矛盾脱衣

矛盾脱衣(むじゅんだつい、英:paradoxical undressing パラドックシカル アンドレシング)とは、凍死者が裸の状態で発見されること、または寒い環境の中で脱衣してしまう異常行動のこと。

矛盾脱衣の原因・メカニズム

恒温動物である人間は、あまりに寒い環境下に長時間いると、体温の熱量は外気に奪われ、結果体温が下がる。 体温が一定以下に下がると、体は生命の維持のためにそれ以上の体温低下を阻止しようとして、 熱生産性を高め、皮膚血管収縮によって熱放散を抑制することにより、 体内から温めようとする働きが強まる。 このとき、体内の温度と外部の気温(体感温度)との間で温度差が生じると、 極寒環境下にも関わらず、まるで暑い場所にいるかのような錯覚に陥り、 衣服を脱いでしまうといわれる。

法医学では、これはアドレナリン酸化物の幻覚作用によるとも、 体温調節中枢の麻痺による異常代謝によるとも説明している。

矛盾脱衣の症例

遭難した登山者が凍死状態で発見されるとき、稀に着衣を脱いだ状態で発見されることがある。 また、タンスの中や火のついていない掘りゴタツの中など狭い空間に潜り込んだ状態でも発見されている。 なお、発見時は脱衣した状態であるため、発見者や捜査員を困惑させることがある。 これについて、終末期異常行動(hide-and-die syndrome ハイドアンドダイ・シンドローム)と呼ばれる。

雪山に関わらず、脱衣した状態で凍死した例は世界各国で何件か見つかっている。

日本でも、過去に服を身につけない状態で凍死した事例が37件発見されており、 「矛盾脱衣」が原因だと考えられているが全員死亡のため、 実際の状況について詳しいことはわかっておらず、あくまで推測の域にとどまっている。

◇出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)『矛盾脱衣』より
取得日:2008-08-15

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