン 茨城県で4月に行われる大会。制限時間は6時間。 河口湖マラソン 山梨県で11月に行われるマンモスマラソン大会。制限時間は6時間。 福知山マラソン 京都府。11月開催。全国から1万人を超える市民ランナーが集まる大会。制限時間は5時間。 NAHAマラソン 沖縄県那覇市で毎年12月に行われる市民マラソン大会。参加者数は2万人を超える。男子マラソンのその他の大会(参加者1万人未満)
淀川市民マラソン 大阪府 枚方市→大阪市淀川区折り返し。11月開催。制限時間が8時間と長く、市民ランナーが挑戦しやすい大会。 京都木津川マラソン 京田辺市から木津川沿いのサイクリングコースを中心に行われる。日本では数少ない制限時間なしの大会のため、市民ランナーが挑戦しやすい。 篠山ABCマラソン大会 兵庫県 篠山市内で3月に開催。朝日放送などでダイジェスト番組が放送されるため、関西では知名度が高い。制限時間は5時間。 青島太平洋マラソン 宮崎県宮崎市で、毎年12月第2日曜日に開催される。制限時間6時間。平坦なコースで気象条件もよいため、自己記録を更新しやすく、約8000人が参加。 全国スポーツ祭典 新春マラソン大会として、全国10ヶ所で実施される。男子マラソンの日本国外で開催の大会
| 大会名 | 開催国 |
|---|---|
| アテネクラシックマラソン | |
| パリマラソン | |
| ロッテルダムマラソン | |
| ボストンマラソン | |
| ロンドンマラソン | |
| ベルリンマラソン | |
| 北京国際マラソン | |
| シカゴマラソン | |
| ニューヨークシティマラソン | |
| ホノルルマラソン | |
| バンクーバーマラソン | |
| ゴールドコーストマラソン | |
| マカオ国際マラソン |
男子マラソンの歴代記録
コースによって条件が異なるマラソンは、国際陸上競技連盟(国際陸連=IAAF)が記録公認をしていなかったため、これまでの記録を上回っても、「新記録」ではなく「最高記録」と言われていたが、2004年、国際陸連は記録公認諸条件を整備、マラソンを含む道路競技の記録も「新記録」と表現されるようになった。(次節参照)
したがって、これまでマラソンの記録は「世界最高記録」「日本最高記録」などと称されてきたが、2004年以降は他の種目同様「世界記録」「日本記録」などと称されることになった。
男子マラソンの公認コースの主な条件
これはマラソンに限らず道路競走一般に適用されるが、マラソンの場合にはその距離に端数があるため特に規定がある。それはカッコ内に表示した。
コースの長さは競技距離より短くてはならず、かつ誤差は競技距離の1000分の1以下(マラソンでは 42m 以下)
上記の条件を満たすべく、距離の測定にあたっては 1001m をもって 1000m=1km とする
スタート地点からゴール地点までの標高の減少は競技距離の1000分の 1 以下(マラソンでは 42m 以下)
スタート地点とゴール地点は直線距離で競技距離の 2 分の 1 以下
男子マラソンの男子世界歴代
| 位 | タイム | 氏名 | 所属 | 年月日 | 大会 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2時間4分26秒 | ハイレ・ゲブレセラシェ | 2007年9月30日 | ベルリン | |
| 2 | 2時間4分55秒 | ポール・テルガト | 2003年9月28日 | ベルリン | |
| 3 | 2時間4分56秒 | サミー・コリル | 2003年9月28日 | ベルリン | |
| 4 | 2時間5分15秒 | マーティン・レル | 2008年4月13日 | ロンドン | |
| 5 | 2時間5分24秒 | サムエル・ワンジル | 2008年4月13日 | ロンドン | |
| 6 | 2時間5分30秒 | アブデラヒム・グムリ | 2008年4月13日 | ロンドン | |
| 7 | 2時間5分38秒 | ハーリド・ハヌーシ | 2002年4月14日 | ロンドン | |
| 8 | 2時間5分49秒 | ウィリアム・キプサン | 2008年4月13日 | ロッテルダム | |
| 9 | 2時間5分50秒 | エバンス・ルト | 2003年10月12日 | シカゴ | |
| 10 | 2時間6分05秒 | ロナウド・ダコスタ | 1998年9月20日 | ベルリン |
Jr世界記録: 2時間10分13秒 モーゼス・マサイ(
ケニア)2005年4月17日
Jr日本記録: 2時間15分30秒 砂田貴裕 1992年12月20日
高校記録: 2時間24分24秒 高橋宏幸(米子商業)1993年2月21日
男子マラソンの女子世界歴代
| 位 | タイム | 氏名 | 所属 | 年月日 | 大会 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2時間15分25秒 | ポーラ・ラドクリフ | 2003年4月13日 | ロンドン | |
| 2 | 2時間18分47秒 | キャサリン・ヌデレバ | 2001年10月7日 | シカゴ | |
| 3 | 2時間19分12秒 | 野口みずき | 2005年9月25日 | ベルリン | |
| 4 | 2時間19分36秒 | ディーナ・カスター | 2006年4月23日 | ロンドン | |
| 5 | 2時間19分39秒 | 孫英傑 | 2003年10月19日 | 北京 | |
| 6 | 2時間19分41秒 | 渋井陽子 | 2004年9月26日 | ベルリン | |
| 7 | 2時間19分46秒 | 高橋尚子 | 2001年9月30日 | ベルリン | |
| 8 | 2時間19分51秒 | 周春秀 | 2006年3月12日 | ソウル | |
| 9 | 2時間20分42秒 | ベルハネ・アデレ | 2006年10月22日 | シカゴ | |
| 10 | 2時間20分43秒 | テグラ・ロルーペ | 1999年9月26日 | ベルリン |
Jr世界記録: 2時間23分37秒 劉敏(
中華人民共和国)北京国際マラソン 2001年10月14日
Jr日本記録: 2時間30分30秒 増田明美 オレゴンTCマラソン 1983年9月11日
高校記録: 2時間36分34秒 増田明美(成田)千葉選手権マラソン 1982年2月21日
男子マラソンの最長記録
本競技でスタートしてからゴールするまでに最も長く掛かった記録は日本の金栗四三が記録した54年8ヶ月6日5時間32分20秒3である。
金栗は1912年に開催されたストックホルムオリンピックのマラソンに出場したが、途中で体調を崩し棄権した。
しかし、棄権の意思がオリンピック委員会に伝わらず(関係者が棄権の届けを出さなかったとの説もある)、金栗は記録上「競技中に失踪し行方不明」となった。そのまま時は流れ、1967年にストックホルム市がオリンピック開催55周年を記念する式典を開催することになり、当時の記録を調べていたオリンピック委員会は金栗が「行方不明」即ち、完走も棄権もしていない状態であることを発見し、金栗に改めて棄権するか完走するよう要請した。要請を受けた金栗はストックホルムへ赴き、式典の中で当時のコース(実際には競技場内の100メートル、残りの距離を消化した扱い)を走ってゴールし、ゴールまで半世紀以上という公式記録が残された。
男子マラソンの記録に関する用語
サブスリー - フルマラソンを3時間以内に完走すること。
サブフォー - フルマラソンを4時間以内に完走すること。
サブテン - フルマラソンを2時間10分以内に完走すること。100kmウルトラマラソンで10時間以内にゴールすること。
サブエイト - フルマラソンを2時間8分以内に完走すること。
◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『男子マラソン』より取得日:2008-08-28
男子マラソンの関連サイト
- スポーツナビ | 世界陸上2007大阪 | 男子マラソン速報
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